ゴーンショックについて思うこと②

おはようございます、神戸市中央区のfreee専門会計事務所の若手公認会計士・税理士の安田です。


今日は相続の話はいったん休憩で、ニュースの話題。


ゴーンショックがまだ沈静化しなさそうですが、監査法人の責任について書いてみます。


今回の虚偽記載は有価証券報告書の前半部分の役員報酬の金額の欄でした。


公認会計士または監査法人が監査証明の責任を負うのは原則として、有価証券報告書の後半部分の「経理の状況」の欄です。


監査法人の出す監査証明(監査報告書)には以下のような文言が書かれています。


当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社●●の平成29年4月1日から平成30年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。


つまり「経理の状況」しか責任を負わないということです。


なので、もし財務諸表自体が誤っておらず、役員報酬の金額の記載だけ誤っていたのであれば、監査法人は責任を負わなくて良いと考えられます。

「経理の状況」について、誤っているのに 「正しい」 と証明してしまった場合は責任を負わなければなりません。


ただし、「正当な注意」を払ったうえで見逃してしまったのならお咎め無しになります。(ここまでやって騙されたんなら仕方ないだろうということです)

なので、この「正当な注意を払ったこと」を証明するために、監査法人の仕事は年々 “アリバイ作りの作業” になっていっています。


と書きましたが、監査基準では、財務諸表等に記載されている情報と財務諸表等以外の部分の情報との整合性を確認することが監査人に期待されています。ですので、当然に役員報酬の金額くらいはチェックしろよということになります。当然に私もチェックしてました。


この監査基準がどの程度の効力を生むか、 そこが責任の有無を分けるポイントになりそうです。 (続く)

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