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フリーランス法で初の勧告

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 7月3日
  • 読了時間: 2分

おはようございます!代表の安田です。


2023年に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法(通称:フリーランス法)」に基づき、初の勧告事例が公表されました。対象となったのは、出版業界の大手2社,、株式会社光文社と株式会社小学館です。

この出来事は、今後フリーランスと取引するすべての企業にとって、実務上の警鐘とも言えるものです。今回はこの勧告の内容と実務上の留意点を解説します。


■ 何が問題とされたのか?

勧告の要点は、フリーランス法で義務づけられた次の2点に関する違反です:

① 取引条件の明示義務(第3条第1項違反)

フリーランスに業務を委託する際、

  • 給付内容

  • 報酬額

  • 支払期日

などを書面または電磁的方法で即時に明示しなかったことが問題視されました。


② 期日での報酬支払い義務(第4条第5項違反)

フリーランスからの成果物を受領しても、

  • 報酬の支払期日を明示せず

  • 法定の支払期限までに報酬を支払わなかった

点が違反とされました。


■ 公正取引委員会の対応と勧告内容

2025年6月17日、公正取引委員会は以下のような是正措置の勧告を行ないました。

  • 今後、業務委託時には取引条件を必ず書面または電磁的方法で明示すること

  • 報酬支払を定められた法定期日までに確実に履行すること

このように、違反行為そのものに対する是正に加えて、社内体制の見直し・再発防止策の実施も強く求められています。


■ 実務対応のチェックポイント

この勧告事例を踏まえ、フリーランスと業務委託契約を締結する企業では、次の点を改めて見直す必要があります:

チェック項目

内容

契約時の明示方法

書面またはPDF、メール等で給付内容・報酬・支払期日を明確に記載

報酬支払の期日管理

成果物の納品日から60日以内、または役務提供日から60日以内の支払が原則

契約書・発注書のフォーマット整備

明示すべき項目が網羅されているか定期的に点検

■ 最後に:フリーランス法は“形式”よりも“実質”重視

形式的に契約書を交わしているだけでは不十分です。実質的に「フリーランスの立場を弱者と捉え、適正な取引環境を整備しているか」が、今後の企業評価のカギとなります。




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