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オペレーティング・リースの税務処理

安田 亮

おはようございます!代表の安田です。


与党が決定した「令和7年度税制改正大綱」には、リース取引に関する税務処理の見直しが盛り込まれました。この改正により、オペレーティング・リース(OL)の会計処理と税務処理が以下のように整理されます。


会計処理と税務処理の主な変更点

  1. 法人税法での取り扱い

    オペレーティング・リース(OL)は、引き続き賃貸借処理を継続します。

    これにより、会計処理で使用権資産やリース負債を計上する一方、税務上は賃貸借契約に基づき支払った金額のうち、確定した部分のみ損金算入が可能となり、申告調整が必要となります。


  2. 貸手の特例処理の廃止

    新リース会計基準では、貸手のファイナンス・リース取引における旧基準の特例処理が廃止されます。これに伴い、法人税法や消費税法での収益計上基準も見直され、経過措置が適用されます。


経過措置と適用スケジュール

  • 借手に関する措置

    2027年3月31日以前に締結された所有権移転外リース取引については、改正後のリース期間定額法を適用し、残価保証額を控除せず償却を行います。


  • 貸手に関する措置

    特例廃止に伴い、2025年4月1日以降に適用される新基準に基づき、既存契約について延払基準を継続する選択肢が提供されます。新規契約は2030年3月31日まで延払基準を適用可能で、適用をやめた場合は10年均等で収益計上されます。


実務への影響

  • 企業への影響

    オペレーティング・リースを扱う企業は、会計処理と税務処理の違いによる調整が必要となります。また、法人税や法人住民税、法人事業税における負担が変化する可能性があります。

  • 実務対応のポイント

    税務調整の実施や経過措置の適用を含めた適切な処理が求められます。特に、貸手の処理では新基準に基づく計算が複雑化するため、専門家への相談が推奨されます。


オペレーティング・リースに関する税務処理の改正は、企業の財務報告や税務計算に多大な影響を与える可能性があります。これらの変更点を正確に理解し、適切な対応を進めることが重要です。


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