おはようございます!代表の安田です。
2025年(令和7年)の贈与税申告期間を迎えるにあたり、令和6年以降の相続・贈与に関する税額計算の変更点について確認しておきましょう。2024年(令和6年)1月1日以降に発生する贈与や相続に適用される新制度では、贈与税・相続税の計算方法が大きく変わります。
<相続時精算課税制度の見直し>
相続時精算課税制度において、年110万円の基礎控除が新設されました。これにより、以下の計算方法が適用されます。
贈与時:特定贈与者(親など)からの1年間の贈与額合計から基礎控除額110万円を差し引き、残額が2,500万円を超える場合、その超過分に20%の贈与税が課されます
相続時:贈与時の財産価額から基礎控除110万円を差し引いた額が、相続財産に加算されます
また、この制度を利用する場合、贈与税申告書に加え「相続時精算課税選択届出書」を税務署に提出する必要があります。提出がない場合、暦年課税が適用されます。
<暦年課税における贈与税の変更>
暦年課税を選択する場合、以下の計算方法が適用されます。
1年間の贈与額合計から基礎控除110万円を差し引いた金額に対し、10%〜55%の税率で贈与税が課されます
相続時には、相続開始前7年間の贈与財産(基礎控除内の贈与分を含む)が相続財産に加算されます
ただし、相続開始3年超7年以内の贈与財産については、合計100万円までが加算対象外となります
この加算対象期間は相続開始日によって異なり、以下のように段階的に延長されます。
相続開始日 | 加算対象期間 |
〜2026年12月31日 | 相続開始前3年以内 |
2027年1月1日〜2030年12月31日 | 2024年1月1日〜相続開始日 |
<e-Taxによる贈与税情報の確認>
2025年1月以降、国税庁のe-Taxマイページで「贈与税関係」欄が追加され、過去の贈与税申告書を確認しながら相続税申告書を作成できるようになります。これにより、相続時の申告がよりスムーズに行なえるようになります。
<今後の対応>
相続・贈与の税制改正により、特に「相続時精算課税の基礎控除新設」や「贈与財産の相続財産への加算期間の延長」が大きなポイントとなります。相続税の対策を考える際には、どの制度を選択するか慎重に検討する必要があります。
<まとめ>
令和6年以降の相続・贈与税制では、贈与時・相続時の課税方法が変更され、加算対象期間の延長や基礎控除の導入などの改正が実施されました。特に相続時精算課税を活用する場合は、基礎控除を考慮しつつ計画的な贈与を行うことが重要です。また、e-Taxを活用した情報確認が可能になるため、最新の制度を活用して適切な申告を行ないましょう。

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