おはようございます!代表の安田です。
大規模な自然災害が発生した際、多くの企業が被災地への物資提供を行ないます。
このような物資提供に関する税務処理について、特に課税仕入れの取り扱いが重要です。
以下では、被災地への物資提供に伴う課税仕入れの区分とその計算方法について解説します。
課税仕入れの区分
企業が被災地への物資提供を行なう際、その調達物資の消費税の仕入税額控除は、個別対応方式のもとでは以下の3つの区分に分けて計算されます。
・課税売上にのみ要するもの(課税売上対応)
・非課税売上にのみ要するもの(非課税売上対応)
・共通売上に対応するもの(共通対応)
この区分に基づいて、それぞれの控除額が計算されます(消費税法30条2項)。
用途区分の判定時期
課税仕入れ等の用途区分の判定は、課税仕入れ等を行なった日の状況に基づきます。
すなわち、その時点で物資がどの用途に使用されるかにより、適切な区分が決定されます(消費税基本通達11-2-20)。
具体例
国税庁の「災害に関する法人税、消費税及び源泉所得税の取扱いFAQ」(令和6年1月)を基に、物資を以下の3つに分類して考えます:
①販売用から寄附用に転じた自社製品
この場合、当初は売上獲得を目的として製造されたものであるため、課税売上対応の区分に該当します。
②寄附用に別途製造した自社製品、または寄附用に購入した物品
これらは被災地への物資提供を目的として調達されたものであるため、課税売上対応および非課税売上対応のどちらにも該当しない共通対応の区分に該当します(消費税基本通達11-2-17)。

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