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海外留学中の子どもにも扶養控除は適用される?

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

おはようございます!代表の安田です。


年末調整の季節になると、「海外留学中の子どもを扶養に入れられるのか?」という質問をよくいただきます。2025年(令和7年)度税制改正で創設された特定親族特別控除も含め、扶養控除の適用を受けるには、子どもの居住形態が重要なポイントになります。


1.留学中の子どもも扶養控除の対象になるのか?

まず、所得税法上「国外居住親族」とは、継続して1年以上国外に居住している親族を指します。したがって、留学期間が1年以上の場合、その子は国外居住親族に該当し、控除を受けるために送金関係書類や親族関係書類の提出が必要になります。


2.1年未満の短期留学は「国外居住親族」ではない

一方で、1年未満の短期留学であれば、子どもは国外居住親族には該当しません。

たとえば3か月の語学留学をしている大学生の子の場合、扶養控除を受けるために送金関係書類を勤務先に提出する必要はありません。


ただし、国税庁のQ&Aによると、実際に生活費などを仕送りしている場合には、その送金を確認できる資料を勤務先に提出することが望ましいとされています。これは法令上の義務ではありませんが、勤務先が「生計を一にしていること」を確認するための実務対応と言えます。


3.勤務先に提出すべき書類の違い

国外居住親族に該当するかどうかで、勤務先に提出すべき書類が異なります。

区分

留学期間

提出書類

国外居住親族に該当する場合

1年以上

送金関係書類・親族関係書類

該当しない場合

1年未満

法令上は不要(送金証明等の任意提出が望ましい)

特に、特定親族特別控除を適用する際には、この判断が誤っていると年末調整で控除を受けられない可能性があります。留学の予定期間や在学証明書などをもとに、早めに勤務先と確認しておきましょう。


4.実務への影響と注意点

海外留学を控える家庭では、子どもが留学中も生活費の一部を日本から仕送りするケースが多いでしょう。その際、送金記録(銀行の振込明細等)を保存しておくことが重要です。年末調整だけでなく、税務署から確認を求められた際の証拠資料にもなります。


また、控除の判定は「留学期間」だけでなく、「生活の本拠」がどこにあるかも総合的に判断されます。短期留学でも実態として国内居住ではなくなっているケースでは、国外居住親族と判断される可能性もあるため注意が必要です。


まとめ

  • 1年以上の留学 ⇒ 国外居住親族 → 書類提出が必要

  • 1年未満の留学 ⇒ 国内居住扱い → 書類提出は法令上は不要だが提出が望ましい

  • 扶養控除や特定親族特別控除を受ける際は、留学期間と送金記録の確認を忘れずに



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