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下請法違反の「賃上げ促進税制」への影響
おはようございます!代表の安田です。 今回は、「下請法違反による賃上げ税制不適用リスク」について、実務的な観点から分かりやすく解説します。 1.賃上げ促進税制とは 賃上げ促進税制は、賃金の引上げや人材投資を行う企業に対して法人税の税額控除を認める制度です。令和7年度以降、「マルチステークホルダー方針の公表」が新たな適用要件となり、一定規模以上の企業は「パートナーシップ構築宣言」をポータルサイトに公表することが義務付けられています。 この宣言には、 従業員の賃上げ 取引先との公正な取引 地域・社会への配慮など、企業の共存共栄に向けた方針を明示することが求められます。 2.下請法違反で「税制適用除外」に 問題となるのは、このパートナーシップ構築宣言が「下請法違反」などを理由に掲載取りやめとなった場合です。 経済産業省の要請により掲載が停止されると、税制適用に必要な受理通知書が交付されず、当該事業年度での賃上げ税制適用ができなくなる仕組みです。 たとえば、以下のような行為が該当します。 下請代金の減額(下請法第4条第1項第3号) 返品の強要(同第4条第
安田 亮
6 日前


CEV補助金と圧縮記帳の関係
おはようございます!代表の安田です。 近年、環境に優れた電気自動車やハイブリッド車の導入を検討される企業様が増えています。こうした車両の購入にあたっては、「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」を受けられるケースがあります。この補助金は税務上どのように取り扱うべきなのでしょうか。 1. CEV補助金とは? CEV補助金は、電気自動車や燃料電池車といった環境性能に優れた自動車を購入した場合に交付される国の補助金です。返還を要しないことが前提とされ、一定の保有期間(3~4年)を満たす必要があります。 2. 圧縮記帳制度の適用 法人税法第42条に規定される「国庫補助金等の圧縮記帳制度」は、補助金で取得した資産の購入価格から補助金相当額を控除し、課税を繰り延べる制度です。 CEV補助金については、以下の理由から圧縮記帳の対象となります。 「交付の条件に違反した場合には返還しなければならない」という一般的条件は、返還を要しないことの確定性を否定しないとされている よって、補助金は「返還を要しないことが確定したもの」と判断される...
安田 亮
10月25日


改正リース税制のFLとOLの取扱い
おはようございます!代表の安田です。 2025年度の税制改正において、新リース会計基準を踏まえたリース税制の見直しが行われました。リース事業協会が解説を公表し、実務における整理が進められています。今回はその要点を税務の視点からご紹介します。 1. 会計と税務の基本的な位置づけ 新リース会計基準では、原則すべてのリース取引をオンバランス処理(使用権資産とリース債務の計上)することとなりました。一方、税務上は従来通り「ファイナンス・リース(FL)」と「オペレーティング・リース(OL)」に区分し、それぞれの取扱いが維持されています。 2. ファイナンス・リース(FL)の税務処理 原則、申告調整は不要 会計上の費用処理に基づき、そのまま損金算入が可能です 残価保証の取扱い 取得価額から控除せず、通常の減価償却を行う点が明確化されました 3. オペレーティング・リース(OL)の税務処理 申告調整が必要 会計上は使用権資産の減価償却費や利息相当額を計上しますが、税務上は認められません 損金算入できるのは「債務が確定した支払リース料」 新設された法人税法53条
安田 亮
10月22日


フリーレント新通達の「課税上弊害があるもの」
おはようございます!代表の安田です。 今回は、2025年10月に示されたフリーレントに関する法人税基本通達の改正内容をご紹介します。特に、実務で注意が必要な「課税上弊害があるもの」の取扱いについて解説します。 1. 背景:フリーレントの税務処理 フリーレント(一定期間賃料を無償とする契約)は、不動産賃貸借で広く用いられています。従来、賃料総額を契約期間で按分して損金算入できるかどうかについて明確なルールがなく、実務で取扱いが分かれていました。 今回の改正通達では、原則として以下の処理が認められました。 損金経理を要件に、賃料総額を賃借期間で均等按分し、各事業年度に損金算入可能 ただし、これに例外があります。それが「課税上弊害があるもの」です。 2. 「課税上弊害があるもの」とされるケース 新通達では、以下の2つの場合に該当すると例示されています。 (1) 差額が賃料総額の2割超となる場合 無償期間がなかった場合に支払うべき金額(=通常の月額賃料×契約期間)と、実際に契約で定められた賃料総額との差額が、賃料総額のおおむね20%を超える場合。 例:
安田 亮
10月21日


グループ通算制度取りやめの「やむを得ない事情」
おはようございます!代表の安田です。 今回は、グループ通算制度における「取りやめ承認」の考え方と実務上のポイントを整理します。 1.グループ通算制度の概要 令和4年4月から導入されたグループ通算制度は、従来の「連結納税制度」に代わり、企業グループ全体での所得・欠損金の通算を可能にする制度です。通算グループに加入した法人は、原則として継続的に通算制度を適用する義務があり、任意に取りやめることはできません。 ただし、国税庁長官の承認を受けた場合に限り、制度の適用を取りやめることが認められます。この承認には、いわゆる「やむを得ない事情」が必要とされており、その具体例が今回、明確に示されました。 2.「やむを得ない事情」とは 通算制度の取りやめは、原則として次のような「グループ全体の再編や経営環境の変化」によるケースで認められるとされています。 (1)グループ再編・事業再構築によるもの グループ内の再編(吸収合併・分社型分割など)により、通算グループの実態が大きく変わる場合 (2)不可抗力・予見不能な事由 経理部・税務部の人員が適用開始時から急激に減少し
安田 亮
10月18日


所有権移転外リースと少額減価償却資産の特例
おはようございます!代表の安田です。 本日は、新リース会計基準に対応したリース税制の改正点のひとつ、所有権移転外リースと少額減価償却資産の特例適用についてご紹介します。 1. 所有権移転外リースとは? 法人税法上、所有権移転外リースは「賃貸人から賃借人への引渡し時に売買があ...
安田 亮
10月10日


国・地方の税情報連携体制が大幅強化へ
おはようございます!代表の安田です。 今回は、国税庁が進めている新システム「KSK2」と地方税システム(eLTAX)の刷新に伴い、国と地方の税情報連携が強化されるという最新の動向についてご紹介します。 KSK2の稼働とeLTAXの更改...
安田 亮
10月9日


新リース税制とフルペイアウト要件の見直し
おはようございます!代表の安田です。 今回は、令和7年度税制改正により見直された リース取引の判定基準について解説いたします。特に「フルペイアウト要件」に関する変更は、企業の実務対応に大きな影響を及ぼす可能性があります。 1. 改正の背景...
安田 亮
10月7日


フリーレント契約の会計と税務の取扱いの違い
おはようございます!代表の安田です。 企業が不動産を賃借する際、「フリーレント期間(賃料無償期間)」を設ける契約は一般的になっています。 しかし、同じ取引であっても、会計上の処理と法人税上の処理が異なる点に注意が必要です。特に既に締結済みの契約については、適用関係を誤ると税...
安田 亮
9月26日


電子申告義務化とデータ形式の誤り
おはようございます!代表の安田です。 今回は、国税庁が注意を呼びかけている電子申告義務化への対応状況について、最新の動向を整理してご紹介します。 1. 電子申告義務化の概要 平成30年度税制改正により、資本金1億円超の法人については、令和2年4月1日以後に開始する事業年度か...
安田 亮
9月24日


教育訓練休暇給付金の課税関係
おはようございます!代表の安田です。 今回は、令和7年(2025年)10月1日から始まる「教育訓練休暇給付金」の課税関係について解説します。厚生労働省の制度創設により、従業員のリスキリングやスキルアップ支援を目的とした新しい仕組みがスタートしますが、税務上の取扱いには注意が...
安田 亮
9月20日


各府省庁の令和8年度税制改正要望
おはようございます!代表の安田です。 8月末までに、各府省庁から令和8年度に向けた税制改正要望が出そろいました。今回は、その中でも特に注目すべきポイントをまとめました。 1. 経済産業省・中小企業庁の要望 大胆な投資促進税制(仮称)の創設国内投資を後押しし、賃上げや高付加価...
安田 亮
9月19日


敷金・礼金・更新料の税務上の扱い
おはようございます!代表の安田です。 今回は、新リース会計基準の導入を踏まえた 不動産の敷金・礼金・更新料の会計処理と税務上の取扱い について整理しました。 1. 新リース会計基準における位置付け 新リース会計基準では、借手は原則すべてのリースをオンバランス処理することにな...
安田 亮
9月16日


フリーレント契約と貸手の法人税処理
おはようございます!代表の安田です。 今回は「フリーレント期間が定められた契約に係る貸手の法人税処理」についてご紹介します。令和7年度税制改正と新リース会計基準の適用により、借手側の処理に加え、貸手側の実務への影響も整理する必要が出てきています。 フリーレントとは?...
安田 亮
8月31日


改正リース税制における借手側の法人税処理
おはようございます!代表の安田です。 令和7年3月に公布された税制改正法と、同年6月に発遣された改正法人税基本通達により、新リース会計基準を踏まえた法人税の取扱いが明らかになりました。今回は、借手側の処理に焦点を当てて整理します。 1....
安田 亮
8月30日


電子申告義務化への対応
おはようございます!代表の安田です。 2025年7月、国税庁は「大法人等の皆様!!電子申告義務化に対応できていますか?」と題したリーフレットを公開しました。これは、電子申告義務のある法人の一部が、依然として法令に定められた方法で申告を行なっていないという現状を踏まえた注意喚...
安田 亮
8月18日


少額減価償却資産の特例の誤解しがちなポイント
おはようございます!代表の安田です。 中小企業にとって、固定資産の購入費を早期に経費化できる「少額減価償却資産の特例」は、節税効果が高く非常に使い勝手のよい制度です。しかし、この特例には複雑な適用要件があり、誤った運用をしてしまうケースも少なくありません。...
安田 亮
8月14日


フリーレントの法人税処理が明確化
おはようございます!代表の安田です。 フリーレントの法人税処理が明確化されました。 ◆ フリーレントとは? 不動産の賃貸借契約において、契約初期の数ヶ月間、賃料が無料となる期間のことを「フリーレント」と言います。主にテナント誘致のためのインセンティブとして用いられますが、こ...
安田 亮
8月7日


「資産の賃貸借」の範囲
おはようございます!代表の安田です。 新リース会計基準では、実質的にリースに該当する契約も「リース」に含めるとされており、形式にとらわれず契約内容ベースでの判定が求められます。 これを受けて国税庁は、法人税法における「資産の賃貸借」の範囲を明確化した改正通達を公表し、新会計...
安田 亮
8月5日
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