おはようございます!代表の安田です。
令和7年度の税制改正において、地方税に関する重要な改正点がいくつか発表されました。物価上昇や雇用環境の変化に対応するため、個人住民税や固定資産税の特例措置などが見直されています。本記事では、これらの改正内容について詳しく解説します。
1.個人住民税の給与所得控除の見直し
個人住民税の計算において、給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられました。これにより、給与所得者の負担軽減が図られる一方で、高所得者層には影響が少ない設計となっています。
また、扶養親族等に係る所得要件も見直され、以下のように引き上げられます。
扶養親族の前年の合計所得金額要件:48万円以下 → 58万円以下
ひとり親の扶養対象子の所得要件:同上
勤労学生の所得要件:75万円以下 → 85万円以下
さらに、新たな控除制度として「特定親族特別控除(仮称)」が創設されました。
これは、19歳以上23歳未満の子を持つ親の負担軽減を目的とした制度で、子の所得額に応じて控除額が段階的に設定されます(最大45万円)。
この改正は、令和8年度分以後の個人住民税から適用されます。
2.中小企業向け固定資産税の特例措置拡充
生産性向上や賃上げ促進のため、中小企業が一定の機械・装置を導入した際の固定資産税の特例措置が拡充・延長されます。
主なポイントは以下のとおりです。
1.5%以上の賃上げを計画に明記 → 固定資産税の課税標準を2分の1
3%以上の賃上げを計画に明記 → 課税標準を4分の1
令和7年4月以降の取得資産については、特例を受けるために賃上げ計画の明記が必須
この特例は令和9年3月31日まで延長されます。
3.企業版ふるさと納税の適用期限延長
地方創生を目的とした企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)について、適用期限が3年延長され、令和10年3月31日までとなりました。
一方で、制度の適正化を図るために、自治体と企業の間で過度な便宜供与が行われることを防ぐ仕組みが強化されます。寄附企業の税負担軽減措置(寄附額の最大約9割を控除)は引き続き維持されます。
まとめ
今回の改正では、住民税の負担軽減、中小企業の設備投資支援、地域創生の推進が主なテーマとなっています。特に、賃上げを伴う投資に対する税制優遇が強化されており、企業にとっては計画的な対応が求められます。
企業の税務担当者や経営者は、これらの改正内容を踏まえ、適用可能な税制優遇措置を最大限活用できるよう準備を進めていきましょう。

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