ゴーンショックについて思うこと③


おはようございます、神戸市中央区のfreee専門会計事務所の若手公認会計士・税理士の安田です。


前回からの続き。


原則として監査法人は有価証券報告書の「経理の状況」に書かれた内容しか責任を負いません。(本当に「経理の状況」が誤っていなければ、という前提での話ですが。)


でも、ここまで世間を騒がせといて監査法人に責任なしとなれば、逆に「監査法人っていったい何に対して責任取るんだよ」と思われるのではないでしょうか。


私自身、オリンパス事件が起きた時に当事者の1つである監査法人に在籍していました。


あれだけ世間を騒がせたし、株価の暴落も招き、投資家が損失を被っている中、監査法人には実質お咎め無しでした。


「じゃあ俺らの仕事って何を期待されているんだ、むしろ何も期待されていないんじゃないか」と思い、監査業界に見切りをつける一つのきっかけにもなりました。


また、こういう事件が起きる度に形式的な監査手続きが多くなり、監査自体がどんどん形骸化していきます。


今回の監査法人も軽い指摘だけして、最終的には見逃してしまったということらしいです。重要性の概念などもあり、おそらくお咎め無しでしょう。

実効性ある監査をするためには、制度自体の改革が必要だと思います。


まずはクライアントから報酬をもらうことをやめること。金をもらっている顧客に対して強く出れるわけがありません。


私は上場企業で決算・税務ともに行なってきましたので、監査法人による監査、国税局による税務調査の両方を経験しました。


両者ではまず権限が違います。国税局の調査官は怪しい取引を見つけると「本当にそんな取引していたのか?」ということで、取引先にまでおしかけてヒアリングしたり証拠資料を入手したりする権限があります(反面調査と言います)が、監査法人にはありません。そりゃ会社側もビビり方が違います。


それと、監査法人はクライアントに対してけっこう気を遣います。だって、クライアントが大きい会社となると、そこから監査報酬として何億円ももらっているんだから、そのクライアントのご機嫌を損ねて「監査法人替えます!」なんて言われたら、そのクライアントの監査をやっていた方々は法人内で評価が下がるでしょうし、仕事を一気に失い、社内ニートのレッテルを貼られます。最近は人手不足でそんなことないかもしれませんが。


関西の大手電機メーカーが監査法人を変えた際には、監査チームがごっそりと移籍したという話も聞いたことがあります。


監査法人も、国税局のように公務員化するのが一番良い形のような気がしています。

そうなると給与体系も公務員と同じになり、会計士としては夢が無くなりますけどね。

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