おはようございます!代表の安田です。
企業会計基準委員会(ASBJ)は、年次改善プロジェクトの一環として、特別法人事業税の適用関係を明確化する取り組みを進めています。この変更は、2025年4月1日以降に開始する連結会計年度から適用される予定です。
特別法人事業税の背景
特別法人事業税は、2019年に事業税の一部を分離する形で創設された国税です。
この制度は、地方税法の改正により事業税の税率が引き下げられると同時に導入され、改正前後で事業税と特別法人事業税の合計負担が変わらないように設定されています。特別法人事業税は所得に基づいて課されるため、事業税の所得割と同様の性質を持ちます。
改正の背景と内容
今回の変更は、2023年11月に公表された「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い(案)」に対して、特別法人事業税に関する取り扱いを明記するべきとのコメントが寄せられたことがきっかけです。そのため、ASBJは企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」と企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」を改正し、特別法人事業税の取り扱いを明確化することとしました。
具体的には、特別法人事業税(基準法人所得割)も「法人税、住民税及び事業税」として表示されることが明確化されます。また、税効果会計適用指針では、法定実効税率の計算式に特別法人事業税率を追加することが提案されています。
適用時期と影響
適用時期は2025年4月1日以降に開始する連結会計年度からであり、現在の実務上、特別法人事業税を事業税に含めて取り扱っている企業には大きな影響はないとされています。
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