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副業収入は事業所得?雑所得?帳簿書類の保存と所得区分の判断ポイントを税理士が解説

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 7月2日
  • 読了時間: 17分

おはようございます!代表の安田です。


副業収入は事業所得?雑所得?帳簿書類の保存と所得区分の判断ポイントを税理士が解説

会社員が副業をすることは、いまや珍しくありません。


動画配信、ブログ、アフィリエイト、Webライター、デザイン制作、プログラミング、せどり、ハンドメイド販売、講師業、コンサルティング、民泊、シェアリングエコノミーなど、副業の形は多様化しています。


副業で収入が出た場合、確定申告ではその所得をどの区分で申告するかが重要です。

特に問題になりやすいのが、「事業所得」と「雑所得」の違いです。


事業所得として申告できれば、青色申告特別控除や損失の損益通算など、税務上有利な取扱いを受けられる可能性があります。一方、雑所得に区分される場合には、事業所得とは異なる取扱いになります。


令和4年分以後の所得税から、副業収入について、帳簿書類を保存しているかどうかが、事業所得と雑所得の区分判断において重要な要素となりました。


ただし、帳簿書類を保存していれば、必ず事業所得になるわけではありません。収入金額が僅少であったり、営利性が認められなかったりする場合には、個別に判断されます。


本日は、副業収入の所得区分、帳簿書類の保存範囲、通帳や収益レポートを帳簿として使えるか、実務上の注意点を税理士の視点から解説します。


副業収入の所得区分が重要な理由

所得税では、所得を10種類に区分して計算します。

副業収入については、主に事業所得または雑所得に該当するかが問題になります。


同じ副業収入でも、所得区分が違うと税務上の取扱いが変わります。

事業所得であれば、一定要件を満たすことで青色申告を選択できます。


青色申告を行なえば、青色申告特別控除、青色事業専従者給与、純損失の繰越控除などの制度を利用できる可能性があります。また、事業所得で赤字が出た場合、給与所得など他の所得と損益通算できるケースもあります。


一方、業務に係る雑所得の場合、収入から必要経費を差し引いて所得を計算しますが、事業所得ほど広い特典はありません。


特に、副業の赤字を給与所得と損益通算することはできません。

そのため、副業収入を事業所得として申告できるかどうかは、税額に大きく影響することがあります。


事業所得とは

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生ずる所得をいいます。


副業であっても、社会通念上、事業といえる程度の実態があれば、事業所得に該当する可能性があります。事業所得に該当するかどうかは、単に本人が「これは事業です」と言えば決まるものではありません。


一般的には、次のような事情を総合的に見て判断されます。

  • 営利性があるか

  • 継続性があるか

  • 反復して行なわれているか

  • 相応の時間や労力を投入しているか

  • 人的・物的設備があるか

  • リスクを負って行なっているか

  • 収入規模が一定程度あるか

  • 社会的に事業として認識できる程度の実態があるか


本業が会社員であっても、副業に十分な事業実態があれば、事業所得に該当することがあります。


一方、たまたま得た収入や、趣味に近い活動から生じた収入は、事業所得ではなく雑所得になる可能性が高くなります。


業務に係る雑所得とは

雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得のいずれにも該当しない所得をいいます。


雑所得のうち、副業に係る収入で、営利を目的として継続的に行なうものは「業務に係る雑所得」に区分されます。たとえば、

  • 会社員が休日にWebライターとして原稿料を得ている場合

  • 動画配信で広告収入を得ている場合

  • フリマアプリで継続的に転売収入を得ている場合

  • アフィリエイト収入がある場合


このような副業収入は、事業所得に至らない場合でも、業務に係る雑所得として申告することがあります。


業務に係る雑所得も、収入から必要経費を差し引いて所得金額を計算します。

ただし、事業所得とは異なり、青色申告特別控除や損失の損益通算などの取扱いには制限があります。


令和4年分以後の所得区分の考え方

令和4年分以後の所得税から、副業収入の所得区分について、国税庁の通達改正により考え方が整理されました。


ポイントは、取引を記録した帳簿書類の保存があるかどうかです。

副業収入について、取引を記録した帳簿書類を保存している場合には、営利性、継続性、反復性などが認められれば、事業所得として取り扱われる可能性があります。


一方、帳簿書類の保存がない場合には、一般的には業務に係る雑所得に区分されることになります。


ただし、これは機械的な判定ではありません。

帳簿書類を保存していれば必ず事業所得になるわけではありません。

逆に、帳簿書類の保存が不十分だからといって、すべてのケースで絶対に事業所得にならないとまではいえません。最終的には、副業の実態を踏まえて判断します。


帳簿書類の保存が重要になった理由

副業収入が事業所得か雑所得かは、以前から問題になっていました。


特に、給与所得者が副業で赤字を作り、その赤字を給与所得と損益通算して所得税の還付を受けるようなケースが問題視されることがありました。事業としての実態が乏しい活動について、事業所得として赤字申告をすることは、税務上否認されるリスクがあります。


そこで、令和4年分以後の取扱いでは、事業所得と認めるための重要な要素として、取引を記録した帳簿書類の保存が示されました。


帳簿書類を作成・保存しているということは、その活動を継続的・反復的に管理し、収入や経費を把握していることを示す材料になります。


つまり、帳簿書類の保存は、事業としての実態を説明するための基本資料です。


保存すべき帳簿書類の範囲

副業収入を事業所得として申告するために保存すべき帳簿書類は、事業所得者等に義務付けられている帳簿書類と同じ範囲と考えられます。


大きく分けると、「帳簿」と「書類」の両方が必要です。


帳簿とは、収入や必要経費などの取引内容を記録したものです。

たとえば、売上帳、現金出納帳、預金出納帳、経費帳、仕訳帳、総勘定元帳などが考えられます。


書類とは、取引に関連して作成・受領した資料です。

たとえば、請求書、領収書、納品書、契約書、支払明細書、振込明細、クレジットカード明細、メールで受け取った取引証明、プラットフォームの支払通知などです。


重要なのは、帳簿だけでも、領収書だけでも不十分だという点です。

取引内容を記録した帳簿と、その取引を裏付ける書類の両方を保存しておく必要があります。


帳簿に記載すべき内容

帳簿には、取引の内容が整然かつ明瞭に記録されている必要があります。

主に記録すべき事項は次のとおりです。

  • 取引の年月日

  • 取引の相手方の名称

  • 取引の内容

  • 金額

  • 収入か経費か

  • 必要に応じて支払方法や入金口座


たとえば、副業収入が発生した場合には、いつ、誰から、何の対価として、いくら受け取ったのかを記録します。


経費についても、いつ、誰に、何のために、いくら支払ったのかを記録します。

帳簿は、必ずしも複式簿記でなければならないわけではありません。


白色申告や簡易な記帳の場合には、日々の合計額をまとめて記載するなど、簡易な方法が認められる場合もあります。

ただし、後から収入や経費の内容を説明できる程度に、整然かつ明瞭であることが必要です。


ノートやExcelに転記しなければならないのか

実務上重要なポイントが、帳簿の保存方法です。


帳簿に記載すべき取引内容が、すでに整然かつ明瞭に記録された資料として存在する場合、必ずしもそれをノートやExcelに転記して保存することまでは求められないケースがあります。


たとえば、副業収入が所定の銀行口座に振り込まれる場合です。

通帳やインターネットバンキングの明細に、取引年月日、入金額、相手方名などが整然かつ明瞭に記録されており、副業収入の内容を確認できるのであれば、その通帳や明細を帳簿として保存できる場合があります。


この場合、同じ内容をわざわざノートやExcelに転記しなくてもよいという考え方です。

ただし、通帳に相手方名や取引内容が十分に表示されていない場合や、副業以外の入出金が混在していて判別が難しい場合には、別途帳簿を作成した方が安全です。


通帳を帳簿として保存できるケース

通帳を帳簿として保存できる可能性があるのは、副業収入が明確に記録されている場合です。

たとえば、次のようなケースです。

  • 副業専用の銀行口座を使っている

  • 入金日が分かる

  • 入金先や振込名義から取引相手が分かる

  • 金額が明確に記録されている

  • 副業収入と生活費の入出金が混在していない

  • 入金内容を請求書や契約書と照合できる


このような状態であれば、通帳や銀行明細が帳簿として機能することがあります。

一方、給与振込、生活費、クレジットカード引落し、家族間送金、副業収入が同じ口座に混在している場合には、通帳だけで帳簿として十分といえるか慎重に判断する必要があります。


実務上は、副業専用口座を作って、収入と経費を分けて管理することをおすすめします。


動画配信サービスの収益レポートは帳簿になるか

動画配信サービスや広告配信サービスでは、管理画面上で収益レポートを確認できることがあります。


YouTube、ブログ広告、アフィリエイト、ライブ配信、コンテンツ販売などでは、プラットフォーム上に日別・月別の推定収益が表示されることがあります。


では、この収益レポートを帳簿として保存すればよいのでしょうか。

配信会社によってサイト上で表示される収益レポート等について、表示される収入が推定金額であることが多く、実際の振込金額とは異なることから、そのレポートを帳簿として保存することはできないと考えられています。


推定収益は、広告単価の調整、無効クリック、為替、手数料、支払基準額などにより、後から変動することがあります。そのため、実際に確定した収入金額を記録した資料としては不十分な場合があります。


収益レポートは補助資料として保存する

動画配信や広告収入の収益レポートが帳簿そのものとして不十分な場合でも、保存する意味がないわけではありません。


収益レポートは、収入発生の経緯や期間別の収益状況を確認する補助資料になります。

実務上は、次の資料を組み合わせて保存することが望ましいです。

  • プラットフォームの確定支払明細

  • 銀行口座への入金明細

  • 収益レポート

  • 広告収入や配信収入の管理画面のスクリーンショット

  • 為替換算資料

  • 手数料控除の明細


帳簿には、実際に確定した収入金額や入金額を記録します。

推定収益レポートは、収入の内訳や発生状況を説明する資料として保存するのがよいでしょう。


帳簿書類があっても自動的に事業所得にはならない

ここが最も大切です。

帳簿書類を保存していれば、副業収入が必ず事業所得になるわけではありません。


帳簿書類の保存は、事業所得と判断されるための重要な要素ですが、事業性の判断は総合的に行われます。たとえば、帳簿書類を保存していても、収入金額が極めて少ない場合には、事業所得ではなく雑所得と判断される可能性があります。


また、赤字が続いており、収益を得るための具体的な営業活動や改善努力が見られない場合には、営利性が疑われることがあります。


趣味の延長として行なっている活動で、たまたま少額の収入があるだけの場合も、事業所得とは認められにくいでしょう。


帳簿書類を保存することは大切ですが、それだけで事業所得が保証されるわけではありません。


収入金額が僅少な場合

副業収入が僅少な場合には、事業所得と認められにくいことがあります。


たとえば、年間収入が数千円から数万円程度で、継続的な営業活動もなく、将来的に利益を増やす見込みも乏しい場合です。


もちろん、事業開始直後でまだ売上が少ないケースもあります。

その場合には、事業計画、営業活動、広告宣伝、設備投資、顧客獲得活動などを通じて、事業として成長させる意思と実態を示すことが重要です。


一方、何年も収入が僅少なままで、経費だけが大きく、給与所得との損益通算を目的としているように見える場合には、税務調査で事業性を否認されるリスクがあります。


事業所得として申告するなら、収益化に向けた実態を説明できるようにしておきましょう。


営利性が認められない場合

副業を事業所得とするには、営利性が重要です。

営利性とは、利益を得る目的で活動しているかどうかです。


たとえば、趣味で撮影した動画を公開し、わずかな広告収入が発生しているだけの場合、営利性が弱いと判断される可能性があります。


一方、動画制作を継続的に行ない、視聴者獲得のために企画・編集・分析を行い、広告収入やスポンサー収入を増やすために活動している場合には、営利性を説明しやすくなります。


営利性を示す資料としては、次のようなものがあります。

  • 事業計画

  • 営業資料

  • 広告宣伝の記録

  • WebサイトやSNSの運用実績

  • 顧客との契約書

  • 請求書

  • 売上推移

  • 改善施策の記録


単に帳簿を保存するだけでなく、利益を得るための活動実態を残しておくことが重要です。


副業専用口座を作るメリット

副業収入を管理するうえで、副業専用の銀行口座を作ることは非常に有効です。


副業専用口座を使えば、収入と経費の流れが明確になります。

通帳や入出金明細を帳簿として利用できる可能性も高まります。


また、生活費や給与振込と混在しないため、税務申告時の集計が楽になります。

副業専用口座を作るメリットは次のとおりです。

  • 収入の入金日と金額を確認しやすい

  • 取引相手を把握しやすい

  • 経費支払いとの対応関係を確認しやすい

  • 帳簿作成が簡単になる

  • 税務調査で説明しやすい

  • プライベート支出との区分が明確になる


副業を事業所得として申告したい人ほど、最初から専用口座で管理することをおすすめします。


経費の証拠書類も保存する

副業収入を申告する際には、収入だけでなく経費の記録も重要です。


必要経費として計上するには、その支出が副業収入を得るために必要なものであることを説明できなければなりません。

保存すべき資料には、次のようなものがあります。

  • 領収書。

  • レシート

  • 請求書

  • クレジットカード明細

  • 銀行振込明細

  • 契約書

  • メールでの発注記録

  • サブスクリプションの利用明細

  • プラットフォーム手数料の明細


副業で使うパソコン、通信費、撮影機材、ソフトウェア、書籍、外注費、広告費などは、経費になる可能性があります。


ただし、プライベート利用と兼用しているものは、合理的な按分が必要です。

経費を計上する場合は、支出の目的、事業関連性、按分根拠を残しておきましょう。


業務に係る雑所得でも書類保存義務がある場合

副業収入が事業所得ではなく、業務に係る雑所得に区分される場合でも、書類保存義務が生じることがあります。


令和4年以後、前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超える人は、その業務に係る現金預金取引等関係書類を5年間保存する必要があります。


現金預金取引等関係書類とは、業務に関して作成または受領した請求書、領収書などの書類のうち、現金の収受・払出し、預貯金の預入・引出しに際して作成されたものをいいます。

つまり、雑所得だから帳簿書類は一切不要というわけではありません。


副業収入が大きくなってきた場合には、事業所得か雑所得かにかかわらず、書類保存の体制を整える必要があります。


確定申告が必要なケース

会社員の副業収入については、所得金額によって確定申告が必要になることがあります。

一般的に、給与所得者で年末調整を受けている人でも、副業による所得が20万円を超える場合には、所得税の確定申告が必要になることがあります。


ここでいう20万円は、収入ではなく所得です。

つまり、副業収入から必要経費を差し引いた後の金額で判断します。

ただし、医療費控除やふるさと納税のワンストップ特例が使えない場合など、別の理由で確定申告をする場合には、副業所得が20万円以下であっても申告書に含める必要があります。


また、住民税については、所得税の20万円ルールとは別に申告が必要になる場合があります。副業収入が少額でも、自治体への住民税申告が必要か確認しましょう。


青色申告を検討する場合

副業を事業所得として申告する場合には、青色申告を検討することがあります。

青色申告を選択すると、一定要件を満たすことで青色申告特別控除を受けられる可能性があります。


また、赤字が出た場合の繰越控除や、家族への専従者給与など、白色申告にはないメリットがあります。ただし、青色申告をするには、原則として事前に青色申告承認申請書を提出する必要があります。また、帳簿の記帳水準も高くなります。


特に65万円または55万円の青色申告特別控除を受けるには、複式簿記による記帳、貸借対照表・損益計算書の作成、e-Taxによる電子申告または優良な電子帳簿保存などが必要です。


副業を本格的に事業として育てる予定がある場合には、早めに青色申告の準備をしましょう。


税務調査で確認されやすいポイント

副業収入について税務調査で確認されやすいポイントは次のとおりです。

  • 副業収入をすべて申告しているか

  • 事業所得と雑所得の区分が妥当か

  • 帳簿書類を保存しているか

  • 収入金額が通帳や支払調書、プラットフォーム明細と一致しているか

  • 経費が副業に必要な支出か

  • プライベート支出を経費にしていないか

  • 赤字が継続している場合、営利性があるか

  • 副業専用口座を使っているか

  • 収益レポートが推定額か確定額か

  • 雑所得に係る書類保存義務を守っているか


副業収入は、プラットフォームや銀行口座にデータが残りやすいため、申告漏れが見つかりやすい分野です。「少額だから大丈夫」と考えず、早めに記帳・保存体制を整えましょう。


よくある誤解

副業収入の所得区分について、実務上よくある誤解を整理します。


  • 帳簿を作れば必ず事業所得になる

帳簿書類の保存は重要ですが、収入規模、営利性、継続性なども総合的に判断されます。


  • 副業だから必ず雑所得

本業が会社員であっても、副業に事業としての実態があれば、事業所得に該当する可能性があります。


  • 通帳は帳簿にならない

通帳に取引年月日、相手方、金額等が整然かつ明瞭に記録されていれば、帳簿として保存できる場合があります。


  • プラットフォームの収益レポートだけ保存すればよい

推定収益レポートは実際の入金額と異なることがあるため、帳簿としては不十分な場合があります。


  • 雑所得なら書類保存は不要

前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超える場合には、一定の書類保存義務があります。


実務上のチェックポイント

副業収入がある方は、次の点を確認しましょう。

  • 副業収入の内容は何か。

  • 継続的・反復的に行っているか。

  • 営利目的があるか。

  • 収入金額はどの程度か。

  • 帳簿書類を保存しているか。

  • 副業専用口座を使っているか。

  • 通帳や銀行明細に取引内容が明確に記録されているか。

  • 収益レポートが推定額か確定額か。

  • 請求書、領収書、契約書を保存しているか。

  • 経費の事業関連性を説明できるか。

  • 事業所得として申告する根拠を説明できるか

  • 雑所得に該当する場合でも保存義務を確認しているか

  • 所得税だけでなく住民税申告も確認しているか


副業を始めた段階から、収入・経費・証憑を整理しておくと、確定申告がかなり楽になります。


まとめ

副業収入がある場合、確定申告では「事業所得」か「雑所得」かの区分が重要です。


令和4年分以後の所得税では、副業収入について、取引を記録した帳簿書類の保存により、営利性や継続性などが認められる場合には、事業所得に区分される可能性があります。

ここでいう帳簿書類は、事業所得者等に義務付けられている帳簿書類と同じ範囲とされ、帳簿と書類の両方を保存する必要があります。


帳簿には、取引年月日、取引相手、金額などを整然かつ明瞭に記録する必要があります。

ただし、必ずしもノートやExcelに転記しなければならないわけではありません。

副業収入が所定の銀行口座に振り込まれ、通帳に取引内容が整然かつ明瞭に記録されている場合には、その通帳を帳簿として保存できる場合があります。


一方、動画配信サービスや広告配信サービスの収益レポートについては、表示される金額が推定金額であり、実際の振込金額と異なることがあるため、そのレポートだけを帳簿として保存することは難しいとされています。

確定した支払明細や銀行入金明細とあわせて保存しましょう。


また、帳簿書類を保存していれば自動的に事業所得になるわけではありません。

収入金額が僅少である場合や、営業活動等に営利性が認められない場合には、個別に事業性を判断する必要があります。


副業を事業所得として申告したい場合には、帳簿書類の保存だけでなく、継続的な営業活動、収益化に向けた努力、事業としての実態を説明できる資料を整えておくことが大切です。


副業収入が雑所得に区分される場合でも、令和4年以後、前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超える方には、現金預金取引等関係書類の5年間保存義務があります。


副業収入の申告漏れや所得区分の誤りは、税務調査で問題になりやすい分野です。

副業を始めたら、早い段階で専用口座の開設、帳簿作成、請求書・領収書の保存、所得区分の確認を行いましょう。


副業収入の確定申告や事業所得・雑所得の判断で迷う場合は、税理士へ相談することをおすすめします。

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