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デューデリ費用は「全額損金」にならない?東京地裁が示した判断枠組みと実務の落とし穴
おはようございます!代表の安田です。 M&Aでは、仲介会社への報酬、法務・財務デューデリジェンス(DD)費用などがまとまった金額になります。これらを当期の損金にできるのか、それとも株式の取得価額に含めて資産計上(=当期損金にならない)すべきなのかは、税務上の重要論点です。 東京地方裁判所は、株式取得型M&Aにおけるデューデリ費用が「有価証券の購入のために要した費用」に該当するかを巡る事件で、国の更正処分等の一部を取り消し、判断枠組みを示しました。本件は、株式購入によるM&Aで生じたデューデリ費用の税務上の取扱いについて、初の司法判断とされています。 この記事では、判決が示した考え方を、実務で使える形に整理します。 1. 争点:デューデリ費用は「株式の取得価額に加算」か「当期損金」か 本件では、M&A仲介会社への報酬などデューデリ費用約1億2,000万円を損金算入して申告したところ、税務当局が「有価証券の購入のために要した費用」に当たるとして、株式の取得価額に加算すべきと判断し更正処分等を行ったことから争いになりました。 2. 東京地裁の判断枠組み
安田 亮
12 時間前


消費税の「非課税」と「免税」は何が違う?
おはようございます!代表の安田です。 消費税の話題では「非課税」「免税」という言葉が混同されがちです。どちらも消費税がかからないように見えますが、実務上は大きな差があります。最大の違いは、その取引に対応する仕入れについて「仕入税額控除ができるかどうか」です。 1. そもそも「非課税取引」とは 消費税は原則として国内取引に幅広く課税されますが、消費税の性質や社会政策的な配慮から、国内取引であっても課税の対象としない取引があります。これが「非課税取引」です。 代表例として、土地や有価証券の譲渡、社会保険医療などが挙げられます。 ポイントは、取引が「課税の枠の外」に置かれているイメージであることです。 2. 「免税取引」とは(いわゆる輸出免税) 一方の「免税取引」は、取引自体は本来「課税資産の譲渡等」に当たるものの、一定の要件を満たす場合に、その売上にかかる消費税が免除される仕組みです。 代表例は、商品の輸出、国際輸送、国外事業者へのサービス提供など、輸出取引および輸出類似取引です。 ポイントは、取引は課税取引のままなのに「税率が実質ゼロ」になるイメー
安田 亮
2 日前


令和8年度改正で強化される「特定税額控除の不適用措置」とは?
おはようございます!代表の安田です。 令和8年度税制改正大綱では、いわゆる「特定税額控除規定の不適用措置」(措法42の13⑤)が強化される見込みです。狙いは、賃上げや国内投資に消極的な大企業に対し、研究開発税制等の一部税額控除を適用させない(ムチ税制)こと。 適用は令和8年4月1日以後開始事業年度から予定されています。 本日は、制度の全体像と、実務で見落としやすいポイントを税理士の視点で整理します。 1. そもそも「不適用措置」とは?(対象は資本金1億円超の大企業) この制度は、資本金1億円超の大企業が、 賃上げに消極的(継続雇用者給与等支給額要件) 設備投資に消極的(国内設備投資額要件) などの不適用要件を満たした場合に、一定の優遇税制の税額控除が使えなくなる仕組みです。令和8年度改正では、適用期限の延長や対象税制の追加に加え、要件がより厳しくなります。 2. 改正のポイント①:適用期限を2年延長(~令和11年3月31日) 改正大綱では、不適用措置の適用期限を2年延長し、令和11年3月31日までとする方針が示されています。 3....
安田 亮
3 日前


アーンアウト条項付き株式の調整金は譲渡所得にならない?
おはようございます!代表の安田です。 M&Aでよく見かけるアーンアウト条項は、買収対価の一部を将来の業績目標達成に連動させて支払う仕組みです。売主側としては「株式の売却代金の一部」と捉えがちですが、税務上の所得区分は必ずしも譲渡所得になるとは限りません。 東京国税不服審判所は、アーンアウト条項に基づき後日支払われた価額調整金について、株式移転時点で金額や支払の有無が確定していないことなどを理由に、譲渡所得には該当せず、支払があった年分の雑所得に該当すると判断しました。 本日は、この裁決のポイントと、実務での注意点を整理します。 1. 事案の概要 株式譲渡から3年後にEBITDA連動の調整金を受領 本件は、株式譲渡契約において、譲渡価額を「固定の譲渡価額+価額調整金」で構成し、価額調整金を3か年平均EBITDAを基礎に算定する仕組みでした。調整金がプラスなら買主が売主へ支払う一方、マイナスなら売主が買主へ支払うという、双方向の調整条項が置かれていました。 売主は令和2年に株式を譲渡し対価の一部を受領、その後令和5年に算定された価額調整金を受領しまし
安田 亮
4 日前


令和8年度税制改正(個人所得課税)のポイント
おはようございます!代表の安田です。 令和8年度税制改正大綱では、個人の所得税に関する見直しが大きく打ち出されました。物価上昇への対応や働き方の多様化を踏まえ、 基礎控除・給与所得控除の引上げ 扶養親族等の所得要件の見直し 住宅ローン控除の延長・再設計 青色申告特別控除の拡充 などが盛り込まれています。 以下では、事務所ホームページ向けに、家計・個人事業主・給与計算実務に影響の大きいポイントを絞って解説します。 1. 基礎控除が最大104万円へ引き上げ まず押さえておきたいのが「基礎控除」の拡充です。 1-1. 本則額の引上げと物価連動の仕組み 合計所得金額 2,350万円以下の方の基礎控除本則額が58万円 → 62万円へ引き上げられます。 直近2年間の消費者物価指数の動きを反映し、2年ごとに自動調整する仕組みが導入されます(令和8・9年分は上昇率6%を反映)。 所得階層ごとの新しい基礎控除額が一覧になっていますが、合計所得金額655万円超2,350万円以下の方は本則62万円のみ、それ以下の方は次の「特例加算」が上乗せされます。 1-2....
安田 亮
5 日前
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