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MD&Aの開示

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 6月30日
  • 読了時間: 2分

おはようございます!代表の安田です。


上場企業が提出する「有価証券報告書」において、MD&A(経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)は、経営方針と並んで投資家にとって極めて重要な開示項目です。

近年は、形式的な記述から一歩進んだ、読み応えのある開示が求められています。


■ 金融庁も注目、好事例集2024に新たな事例を追加

金融庁が2024年に発行した「記述情報の開示の好事例集」では、2年ぶりに優良なMD&Aの具体例が追加されました。これは企業側からの要望を受けたもので、MD&Aの改善が求められていることの証左とも言えます。


■ 良質な開示の3つのポイント

  1. 経営者の視点で語る → 単なる数値の羅列ではなく、経営者自身が自社の置かれた状況やリスクにどう向き合い、どのような方向性を持って対応しているかを、経営者自身の言葉で具体的に記述することが求められます。

  2. 財務指標の長期的な推移を開示 → 例:大和ハウス工業は「ROE13%以上」という中期目標やROICの推移、向上への取り組みを明示。これにより、単年の数値にとどまらない中長期視点が伝わります。

  3. ネガティブ情報の定量的開示も重要 → キヤノンは、のれんの減損リスクについて「メディカル事業部門の公正価値が帳簿価額を下回る可能性が他部門より高い」と明記。さらにその帳簿価額を開示することで、投資家との信頼性が高まります。


■ 投資家視点の開示は資本コスト低減にも貢献

ネガティブ情報をあえて定量的に記載することは、サプライズ回避に繋がり、投資家との信頼関係を築くことが可能になります。その結果、資本コストの抑制や株主構成の安定化といった副次的効果も期待されます。


■ まとめ:MD&Aは「語る」開示へ

形式的な数値報告ではなく、自社の課題や展望を自分の言葉で語ることが、MD&Aの質を高める近道です。


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