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フリーレントの法人税処理が明確化

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 8月7日
  • 読了時間: 2分

おはようございます!代表の安田です。

フリーレントの法人税処理が明確化されました。


◆ フリーレントとは?

不動産の賃貸借契約において、契約初期の数ヶ月間、賃料が無料となる期間のことを「フリーレント」と言います。主にテナント誘致のためのインセンティブとして用いられますが、この“賃料ゼロ期間”の法人税上の取扱いが長らく明確でなく、税務調査等でトラブルの火種になることもありました。


◆ 国税庁が通達で明確化

国税庁は令和7年度税制改正に対応し、法人税基本通達を改正。

「フリーレント期間が定められた契約に係る借手の法人税処理」について新たな取扱いを設けました。


✦ 適用開始

令和7年4月1日以後に開始する事業年度より適用されます。


◆2つの損金処理方法のうち、どちらを選ぶ?

これまで実務では以下2つの考え方がありましたが、今後は課税上の弊害がなければ②の方法も選択可能となります。

処理方法

内容

実務上の扱い

① 支払基準(従来)

賃料の支払があった年度に損金算入

中小企業では主流

② 按分基準(新設)

賃料総額を賃借期間で按分して各年度に損金算入

新たに選択可能に!


📌 新設された法人税基本通達(12の5-3-2)では、按分処理(②)を選ぶには損金経理が必要であり、課税上の弊害がある場合には使用不可となります。


◆ 課税上の弊害があるケースとは?

以下に該当する場合は、按分処理ではなく、従来通り支払基準に基づく処理が必要です:

  1. フリーレント期間がなかったと仮定した場合との金額差が20%超となる場合

  2. フリーレントが5割以上の期間を占める(契約開始年度で4ヶ月超の無償期間)と見込まれる場合


◆ 中小企業にもメリットあり

新リース会計基準は上場企業等が対象ですが、本取扱いは中小企業でも適用可。すでに新リース会計基準に準じた会計処理を行っている企業であれば、按分処理で損金算入が可能になります。

実際の会計処理と法人税処理が一致することで、税務リスクの軽減や説明負担の軽減が期待されます。

◆ まとめ

  • フリーレントの法人税処理が通達で明確化されました。

  • 按分処理が可能となり、より柔軟な損金処理が可能です。

  • 中小企業にも適用可能ですが、損金経理と課税上の弊害の有無がポイントです。


ご相談は当事務所まで

フリーレントを含む賃貸契約を締結されている法人様、契約見直しのタイミングでの会計・税務影響をお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。



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