おはようございます!代表の安田です。
本日から税務だけでなく、会計分野の記事も混ぜていきたいと思います。
本日は政策保有株式に関する方針の開示に関して。
政策保有株式とは、企業が戦略的な目的で保有する株式のことを指します。近年、この保有株式の透明性や縮減が求められるようになっています。
2024年6月、経済産業省の「持続的な企業価値向上に関する懇談会」は、政策保有株式の保有目的を企業戦略と関連付け、議決権の行使状況を含めて投資家に具体的に説明し、透明性を高めることが必要だと提言しました。
政策保有株式の開示動向
上場企業では、政策保有株式に関する方針を有価証券報告書だけでなく、定時株主総会招集通知などでも開示する動きが見られます。例えば、トヨタ自動車は、2024年6月の株主総会招集通知において、以下の3点を政策保有株式に関する方針として開示しました。
保有の意義が認められる場合を除き、保有しない。
保有の意義や資本コスト等を精査の上、取締役会で毎年検証。
保有先企業との建設的な対話を通じて、経営課題の共有・改善に繋げる。
さらに、トヨタ自動車は直近5年間の政策保有株式の推移(銘柄数、残高等)についても開示しています。
純投資目的への変更事例
一方で、政策保有株式の売却可能時期等に関して合意していない状態で「純投資目的の株式」に変更した事例も指摘されています。このような背景から、金融庁は「有価証券報告書において実態を踏まえ開示されているか等、企業に対し、コーポレートガバナンス・コードに照らして保有の合理性についての検証を尽くすよう促す」との方針を示しています。必要に応じて開示拡充措置等も検討していく予定です。
まとめ
政策保有株式に関する透明性の向上は、投資家に対する説明責任を果たし、企業価値の向上に寄与する重要な要素です。企業は政策保有株式の保有目的を明確にし、適切なガバナンスの下でその合理性を継続的に検証することが求められます。これにより、投資家との信頼関係を強化し、持続的な企業価値の向上を図ることができます。
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