吉本興業のギャラが低い理由

こんにちは、神戸市中央区のfreee専門会計事務所の若手公認会計士・税理士の安田です。


吉本興業のギャラの取り分の比率が低いということで盛り上がっていましたが、 吉本興業の会見では否定されていました。会社:芸人は、5:5もしくは6:4くらいだと。


ギャラの低さについて、芸能人の中には「吉本興業は劇場の数が多く、若手が売れるチャンスも多いからその分低くても仕方ない」と感情的・抽象的な理由で説明されている方が多いですが、今日は定量的に考えてみようと思います。


結論から言うと、分ける対象のギャラをどこに設定するか?次第だと思います。

よしもとの主張は、おそらく売上金額に対しての配分比率を言っているのだろうと思います。そうなれば5:5くらいで分けているかもしれません。


式にすると、、、

(売上ー吉本取分)/売上=50%・・・①

となります。


ただ、劇場を全国に15か所抱えている吉本興業は劇場の維持費が掛かります。

減価償却費、固定資産税、水道光熱費、劇場運営スタッフの人件費、、、などなど。これを間接費と言いますが、この間接費は吉本は他の事務所よりも多いと思うので、それを各芸人に割り当てる(会計的には「配賦する」と言います)ことはおそらくやっているのだろうと思います。


ですので、間接費配賦後の金額に対する取分は1割くらいになる人も多いのだと思います。


式にすると、、、

(売上ー吉本取分ー間接費)/売上=10%・・・②

となります。


私は、②の数式だけを取り上げて「吉本はギャラの比率が9:1だ」と言うのは、吉本側にとってあまりに不利な説明になっていると思います。


おそらく吉本側は①の数式でとらえ、芸人側は②の数式でとらえているのだと思います。

劇場を持っていないような他の芸能事務所だと、間接費の金額がかなり少ないため、①≒②となるのでしょう。


仮に売上高に対する配分率を5:5、間接費を10とすると以下のようなグラフになります。



このケースで、若手芸人は26売り上げて、50%を吉本興業に持っていかれるので13残り、そこから間接費の10を負担して最終的な取り分は3。利益を売上で割ると、、、3÷26=11.5%。


他方、明石家さんまクラスの人気者になると、売上が500で、50%を吉本興業に持っていかれるので250残り、そこから間接費の10を負担して最終的な取り分は240。利益を売上で割ると、、、240÷500=48%。


こうなると各芸人の売れ度合いで当然感じ方も変わるでしょう。


ただ、上図の左側の「理論上のグラフ」にすると、売上が20万円未満の芸人はむしろ持ち出しになり、赤字になってしまいます。吉本興業もそこまでひどいことはしていないだろうと思いますので、おそらく右側のようなグラフなのかなと思います。


左側のグラフで「芸人の取り分」が0になる箇所を損益分岐点と言います。

この損益分岐点は固定費と傾き(売上総利益率)で算出することが出来ます。


上記の例の場合、10÷0.5=20を売り上げた時に、芸人はようやくプラスマイナス0となります。もし吉本:芸人が6:4なら、10÷0.4=25を売り上げた時です。


無理矢理、吉本興業と管理会計を結び付けてみましたが、吉本側もこういう理論的な説明をすればいいのになと思いました。

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