全税目でオンライン調査を本格導入へ
- 安田 亮
- 7月29日
- 読了時間: 3分
おはようございます!代表の安田です。
2025年7月、国税庁より発表された新たな取り組みとして、令和7年(2025年)9月から全税目・法人個人を対象としたオンライン税務調査がスタートします。
従来の「電話・対面・郵送」をベースにした調査から一転、メール、WEB会議、クラウドストレージを駆使したデジタル調査(オンライン調査)が段階的に導入される予定です。
導入の背景と概要
この新たなオンライン調査は、政府共通の業務環境「ガバメントソリューションサービス(GSS)」の導入に伴うもので、まずは金沢国税局と福岡国税局管内からスタートし、順次全国に展開されます【参考:図】
オンライン調査の対象
以下のすべての税目が対象になります。
法人税・消費税・源泉所得税・個人所得税
相続税・贈与税などの資産税
つまり、すべての納税者(法人・個人問わず)が、将来的にオンライン調査の対象となるということです。
具体的な調査方法
今回のオンライン調査は、以下の3つの方法を中心に構成されます。
1. インターネットメールによる連絡
調査官からの資料依頼や質問は、登録済みのメールアドレスにメールで通知されます。口頭での事前通知後、メールでのやり取りが本格化します。
2. WEB会議システムによる面談
「Microsoft Teams」を活用し、面談・ヒアリングが行われます。税務調査の面談もオンライン化することで、時間・場所の柔軟性が向上します。
3. オンラインストレージでの資料受渡し
帳簿や契約書などの資料は、「PrimeDrive」というクラウド経由で提出します。
e-Taxによる提出も併用可能ですが、容量制限があるため、今後はPrimeDrive利用が主流になる見込みです。
納税者側の対応と注意点
このオンライン調査には、強制力はなく、同意の上で実施されます。そのため、以下のような事前手続きが必要です。
《メール利用の例》
調査官から意思確認(Microsoft Formsによる登録)
メールアドレスの登録
テストメールの送受信確認
その他、Teamsの操作確認や資料アップロード方法なども必要に応じて指導されるとのことです。
実務への影響と対策ポイント
会計事務所や顧問先の企業にとって、このデジタル化は大きな転換点となります。
✔ 実務での対応ポイント
オンライン環境(Teams・Forms・クラウド)の整備
電子帳簿の迅速な提出体制の構築
顧問先への情報共有・同意取得の準備
通信環境やセキュリティ対策の確認
まとめ:今後の税務調査は「ハイブリッド」へ
今後の税務調査は、「対面」と「オンライン」を使い分けるハイブリッド型が主流になると予想されます。すでに令和4年からe-Taxでの資料提出が可能となっており、今回のオンライン調査はその延長線上にあるとも言えるでしょう。



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