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国税庁KSK2が令和8年9月24日稼働へ|申告書のAI-OCR様式化とe-Tax対応の注意点

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 7月2日
  • 読了時間: 10分

おはようございます!代表の安田です。


税務申告や各種届出の実務に関係する大きなシステム変更として、国税庁の次世代基幹システムであるKSK2が、令和8年9月24日から稼働する予定です。


KSKとは、国税庁の基幹システムのことです。その次世代システムとして導入されるKSK2では、書面で提出される申告書や申請書、届出書、法定調書などについて、AI-OCRによる読み取りを前提とした新様式への改訂が予定されています。


この変更により、書面提出を行なう事業者や税理士事務所では、提出する様式が最新のものかどうかを、これまで以上に確認する必要があります。


一方で、e-Taxによる電子申告については、表示される帳票のレイアウトがAI-OCR様式か非AI-OCR様式かにかかわらず、入力データが国税当局に送信される仕組みであるため、基本的に今回の様式改訂の影響は受けないとされています。


今回は、KSK2稼働に伴う申告書等のAI-OCR様式化と、令和8年9月前後の申告・届出実務で注意すべきポイントを整理します。


KSK2とは?

KSK2とは、国税庁の次世代基幹システムです。現在の国税システムを更改し、より効率的な税務行政を行うための新しいシステムとして導入が予定されています。


KSK2の稼働予定日は、令和8年9月24日です。

このKSK2の導入に伴い、書面で提出される一部の申告書や申請・届出書、法定調書などについて、AI-OCRで文字や数字を読み取ることを前提とした様式へ改訂されます。


つまり、紙で提出される書類を機械的に読み取りやすくするため、申告書等のレイアウトや記入欄が見直されるということです。


約1,800種類がAI-OCR様式へ

今回の様式改訂の対象は非常に多く、書面申告書、申請書、届出書、法定調書など、約1,800種類に及ぶとされています。


対象となる書類は、所得税、法人税、消費税、相続税・贈与税、源泉所得税、法定調書、その他の届出書など多岐にわたります。


そのため、法人・個人事業主・税理士事務所・経理担当者のいずれにとっても、少なからず影響があると考えられます。


特に、紙で提出することが多い届出書や申請書、法定調書については、新様式の受付開始時期を確認しておくことが重要です。


AI-OCR様式では何が変わるのか

AI-OCR様式への改訂では、主に次のような変更が予定されています。

  • 様式IDの追加

  • 様式ID等を識別するための二次元コードの追加

  • 各項目を識別するためのコードの追加

  • 数字記入欄のマスの削除

  • AI-OCRで読み取りやすいレイアウトへの変更


これまでの紙様式では、人が見て確認しやすいことが重視されていました。これに対し、AI-OCR様式では、機械が正確に読み取れるように、様式上の識別情報やコードが追加されます。


書面提出をする場合、受付開始後は最新のAI-OCR様式で提出することが求められるため、古い様式を使い続けないよう注意が必要です。


新様式の公開時期と受付開始時期は書類ごとに異なる

KSK2対応でややこしいのは、すべての様式が同じ日に一斉に切り替わるわけではない点です。AI-OCR様式の公開時期と、実際にその様式での提出を受け付ける受付開始時期は、書類ごとに異なります。たとえば、次のような例が示されています。

  • 所得税の「申告書付表(先物取引繰越損失用)」新様式公開は6月頃、受付開始は様式公開直後

  • 法人税の「別表1(青色申告)令和7年4月1日以後終了事業年度等分」新様式公開は8月頃、受付開始は9月24日以降

  • 「事前確定届出給与に関する届出書」新様式公開は6月頃、受付開始は様式公開直後

  • 消費税の「消費税及び地方消費税の申告書(一般用)」新様式公開は8月頃、受付開始は9月24日以降

  • 「国外財産調書」新様式公開は8月頃、受付開始は9月24日以降

  • 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」新様式公開は8月頃、受付開始は様式公開直後


このように、6月頃に公開されるものは公開直後に受付開始となるものがあり、8月頃に公開されるものは9月24日以降に受付開始となるものも多いようです。


書面提出では最新様式の確認が重要

書面で申告書や届出書を提出する場合、受付開始後は最新のAI-OCR様式を使用することが求められます。


そのため、過去にダウンロードして保存していたPDFや、前年に使ったExcel・Word形式の社内テンプレートをそのまま使うのは危険です。たとえば、次のようなケースでは注意が必要です。

  • 税理士事務所内で古い届出書様式を保存している

  • 顧問先が過去に印刷した申請書を使っている

  • 社内マニュアルに古い様式の記入例が残っている

  • ベンダーソフトから出力した書面様式が最新様式か確認していない

  • 法定調書の社内テンプレートを毎年コピーして使っている

特に、受付開始時期が書類ごとに異なるため、「9月24日まではすべて旧様式でよい」「9月24日以後はすべて新様式でなければならない」と単純に考えない方がよいでしょう。


非AI-OCR様式のままの書類もある

すべての書類がAI-OCR様式に変わるわけではありません。

提出する書類の種類によっては、非AI-OCR様式のままのものもあります。また、AI-OCR様式へ変更される書類であっても、過去年分については非AI-OCR様式のままとされる場合もあります。そのため、提出する書類ごとに、次の点を確認する必要があります。

  • AI-OCR様式に改訂される書類か

  • 新様式の公開時期はいつか

  • 新様式の受付開始時期はいつか

  • 対象年分・対象事業年度はどれか

  • 過去年分について旧様式のまま提出できるか

  • 様式の内容自体に変更がないか


特に、過去に入手した書面の申告書等については、様式の内容自体が変更されている場合があります。単に見た目のレイアウトだけでなく、記載項目の有無も確認しておきましょう。


e-Tax申告には様式改訂の影響なし

今回のKSK2対応で、書面提出には新様式の確認が必要ですが、e-Tax申告については基本的に今回のAI-OCR様式への改訂の影響はありません。


e-Taxでは、入力されたデータが国税当局側へ送信される仕組みです。

そのため、利用しているソフト上で表示される帳票がAI-OCR様式であっても、非AI-OCR様式であっても、送信されるデータが正しく作成されていれば、正常に申告書等が受信されるとされています。


たとえば、AI-OCR様式の受付開始後に、利用している税務ソフトがまだAI-OCR様式の帳票表示に対応していない場合でも、e-Taxで電子申告するのであれば、正常に提出があったものとして受信されるとされています。


e-Taxソフト上の帳票表示が旧様式でも慌てない

KSK2移行後、e-Taxソフトやベンダーソフトの帳票表示機能を利用した際に、非AI-OCR様式のレイアウトが表示されることがあるようです。

この場合でも、電子申告に影響はありません。


電子申告では、帳票の見た目そのものを紙として読み取るわけではなく、入力データが送信されるためです。ただし、これはあくまでe-Tax申告の場合です。書面で印刷して提出する場合には、その書面様式が受付可能なものかどうかを確認する必要があります。


つまり、同じ税務ソフトを使っていても、電子申告なら問題ないケースと書面提出では様式確認が必要なケースがあるということです。


ベンダーソフトの対応状況にも注意

今回のAI-OCR様式改訂は対象書類が多いため、すべてのソフトベンダーが受付開始時期までに完全対応できるとは限りません。


e-Taxで提出する場合は、帳票表示が非AI-OCR様式でも正常に受信されるとされています。一方、ベンダーソフトから出力される書面様式が非AI-OCR様式である場合には、非AI-OCR様式でも提出できるケースがあるとされていますが、書面提出では最新様式の確認をした方が安心です。


税理士事務所では、利用している申告ソフト・給与ソフト・法定調書作成ソフトの対応スケジュールを確認しておきましょう。


e-Taxのメンテナンス期間に注意

KSK2への移行に伴い、e-Taxが利用できないメンテナンス期間も予定されています。

次の期間にe-Taxが利用できない予定とされています。

  • 令和8年9月19日(土)0時00分から令和8年9月24日(木)8時30分まで

  • 令和8年9月26日(土)0時00分から24時00分まで


この期間に申告期限や納付期限、届出書の提出期限が近い場合には、事前に対応しておく必要があります。


特に、9月決算に関連する届出や、提出期限が月末・月中に集中する手続では、メンテナンス期間を考慮したスケジュール管理が重要です。


9月下旬提出の届出・申告は前倒しを検討

令和8年9月19日から9月24日朝までe-Taxが使えない予定であるため、9月下旬に提出予定の書類がある場合には、前倒し提出を検討した方が安心です。


たとえば、次のような手続は注意が必要です。

  • 申告期限が9月下旬に近い申告書

  • 届出期限が9月中にある各種届出書

  • 事前確定届出給与に関する届出書

  • 消費税関係の届出書

  • 電子申告・納税等開始届出書

  • 税務代理権限証書

  • 法定調書や各種申請書


電子申告を前提にしている場合でも、メンテナンス中は送信できません。期限直前に慌てないよう、税理士事務所・経理担当者ともに早めの進行が大切です。


法人税・消費税の書面申告は9月24日以降に注意

資料の参考表では、法人税関係の「別表1(青色申告)令和7年4月1日以後終了事業年度等分」は、8月頃に新様式が公開され、9月24日以降に受付開始となる例が示されています。


また、消費税関係の「消費税及び地方消費税の申告書(一般用)令和5年10月1日以後終了課税期間分」も、8月頃に新様式が公開され、9月24日以降に受付開始となる例が示されています。


そのため、法人税や消費税を紙で提出する場合、9月24日以降は新様式を使う必要があるかどうかを確認しましょう。


電子申告であれば、表示様式の違いによる影響は基本的にありませんが、紙提出では様式の新旧が実務上問題になりやすくなります。


法定調書の様式変更にも注意

法定調書関係でも、AI-OCR様式への改訂が予定されています。

資料では、たとえば次のような法定調書関係書類の新様式公開時期が示されています。

  • 国外財産調書8月頃公開、9月24日以降受付開始

  • 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書8月頃公開、様式公開直後に受付開始

  • 先物取引に関する支払調書合計表8月頃公開、様式公開直後に受付開始


法定調書は、年明けにまとめて対応する会社も多いですが、様式変更は令和8年中に進みます。年末調整や法定調書提出の準備に入る前に、使用する様式が最新か確認しておくとよいでしょう。


税務代理権限証書も対象

税理士事務所にとって見落とせないのが、税務代理権限証書です。

税務代理権限証書について新様式公開が6月頃、受付開始が9月24日以降とされています。


税務代理権限証書は、税理士が顧問先の申告や届出を代理する際に日常的に使用する書類です。書面で提出する場合には、新様式の受付開始後、最新の様式を使用しているか確認する必要があります。


経理担当者が確認したいチェックリスト

会社の経理担当者は、次の点を確認しておきましょう。

  • 自社が紙提出している申告書・届出書があるか

  • その書類がAI-OCR様式へ改訂されるか

  • 新様式の公開時期と受付開始時期を確認しているか

  • 過去に保存した様式を使い回していないか

  • e-Taxで提出する場合、メンテナンス期間を把握しているか

  • 利用している会計ソフト・申告ソフトがKSK2対応しているか

  • 9月19日から9月24日朝までに提出予定の書類がないか

  • 法人税・消費税・法定調書の新様式対応を確認しているか

  • 税理士に依頼している場合、提出スケジュールを共有しているか

KSK2の移行そのものは国税庁側のシステム変更ですが、書面提出や提出時期の管理は事業者側にも影響します。


まとめ

国税庁の次世代基幹システムであるKSK2は、令和8年9月24日から稼働する予定です。これに伴い、一部の書面申告書、申請書、届出書、法定調書など約1,800種類について、AI-OCRで文字や数字を読み取りやすい様式へ改訂されます。


AI-OCR様式では、様式ID、二次元コード、項目識別コードの追加、数字記入欄の見直しなどが行われる予定です。新様式の公開時期や受付開始時期は書類ごとに異なり、6月頃に公開され公開直後に受付開始となるものもあれば、8月頃に公開され9月24日以降に受付開始となるものもあります。


書面で申告書や届出書を提出する場合、受付開始後は最新のAI-OCR様式を使用する必要があります。一方、e-Tax申告については、表示される帳票がAI-OCR様式か非AI-OCR様式かにかかわらず、入力データが国税当局側へ送信されるため、正常に受信されるとされています。


また、KSK2移行に伴い、令和8年9月19日0時から9月24日8時30分まで、さらに令和8年9月26日0時から24時まで、e-Taxが利用できない予定です。


KSK2への移行時期は、様式変更とe-Taxメンテナンスが重なるため、申告・届出の実務では期限管理が重要になります。税理士事務所や経理担当者は、紙提出する書類の最新様式、ソフトの対応状況、e-Tax停止期間を早めに確認し、提出期限直前のトラブルを防ぎましょう。


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