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配当基準日と総会前開示の関係
おはようございます!代表の安田です。 今回は、上場会社の開示スケジュールと法的留意点について解説します。 1.背景:有価証券報告書の「総会3週間前開示」への対応 近年、有価証券報告書(有報)を株主総会の3週間以上前に開示することが求められる流れが強まっています。この開示の早期化を実現するための一つの方法として、株主総会自体を後ろ倒しする(開催日を遅らせる)という選択肢があります。 しかし、総会を後ろ倒しすると、次のような問題が生じます。 議決権基準日から3か月以内に総会を開催しなければならない(会社法124条2項) 配当も基準日から3か月以内に総会決議を行なう必要がある(同法454条1項) したがって、総会の開催を遅らせる場合には、議決権基準日と配当基準日のいずれか、あるいは両方を変更しなければならないケースが出てきます。 2.議決権基準日と配当基準日は「必ずしも同日」でなくてよい 実は、議決権基準日と配当基準日を必ずしも一致させる必要はありません。 会社法459条1項に基づき、「株主への配当を取締役会の決議によって定める旨」を定款に定めることで
安田 亮
2025年12月19日


配当決議を取締役会で行なうための定款変更
おはようございます!代表の安田です。 本日は配当の決議の手続きに関しての内容です。 1.配当決議は「株主総会決議」が原則 会社法では、原則として剰余金の配当は株主総会の決議によって行なうこととされています。(会社法454条第1項) しかし、一定の要件を満たす会社では、定款の定めにより、「配当を取締役会の決議によって行なうことができる」とすることが可能です。 この定款変更を行なえば、決算確定後すぐに取締役会で配当を決定できるため、株主総会の準備期間を短縮し、決算発表から総会までのスケジュールを円滑化できます。 2.定款の書き方で「株主の印象」が変わる 実は、「取締役会決議による配当」を定める定款には、文言の違いによって株主の受け止め方が大きく変わる2つのパターンがあります。 パターン①:取締役会に限定する形 「剰余金の配当は、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず、取締役会の決議により定める。」 この文言の場合、配当をすべて取締役会決議に限定するため、株主は総会で配当を決定できなくなります。 そのため、「株主の発言権が奪われる」と
安田 亮
2025年12月16日


暗号資産と規制見直しの最新動向
おはようございます!代表の安田です。 近年、暗号資産は「支払手段」から「投資対象」へと役割を拡大しつつあります。これに伴い、利用者保護と市場の健全な発展のため、法規制の枠組みに大きな見直しが検討されています。今回は、金融審議会のワーキング・グループで進む議論を踏まえ、会計・税務の視点から押さえておきたいポイントをご紹介します。 金融商品取引法への移行議論 従来、暗号資産は資金決済法に基づき規定されてきました(資金決済法第2条第14項)。しかし、資金調達や事業活動に活用されるケースが増えていることから、金融商品取引法(いわゆる「金商法」)の枠組みに移行する案が検討されています。 ワーキング・グループでは以下の分類案が示されています。 類型①:資金調達・事業活動型→ 発行者が資金調達を目的とする場合、情報開示を義務付け。 類型②:非資金調達・非事業活動型→ 投資性が低いものについては、開示義務は限定的。 この方向性が採用されれば、従来のICOや新規トークン発行の際には、証券に近いレベルでの開示義務が課される可能性があります。 会計実務への影響...
安田 亮
2025年12月13日


バーチャルオンリー株主総会の普及はなぜ進まないのか
おはようございます!代表の安田です。 近年、物理的会場を設けずにオンラインだけで開催するバーチャルオンリー株主総会への注目が高まっています。 コスト削減 遠隔地からの参加促進 企業のDX推進との親和性 といったメリットがあるにもかかわらず、2025年6月末時点で導入企業はわずか74社にとどまっています。 その背景にある大きな要因が、通信障害への不安です。 本日は、企業実務・会社法を踏まえ、公認会計士としての解説を行います。 1.バーチャルオンリー株主総会が認められているのは“特例” ― 通信障害対策など、一定の要件を満たす必要あり 現行制度では、バーチャルオンリー株主総会は会社法の特例として開催が認められています。 その条件には、 通信障害が発生した場合の対応方針の策定 障害に強いシステム の採用など、通信リスクに備えた高度な対策が要求されます。 この結果、企業側には以下のような負担が発生します: ✔ システム導入コストの増加 ✔ 障害発生時の対応体制整備 ✔ 法的リスク(決議取消し事由)への懸念 実際の調査では、約8割の上場企業が「通信障害リス
安田 亮
2025年12月8日


納税証明書が不要に?
おはようございます!代表の安田です。 国税庁は、企業の手続き負担を軽減するため、「納税情報の添付自動化」サービスを開始しています。 これにより、従来必要であった「納税証明書(その3の3)」の取得・提出を省略し、申請システム上で国税庁データベースから自動取得した「納税情報」を入札資格審査などの申請に直接添付できるようになりました。 手数料不要 事前準備不要 納税証明書の郵送・窓口取得が不要 といった大きなメリットがあり、企業の業務効率化が期待できます。 1.どんな手続きで使えるの? 2025年11月時点で利用できるのは次の2システムのみです。 ① 建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)(国土交通省) 建設業許可申請や経営事項審査(経審)の電子申請で使用 ② 政府電子調達システム(GEPS)(デジタル庁) 物品製造・販売等の統一資格審査申請で使用 両システムを利用した自動添付による申請は年間約1万件とのことです。 一方、納税証明書(書面・電子)の年間発行件数は 約160万件 のため、国税庁はさらなる利用拡大を目指しているとのことです。.
安田 亮
2025年12月1日


改正下請法で振込手数料の「売手負担」が禁止に
おはようございます!代表の安田です。 本日は下請法の改正についてです。 1.約20年ぶりの大改正 ― 「下請法」から「取適法」へ 2025年(令和8年)1月1日より、「下請代金支払遅延等防止法(下請法)」が約20年ぶりに抜本改正され、新法の名称は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法)」となります。 この改正では、 対象となる取引の範囲の拡大 新たな「従業員基準」の追加 振込手数料の売手負担を禁止 といった大きな変更が盛り込まれています。 これまで多くの企業では、下請事業者(売手)との間で合意のうえ、代金振込時に手数料を差し引く形で支払いを行なってきました。しかし、改正後は合意の有無にかかわらず、振込手数料を代金から差し引くことが違法になります。 2.取引範囲が拡大 ― 半数近くの中小取引が対象に 新たな取適法では、従来の「資本金基準」に加えて「従業員数基準」が導入されます。そのため、資本金が小規模でも従業員規模が大きい企業は、新たに法律の適用対象となる可能性があります。 取引内容 委託事業者 中小受
安田 亮
2025年11月12日


改正下請法・フリーランス法・優越的地位の濫用
おはようございます!代表の安田です。 2024年11月に「フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)」が施行され、さらに2026年1月1日には改正下請法(新名称:取適法)が施行予定です。 これらの法改正は、立場の弱い取引先(中小企業・個人事業主・フリーランス)を保護し、不当な価格設定や報酬遅延などを防ぐことを目的としています。 また、公正取引委員会が取り締まる「優越的地位の濫用」も含め、3つの制度はいずれも「取引の公正性」を軸にしています。しかし、適用対象や禁止行為の内容には違いがあり、実務では混同しやすい点が多いため注意が必要です。 1.それぞれの法律の対象と特徴 区分 改正下請法(取適法) フリーランス法 優越的地位の濫用(独禁法) 主な対象 中小受託事業者(法人・個人) 従業員を雇用していないフリーランス 取引上、相手より優越的地位にある全事業者 適用範囲 顧客向けの製造・修理・情報成果物作成・役務提供・運送委託 自社向け・顧客向けを問わず業務委託全般 契約形態を問わず、実質的に力関係がある取引全般 所管 公正取引委員
安田 亮
2025年11月7日


国税庁「令和6年分 民間給与実態調査」
おはようございます!代表の安田です。 今回は国税庁が公表した「令和6年分 民間給与実態調査」の内容についてご紹介します。企業の人事労務や給与設計に役立つポイントを整理しました。 1. 民間給与実態調査とは? 民間給与実態調査は、国税庁が毎年行っている統計調査です。民間企業に勤める給与所得者の平均給与、所得分布、性別・年齢別の傾向などを明らかにするもので、企業経営や税制議論の基礎資料となっています。 今回公表されたのは令和6年分で、前年に比べて賃上げや労働市場の変化がどのように表れたかが注目されています。 2. 調査の主な結果 (1)平均給与の推移 令和6年の平均給与は約460万円(前年より増加) 賃上げの流れを背景に、2年連続で上昇しています (2)性別の違い 男性の平均給与:約560万円 女性の平均給与:約310万円。依然として大きな格差はありますが、女性の給与は前年より伸び率がやや高く、改善傾向も見られます (3)雇用形態による違い 正規雇用労働者:平均520万円。 非正規雇用労働者:平均200万円弱。非正規雇用の割合は依然として高く、処遇改
安田 亮
2025年10月19日


教育訓練休暇給付金と就業規則の整備
おはようございます!代表の安田です。 今回は、2025年10月1日からスタートする「教育訓練休暇給付金」 についてご紹介します。従業員の学び直しやキャリアアップを後押しする制度ですが、導入にあたっては就業規則等の整備が不可欠です。 1. 教育訓練休暇給付金の概要...
安田 亮
2025年10月3日


中小企業の設備投資を後押しする二つの特例制度
おはようございます!代表の安田です。 今回は「中小経営強化税制」と「固定資産税の特例」について、わかりやすく解説いたします。 1. 中小企業経営強化税制とは? 中小企業等経営強化法に基づき認定を受けた計画に沿って設備投資を行なった場合に、特別償却または税額控除ができる制度で...
安田 亮
2025年9月23日


「100億宣言」登録企業向けの経営者ネットワーク
おはようございます!代表の安田です。 今回は、最近話題となっている 「100億宣言」 に関連する施策の一つ、経営者ネットワークについて解説します。 1. 「100億宣言」とは? 「100億宣言」とは、中小企業庁が推進する施策で、売上高100億円規模を目指す企業が宣言登録する...
安田 亮
2025年9月13日


中小企業の事業承継・M&Aを後押しする補助金
おはようございます!代表の安田です。 今回は「事業承継・M&A補助金」についてご紹介します。中小企業の後継者問題やM&A活用に関心をお持ちの方にとって、見逃せない支援制度です。 1. 事業承継・M&A補助金の概要 この補助金は、中小企業の...
安田 亮
2025年9月1日


下請法改正で「取適法」へ名称変更
おはようございます!代表の安田です。 今回は、令和7年5月に成立・公布された 「下請法等の改正」 について解説します。中小企業・フリーランスとの取引にも影響する重要な改正ですので、ぜひご確認ください。 1. 「下請法」から「取適法」へ名称変更...
安田 亮
2025年8月22日


健康保険の扶養認定基準が改正へ
おはようございます!代表の安田です。 本日は、令和7年10月1日から適用される健康保険における被扶養者の認定基準の変更についてご紹介いたします。特に、大学生世代(19歳〜22歳)のお子さまがいらっしゃるご家庭にとって、重要な改正内容です。 何が変わるのか? ―...
安田 亮
2025年8月9日


「キャリアアップ助成金」の活用ポイント
おはようございます!代表の安田です。 本日は、企業の人材戦略に直結する注目の助成金制度「キャリアアップ助成金」についてご紹介します。特に、中小企業の人材定着や処遇改善に役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。 キャリアアップ助成金とは?...
安田 亮
2025年8月6日


第5回:補助金・助成金・資本性資金を活用して資金繰りの持続性を高める
おはようございます!代表の安田です。 本日は資金繰りシリーズの最終回です。 ここまで4回にわたり、「資金繰りの見える化」「融資の活用」「売掛金の早期回収」「支出の見直し」といった、資金繰り改善の基礎と実践を解説してきました。最終回となる今回は、返済負担のない「補助金・助成金...
安田 亮
2025年7月25日


第4回:支出の見直しと固定費削減で「守りの資金繰り」を強化する
おはようございます!代表の安田です。 本日は資金繰りシリーズの4回目です。 資金繰り対策というと、売上増加や資金調達といった「攻め」の施策に目が向きがちですが、実は支出の見直し、特に固定費の削減こそが最も即効性の高い「守り」の戦略です。今回は、経費の棚卸しから支払条件の見直...
安田 亮
2025年7月24日


第3回:売掛金回収とファクタリング
おはようございます!代表の安田です。 本日は資金繰りシリーズの3回目です。 資金繰りの改善において、「早期の現金化」は極めて重要なポイントです。特に中小企業では、売上が発生しても実際の入金までに1~2か月のタイムラグがあり、その間の資金繰りに苦しむケースが多く見られます。本...
安田 亮
2025年7月23日


第2回:資金調達の方法を徹底解説
おはようございます!代表の安田です。 本日は資金繰りシリーズの2回目です。 資金が不足しているとき、多くの中小企業が検討するのが「融資による資金調達」です。 上手に活用すれば、資金繰りを安定させるだけでなく、事業の成長や変革の原資にもなり得ます。しかしながら、借入にはリスク...
安田 亮
2025年7月22日
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