おはようございます!代表の安田です。
上場企業などが有価証券報告書や四半期報告書を法定提出期限内に提出できない場合、提出期限の延長に関する承認申請書を財務局長に提出する必要があります。
この手続きには、申請書を提出する際にその内容を適時に開示する義務が伴います(金融商品取引法第24条、開示府令第15条の2)。
近年、「提出期限延長を検討中」とする内容を適時に開示する事例が増加しています。
これには不適切会計処理や不正行為の調査が原因となる場合が多いようです。
特に、「会計監査人による監査手続きの完了が見通せない」「レビュー手続きに追加日数が必要」といった理由が記載されています。
投資家への透明性確保の重要性
東証の上場規程では「検討」の開示が義務付けられているわけではありませんが、提出期限に間に合う見込みがない場合には、早めの情報開示が求められます。これは投資判断に重要な影響を与える情報であり、透明性を確保するためです。
これらの「検討」に関する開示後、すべての事例で正式な承認申請書が提出されています。この事例は、情報の透明性確保に加え、企業が状況を投資家に迅速に共有する姿勢の重要性を示しています。
実務上の留意点
このような開示は、投資家保護と企業の信頼性維持のため重要です。特に、期限内の提出が難しい場合は、適時開示を徹底し、投資家への影響を最小限に抑える努力が必要です。
今後、開示事例の増加に伴い、東証や関係機関からのさらなる指導や規制の強化が期待されます。企業の経理・財務部門や監査部門は、このような適時開示の実務に精通しておく必要があります。

Comments