「防衛特別法人税」納付ゼロでも全法人に申告義務
- 安田 亮
- 5月8日
- 読了時間: 2分
おはようございます!代表の安田です。
令和7年度税制改正により、「防衛特別法人税」が新たに導入されることとなりました。この税制は、法人の規模にかかわらず、すべての法人に申告義務が生じる点が大きな特徴です。
今回は、防衛特別法人税の概要と、実務上注意すべきポイントについてご紹介します。
■防衛特別法人税の概要
防衛特別法人税は、法人の基準法人税額(所得税額控除前の法人税額)をベースに算定される特別税で、次のような仕組みになっています:
基準法人税額から基礎控除額500万円を差し引いた金額を課税標準とする
課税標準に対して税率4%を乗じて税額を算出
令和8年4月1日以降に開始する各事業年度から適用
ここでいう「基準法人税額」とは、所得税額控除や外国税額控除を適用する前の法人税額を指します。
■納付がない法人でも「申告義務あり」
中小企業など、基準法人税額が500万円以下の法人については、結果として防衛特別法人税の納付額がゼロとなる場合が多いと想定されます。
しかし、納付額がゼロであっても、防衛特別法人税の申告書提出は必要です。いわゆる「ゼロ申告」が求められるため、申告漏れがないよう注意しましょう。
■申告書の様式について
国税庁では、令和7年度税制改正に対応した新しい法人税申告書別表を整備する予定です。
法人税別表に、防衛特別法人税に関する計算欄が追加される見込み
防衛特別法人税専用の別表を別途提出する必要はなし
通常の法人税申告と同時に処理できるため、手続きは比較的スムーズになる想定
このため、実務上は法人税申告と一体で管理することが求められます。
■防衛特別法人税の算式(参考)
防衛特別法人税 = (基準法人税額 - 基礎控除額500万円) × 4%
※基準法人税額とは、所得税額控除等適用前の法人税額です。
■実務への影響と準備ポイント
すべての法人が申告対象になるため、申告漏れに注意
法人税申告書の作成時に、新別表を確実に確認・記載
税理士事務所や会計ソフトベンダーと連携して新様式への対応を事前に確認
■まとめ
防衛特別法人税の導入により、申告実務に新たな対応が求められることになります。特に「納付額がゼロだから申告しなくていい」と誤認しないよう、社内体制の見直しと、正確な申告準備を今から進めていくことが重要です。

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