おはようございます!代表の安田です。
中小企業が賃上げ促進税制を活用する場合、雇用者給与等支給額が比較給与等支給額を超えることで、税額控除が発生します。この控除額が当年度の法人税額を超過した場合、未控除額として翌年度以降に繰り越すことが可能となります。
ただし、繰越控除を適用するためには、以下の書類を確定申告書に添付する必要があります:
別表六(二十四):「給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」
別表六(二十四)付表一:「給与等支給額、比較教育訓練費の額及び翌期繰越税額控除限度超過額の計算に関する明細書」
実際の適用例
例えば、X年度での控除限度額が300万円、控除率30%で申告した場合、その後の更正の請求により控除率が40%に変更されたとします。この場合、新たな控除額は400万円に増加し、控除限度額350万円との差額50万円が未控除額として繰り越されます。
未控除額の繰り越しには以下の条件が必要です:
繰越年度でも給与等支給額が基準を超えること
繰越年度ごとに必要な明細書を確定申告書に添付すること
X年度から5年以内であれば、未控除額を順次控除していくことが可能です。
留意点
必要な明細書の提出漏れがある場合、後から適用することはできません。
修正申告や更正の請求により控除額や控除率を変更することは可能ですが、既に提出済みの書類で申請した控除対象雇用者給与等支給増加額を変更することはできません。
まとめ
中小企業向け賃上げ促進税制における繰越税額控除制度は、控除漏れの解消に役立つ一方で、申請手続きの正確さが求められます。事業年度ごとの書類提出や適用条件を十分に確認し、制度を最大限に活用しましょう。
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