top of page

暗号資産取引における所得区分

安田 亮

おはようございます!代表の安田です。


個人が暗号資産(ビットコインやイーサリアムなど)の売買や交換を行ない得た利益は、原則として「雑所得(その他雑所得)」に区分されます。ただし、一定の条件を満たす場合には「事業所得」として認められる可能性もあります。

具体的な基準として、国税庁の暗号資産FAQでは、以下の条件を満たす場合に「事業所得」に区分される可能性があるとしています。

  • その年の暗号資産取引の収入金額が300万円を超える

  • 帳簿書類が適切に保存されている

一方、帳簿書類が保存されていない場合には、原則として「業務に係る雑所得」となります。

<令和4年10月の所得税基本通達の影響>

令和4年10月に改正された所得税基本通達(所基通35-2)では、副業収入に関する事業所得と雑所得の区分基準が明確化されました。これに伴い、暗号資産取引による利益も、その取り扱いがより厳格に区別されるようになっています。


暗号資産取引の利益が「事業所得」と認められるためには、単に収入が300万円を超えているだけでなく、社会通念上「事業」と称するに至る程度の取引を行っているかどうかが重要視されます。

その判断基準としては、以下の点が挙げられます。

  • 営利性・有償性があるか

  • 反復・継続して取引を行なっているか

  • 社会的地位が客観的に認められるか

これらの要素を満たしていない場合は、たとえ収入が多くても「雑所得」と判断される可能性が高いとされています。

<申告実務における注意点>

暗号資産取引による損益の計上は、一般的な株式取引などとは異なり、以下の点に注意が必要です。

  • 損益通算の可否事業所得に該当する場合は、給与所得などと損益通算が可能ですが、雑所得の場合は基本的に損益通算ができません

  • 帳簿の適切な管理取引履歴の記録を適切に保存しておくことで、事業所得として認められる可能性が高まります

  • 税務調査への対応暗号資産取引は取引所やウォレット間の移動もあるため、税務調査時には詳細な取引履歴を求められることがあります。適正な記帳が求められます

<まとめ>

暗号資産取引における所得区分は、「雑所得(その他雑所得)」が原則ですが、一定の条件を満たすと「事業所得」として認められる可能性があります。しかし、税務上の判断は慎重に行なわれるため、記帳や取引履歴の管理を徹底し、税務申告の際には適切な判断を行なうことが重要です。


税務申告において不明点がある場合は、専門家への相談を検討することをおすすめします。



神戸 税理士 確定申告 顧問契約 会社設立 freee

 
 
 

Комментарии


bottom of page