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内部統制報告書が"数値基準"から"質的リスク重視"へ

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 2 時間前
  • 読了時間: 2分

おはようございます!代表の安田です。


2025年3月期から、改訂された内部統制基準に基づく開示がついに本格適用されました。

これにより、企業の内部統制報告書の記載内容も大きく変化しつつあります。

これまでの機械的・数値的な記載から、質的リスクを踏まえた開示へと進化。

本記事では最新の記載事例とともに、会計・監査実務で注意すべきポイントを解説します。


■ 新基準で強化された「開示の質」とは?

2025年3月期以降、企業は「評価の範囲、基準日および評価手続に関する事項」について、以下の3項目を理由付きで記載することが求められます:


  1. 重要な事業拠点の選定指標とその割合

  2. 業務プロセス選定における勘定科目の記載(例:売上、原価等)

  3. 個別に追加した拠点やプロセスの具体的内容


これにより、単なる「売上高上位3拠点を選びました」という開示では不十分となり、なぜその拠点が重要か、どのようなリスクがあるかを示す必要があります。


■ 旧来の“3分の2ルール”からの脱却

従来は、「売上高等の3分の2をカバーする拠点を対象とする」といった定量的な指標に依存した評価が主流でした。これに対し、新基準ではあくまで数値基準は“例示”扱いとなり、企業ごとの判断が尊重されます。


■ 【事例紹介】HOYA社の積極的な対応

たとえば、HOYA社(監査人:トーマツ)は以下のように開示を拡充しました:

  • M&Aで新たにグループ入りした拠点を評価対象に個別追加

  • その理由として、「内部統制が脆弱な可能性がある」「不正リスクが高い」との質的理由を明記

このような判断は、新基準の趣旨を的確に反映したものと高く評価されています。


■ 対応が不十分な企業も…改訂の趣旨を忘れずに

一方で、旧来と大きな変更が見られない報告書も散見されます。形式的な記載に留まらず、企業固有の環境やリスクを踏まえた記述が今後ますます重視されるでしょう。


■ 実務対応ポイントまとめ

対応項目

実務ポイント

評価拠点の選定

数値基準+質的重要性(M&A、拠点の不正リスク等)を判断軸に加える

評価対象業務の選定

勘定科目ごとの影響度や事業上の重要性を説明できるか

記載内容の整合性

事業報告書、監査報告書との整合性にも配慮が必要


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