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ニデック第三者委報告で「多数の会計不正」を認定
おはようございます!代表の安田です。 上場企業における会計不正は、単発のミスではなく、複数拠点・複数科目に連鎖する形で発生することがあります。2026年3月、ニデックが第三者委員会の調査報告書を公表し、グループの多岐にわたる拠点で多数の会計不正が確認された旨が報じられました。 本日は、報告書で示された論点を踏まえながら、「なぜ不正が起きるのか」、そして企業が今すぐ取り組める再発防止(内部統制・ガバナンス・監査対応)の観点を、公認会計士の立場から整理します。 1. どんな会計不正が起きたのか:棚卸資産・減損・引当金・費用の資産計上など多岐 内容からは、会計不正が特定の論点に限られず、幅広い勘定科目に及んでいたことがうかがえます。具体例として、次のような類型が挙げられています。 棚卸資産:資産性に乏しい原材料・製品等について、評価損を計上しないなど 固定資産の減損:実現可能性の低い売上計画等を前提に減損を回避するなど 引当金:子会社で計上した引当金を連結で不適切に戻し入れるなど 費用の先送り:本来費用処理すべき人件費を付随費用として固定資産に含めるな
安田 亮
5 時間前


ASBJが「防衛特別法人税」の実務対応報告を公表|会計処理は地方法人税と同様、税効果・グループ通算の実務ポイント
おはようございます!代表の安田です。 企業会計基準委員会(ASBJ)は、実務対応報告第48号「防衛特別法人税の会計処理及び開示に関する当面の取扱い」を公表しました。適用時期は、2026年4月1日以後開始事業年度(連結会計年度)の期首からとされています。 防衛特別法人税は、法人税額から基礎控除額を控除した額を課税標準とする仕組みで、法人税に対する付加税という性質を持つ点で地方法人税と共通します。 これを踏まえ、会計処理・表示・税効果会計は、原則として地方法人税と同様に取り扱う整理となっています。 本日は、決算・申告・開示の実務に関わるポイントを整理します。 1. 防衛特別法人税の会計処理:基本は「法人税等会計基準」に従う ASBJの実務対応報告では、防衛特別法人税の会計処理と表示は地方法人税と同様に行ない、「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(法人税等会計基準)に従うとされています。 2. 税効果会計:繰延税金の税率・法定実効税率にも反映 防衛特別法人税は付加税の性質があるため、繰延税金資産・繰延税金負債の計算に用いる税率についても、地方
安田 亮
1 日前


JICPAが「登録上場会社等監査人」の体制整備へPT設置|監査法人の人的要件見直しと中小監査法人支援の動き
おはようございます!代表の安田です。 日本公認会計士協会(JICPA)は、上場会社の監査を担う登録上場会社等監査人について、体制整備を検討するプロジェクトチーム(PT)を設置したと公表しました。今後、2027年2月までに要綱案をまとめ、同年7月の総会決定を目指す方針が示されています。 今回の動きは、上場監査の信頼性確保の観点から、監査法人の人的体制(量・質)を含む要件見直しにつながる可能性があり、企業側(監査役等・経理・IR)にも影響が及び得ます。 本日は、発表内容と実務上の注目点を整理します。 1. 登録上場会社等監査人制度と「人的要件(最低人数)」の位置づけ 上場会社の監査を行うには、上場会社等監査人名簿への登録が必要で、監査法人の場合、公認会計士である社員の最低人数は「5人」と規定されています。 JICPAは、会計不正事例等を踏まえ、この「最低人数」の引き上げなど、自主規制の整備を行う方針を既に公表しており、今回のPT設置は、その具体化に向けた検討を進めるものと整理できます。 2. 今後の検討の方向性:「質」と「量」両面で要件を議論...
安田 亮
5 日前


JICPAが「一体書類」向け監査報告書ガイダンス案を公表|有報×事業報告等の一本化に備える監査実務の要点
おはようございます!代表の安田です。 日本公認会計士協会(JICPA)は、事業報告等と有価証券報告書の一体書類に含まれる財務諸表等に対する監査報告書について、監査基準報告書700の実務ガイダンス案(2026年版)を公表し、2026年3月17日まで意見募集を行なっています。 法制審議会では、有報と事業報告等の一体化に賛成意見が多数とされ、今後、上場会社が一体書類を作成する可能性が高まっている状況です。こうした流れを踏まえ、現行法制度の下での監査報告書の文例を改めて検討し、より実務的なガイダンスとして整理したものと位置づけられています。 1. 「一体書類」とは?なぜ監査報告書の整理が必要になるのか 一体書類とは、会社法の事業報告等と、金融商品取引法の有価証券報告書を、実務上一つのパッケージとして取りまとめる形態を指します(制度改正の方向性として議論が進行中)。 このとき問題になるのが、「どの財務諸表等に対して、どの監査報告書を、どの表現で付すのか」という点です。書類の見た目が一体化すると、利用者(投資家等)から見ても監査の対象範囲が分かりにくくなり得
安田 亮
6 日前


「継続企業」の判断が変わります
おはようございます!代表の安田です。 日本公認会計士協会(JICPA)は、監査基準報告書570「継続企業」に関する改正案(公開草案)を公表しました。 今回の改正は、国際監査基準(ISA570)の改正を踏まえたもので、2027年4月1日以後開始事業年度の監査から適用予定、すなわち 2028年3月期決算企業の監査から本格適用されます。 継続企業は「監査人だけの論点」ではなく、経営者の評価プロセスや開示内容に大きく影響する改正です。本記事では、企業側が特に注意すべきポイントを解説します。 1.改正の背景:国際基準との整合 今回の改正は、国際監査・保証基準審議会(IAASB)が改正したISA570「Going Concern」への対応が背景となっています。 近年、 経済環境の不透明化 企業倒産リスクの高まり 利用者(投資家等)からの説明責任の強化 を受け、継続企業の前提に関する情報の透明性向上が国際的に求められていました。 2.改正ポイント①:継続企業の「評価開始日」が変更 ● 現行 評価開始日:期末日の翌日 評価期間:そこから 少なくとも12か月 ●
安田 亮
2月25日


連結グループにおける「リースの識別」の進め方
おはようございます!代表の安田です。 新リース会計基準の適用に向けて、多くの企業で進められているのが「契約がリースを含むかどうかの識別(リース識別)」です。 リース識別は、オンバランスされる使用権資産・リース負債の金額に直結するため、会計上・監査上ともに極めて重要なプロセスと位置づけられています。 特に、連結決算を行なう企業では、「親会社・子会社を含めて、どのようにリース識別を進めるか」が大きな実務課題となっています。 1.新リース会計基準における「リース識別」の基本 新リース会計基準では、契約締結時に、その契約がリースを含むか否かを判断します。 判断の軸は、次の2点です。 ① 特定された資産があるか 明示的に特定されている または、暗黙的に特定されている ② その資産の使用を支配する権利が移転しているか 使用方法を決定する権利を有しているか 使用から得られる経済的利益のほぼすべてを享受しているか これらを満たす場合、その契約は 「リースを含む契約」 と判定されます。 実務では、新リース会計基準の適用指針に示されているフローチャートに沿って判断す
安田 亮
2月22日


のれんは「非償却」へ向かうのか
おはようございます!代表の安田です。 企業会計基準委員会(ASBJ)は2026年1月20日、第7回「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」に関する公聴会を実施しました。公聴会は、のれんの非償却導入等により会計基準として改善が見込まれるかについて関係者の意見を聴取し、企業会計基準諮問会議に報告することを目的としています。 本日は、公認会計士の視点から、当該公聴会で示された考え方を踏まえ、「のれん非償却」論点の現在地と、企業実務での影響・準備ポイントを整理します。 1. 何が議論されているのか:のれん「非償却」+「償却費の表示区分」 日本基準では、のれんは原則として一定期間で規則的に償却します。一方、IFRSでは原則として非償却(減損テスト)という考え方が採用されており、国際的な整合性や企業価値の表現のあり方を背景に、日本でも見直し議論が続いています。 今回の公聴会テーマは大きく2つです。 のれん非償却の導入(減損中心のモデルへの転換の可否) のれん償却費の計上区分の変更(販管費のままか、別掲か、あるいはKPI表示か) 2....
安田 亮
2月15日


JICPAが「登録上場会社等監査人」の必要人数引上げを検討
おはようございます!代表の安田です。 日本公認会計士協会(JICPA)は2026年1月26日、AI開発企業オルツ等の会計不正事例を踏まえ、上場会社監査の信頼性向上に向けた取組方針を公表しました。自主規制機関として、登録上場会社等監査人へのモニタリングを強化し、監査品質の底上げを図る方針です。 本記事では、会計事務所に所属する公認会計士の視点から、今回の方針の要点と、監査法人・上場準備企業にとっての実務的な影響を整理します(文章・構成はオリジナルで、転載ではありません)。 1. 何が起きた?JICPAが「上場会社監査の信頼性向上策」を公表 JICPAは一連の会計不正問題を受け、登録上場会社等監査人に対するモニタリングを強化する方針を示しました。中長期的には、上場会社監査を担う登録上場会社等監査人に必要な公認会計士の最低人数を現状の「5人」から引き上げる方向性も打ち出しています。 ここでいう「5人」は、公認会計士法施行令に定める監査法人の要件(登録上場会社等監査人名簿への登録の前提)として実務上意識されてきたラインです。今回のポイントは、法令要件とは
安田 亮
2月10日


AI・暗号資産ビジネスの監査は"いつも通り"が通用しない
おはようございます!代表の安田です。 AIや暗号資産(ブロックチェーン)を活用したビジネスは、収益の稼ぎ方・取引証跡・管理主体が従来型と異なり、監査の難易度が一気に上がります。 こうした状況を受けて、日本公認会計士協会(JICPA)は、AI開発企業の会計不正問題等を背景に、2026年度からAI・暗号資産関連の被監査会社を持つ監査法人へのモニタリングを強化する方針を示しました。 本日は、公認会計士の立場から、企業側が“監査を受け切る”ために整えるべきポイントを解説します。 1. 何が公表された?「専門性ある監査チーム」が求められる JICPAは、登録上場会社等監査人に対して、上場会社等の属性に応じて監査証明業務について十分な知識・経験を有する公認会計士を関与させる体制整備を求めるとしています。 AI・暗号資産などの新技術を用いるビジネスでは、従来の監査で培った知識や経験をそのまま使えず、有効な監査手続の計画・実施ができないおそれがあるとも指摘されています。 さらに、昨年の適時開示でも、暗号資産事業に参入した上場会社で、監査人が専門知識不足等を理由に
安田 亮
2月6日


経理業務での生成AIの使い方
おはようございます!代表の安田です。 近年、ChatGPT等の生成AIが急速に普及し、経理・財務の現場でも活用が進みつつあります。本日は、経理・税務領域での生成AIの実務的な活用イメージと、公認会計士・税理士の立場から見た留意点を整理します。 経理業務での主な活用シーン 日常業務から専門的な論点まで、幅広い活用方法が考えられます。 <日常的な文書作成・整理> メール文章の作成・校正 会議の議事録作成 社内資料・社内周知文のたたき台作成 まずは「文章作成アシスタント」としての利用が一般的でしょう。 <経理・税務の専門領域> 経理特有の活用としては、次のような活用方法が考えられます。 会計基準・税法の条文や考え方の確認 資本的支出か修繕費かの判定にあたっての論点整理 契約書を読み込ませて、印紙税の要否を一次判断させる 監査法人に質問する前の「壁打ち」として論点を整理する さらに、より詳細な部分で言うと、以下のような活用方法も考えられます。 Excel 関数の提案 収入印紙の一次判断 NotebookLM等に社内ルールを読み込ませ、社内規程の「辞書」と
安田 亮
2月5日


ASBJが「後発事象に関する会計基準」を公表
おはようございます!代表の安田です。 企業会計基準委員会(ASBJ)は、2026年1月9日に企業会計基準第41号「後発事象に関する会計基準」等を公表しました。 従来は監査基準報告書560実務指針で扱われていた後発事象の会計面の取扱いを見直し、独立した会計基準として位置付けたものです。適用開始は2027年4月1日以後開始事業年度の期首からとされています。 本日は、新しい後発事象会計基準のポイントと、企業の実務上の対応について、公認会計士の立場から解説します。 1. 後発事象の定義と「評価期間の末日」 新基準では、後発事象を次のように定義しています。 決算日後に発生した事象のうち、企業の財政状態・経営成績・キャッシュ・フローに影響を及ぼし、評価期間の末日までに発生した事象 ここで重要なのが、評価期間の末日=後発事象を評価する最終日が、原則として「財務諸表の公表の承認日」とされた点です。 従来は、監査報告書日を基準とする整理が一般的でしたが、今回の基準ではIFRSと同様に「財務諸表を公表することを会社として最終決定した日」を基準にする考え方へと見直され
安田 亮
2月3日


上場審査で「内部通報体制」がこれまで以上に重視されます
おはようございます!代表の安田です。 東京証券取引所は2025年12月、AI開発企業における会計不正問題を受け、上場審査における再発防止策を公表しました。 その中でも、IPO準備企業にとって特に影響が大きいのが、「内部通報体制(内部通報制度)の適切な整備・運用状況の審査強化」です。 これまでも内部通報制度は確認項目とされてきましたが、今後は 形式的な整備にとどまらず、「実効性」まで踏み込んで審査される点が大きなポイントとなります。 ■内部通報体制は「全ての上場申請会社」が対象 今回示された再発防止策では、内部通報体制の審査について、 スタートアップか否か 企業規模 公益通報者保護法の義務対象かどうか にかかわらず、すべての上場申請会社に適用する方向とされています。 公益通報者保護法では、従業員300人超の企業に体制整備義務がありますが、上場審査では 法令上の義務の有無とは別次元で評価される点に注意が必要です。 ■これまでも確認されていた基本項目 現在の上場審査でも、内部通報体制については、主に次の点が確認されています。 社内窓口・社外窓口が設置さ
安田 亮
1月31日


ASBJが「法人税等会計基準」改正案公表
おはようございます!代表の安田です。 企業会計基準委員会(ASBJ)は2026年1月9日、企業会計基準公開草案第94号「法人税等に関する会計基準(案)」等を公表しました。 今回の改正案は、いわゆる「法人税等会計基準」の考え方を整理し直し、 どの税金が法人税等会計基準の適用対象なのか それ以外の税金は、損益計算書のどこに表示すべきか を原則ベースで定め直すものです。 住民税均等割や外国源泉税の表示区分を見直す内容も含まれており、決算書の表示・勘定科目の見直しが必要になる可能性があります。 本日は、改正案のポイントと実務への影響を、公認会計士の立場から整理します。 1. 改正案のねらい:「税金の種類」ではなく「性格」で区分 現行の法人税等会計基準は、 法人税 住民税 事業税 といった個別の税目ごとに会計処理を定めるスタイルを取っています。 しかし近年は、 新たな税目の創設 既存税制の見直しや付加税の導入 など、制度変更のたびに会計基準の解釈が問題になるケースが増えました。 そこで改正案では、「法人税等会計基準の適用対象となる税金」を原則で定義し、それ
安田 亮
1月26日


有価証券報告書と事業報告は一本化されるのか
おはようございます!代表の安田です。 法務省の法制審議会・会社法制(株式・株主総会等関係)部会では、上場会社の開示実務に大きく影響し得るテーマとして、事業報告等と有価証券報告書(有報)の一体開示・一本化が議論されています。 2025年12月24日に開催された第9回会議では、指名委員会等設置会社制度の見直し等に加え、事業報告等と有報の一体開示・一本化に関する日本経団連の調査結果も共有されました。本日は、最新の議論の方向性を整理し、実務担当者がいまから意識しておくべきポイントを公認会計士の立場から解説します。 1. いま何が議論されているのか 背景にあるのは、有報の「株主総会前開示」が進んでいることです。これに伴い、 株主総会の開催時期を後ろ倒しにするか 会社法上の事業報告等と、有報をどこまで「一体化・一本化」できるか といった論点が、法制審議会で検討されています。 現状、会社法に基づく事業報告等と、金融商品取引法に基づく有報の開示内容は大部分が重複している一方、事業報告等にしか記載されていない項目も残っています。 第5回会議では、この「差分」をどう
安田 亮
1月25日


「課税対象利益を基礎としない税金」の表示
おはようございます!代表の安田です。 企業会計基準委員会(ASBJ)が公表した法人税等会計基準の改正案では、税金の性格に応じて、 「課税対象利益を基礎とする税金」 「課税対象利益を基礎としない税金」 に区分したうえで、それぞれの会計処理・表示方法を整理し直す方針が示されています。 この考え方は、損益計算書上の表示にもそのまま反映されることとなり、住民税の均等割や外国源泉税など、一部の税金については表示区分の変更が必要になります。 公認会計士の立場から、改正案が触れているポイントをかみ砕いてご説明します。 1. 「課税対象利益を基礎としない税金」とは何か 改正案では、まず法人税等会計基準の適用対象を整理するため、税金を次の二つに区分しています。 課税対象利益を基礎とする税金 いわゆる法人税、地方法人税、法人事業税(所得割)など、「税務上の所得(課税所得)」をベースに計算される税金 課税対象利益を基礎としない税金 均等割のように「資本金や従業者数」を基準とする税金 受取配当金や利息に対する外国源泉所得税など、「特定の取引金額」を基準に課される税金 な
安田 亮
1月24日


ASBJ「期中会計基準」2027年3月期から適用へ
おはようございます!代表の安田です。 今回は、企業会計基準委員会(ASBJ)が審議している期中会計基準の適用時期と、あわせて議論が進む金融資産の減損に関する新基準についてご紹介します。 1. 期中会計基準の適用開始 ASBJは2025年9月の委員会で、「期中財務諸表に関する会計基準」の適用時期を以下のとおりとする方向を示しました。 2026年4月1日以後に開始する事業年度(連結会計年度)の最初の期中会計期間から適用 早期適用は認めない これにより、四半期会計基準と中間会計基準が統合され、よりシンプルな制度へ移行します。 2. 修正点と注記の追加 公開草案への意見を受け、以下の修正が予定されています。 減損処理の用語を「洗替え法」「切放し法」から「期中洗替え法」「期中切放し法」へ変更 企業結合に関する注記を、財務諸表等規則に沿って期中会計基準にも追加 これらは、実務上の明確化を目的とした修正です。 3. 金融資産の減損基準 ― IFRS9への対応 もう一つの重要テーマが、金融資産の減損に関する基準の開発です。 従来の日本基準では期末の債務者区分に応
安田 亮
2025年12月28日


のれんの非償却の選択制は導入されるのか?
おはようございます!代表の安田です。 日本企業のM&Aは年々活発化しており、その結果として貸借対照表に占める「のれん」残高が増加しています。その中で議論が続くのが、 のれんを償却すべきか? 非償却(減損のみ)にすべきか? 償却費の損益計算書上の区分を変更すべきか? という根本的な問題です。 2024年に企業会計基準諮問会議で提案された① のれん非償却の選択制導入 ② のれん償却費の計上区分変更について、最新の議論状況をまとめます。 1.なぜ「のれん非償却」が議論されているのか? 特にスタートアップ業界では、 毎期の償却負担が重い 赤字計上の原因になり成長投資を阻害する 海外基準(IFRS・US GAAP)と扱いが異なる といった問題意識が強く、日本基準の見直しを求める声が長年存在してきました。 しかし、日本基準では現行ルールとして規則的な償却(20年以内)+減損テストが義務付けられています。 2.諮問会議で提案された2つのテーマ ① のれん非償却の選択制 → 日本基準でもIFRSと同様、償却せずに減損のみで評価することを選択可能にする案。 ② の
安田 亮
2025年12月27日


会計士試験に2027年から「英語出題」が本格導入へ
おはようございます!代表の安田です。 公認会計士・監査審査会は、2027年第Ⅰ回短答式試験から、公認会計士試験に英語での出題を導入することを公表しました。 会計士試験は長年、日本語で実施されてきましたが、今回の見直しは、公認会計士を取り巻く業務環境の変化を強く反映したものといえます。 本記事では、制度変更の概要と、実務家・受験生・企業それぞれの立場からの影響を整理します。 1.なぜ今、会計士試験に「英語」なのか 英語出題導入の背景として、次のような環境変化が挙げられています。 IFRS(国際会計基準)適用企業の拡大 海外子会社を含むグループ監査の増加 英文財務諸表・英文監査報告書への対応 海外投資家とのコミュニケーションの重要性の高まり 実務の現場ではすでに、「英語を使う会計士」が特別な存在ではなくなりつつあるのが実情です。 今回の制度改正は、こうした実務環境を踏まえ、試験段階から英語リテラシーを確認する狙いがあると考えられます。 2.英語出題の概要 ● 対象試験 短答式試験 2027年第Ⅰ回試験から適用 ● 対象科目 次の3科目で、英語による問
安田 亮
2025年12月25日


臨時計算書類には「期中会計基準」は適用される?
おはようございます!代表の安田です。 2025年に「期中財務諸表に関する会計基準」(期中会計基準)が統合・制定され、中間財務諸表・四半期財務諸表の会計処理体系が一本化されました。 これにより、 上場企業の第1種中間財務諸表(金融商品取引法) 第1・第3四半期財務諸表(取引所規則)等には新しい期中会計基準が適用される ことになりました。 では、「臨時計算書類(会社法ベースの期中決算書類)」にはこの期中会計基準を適用すべきか? 1.臨時計算書類は「期中財務諸表」に含まれない 臨時計算書類は 分配可能額の確定 会社法上の特定目的 のために作成されるものであり、期中会計基準が対象とする「一般目的の期中財務諸表」には該当しません。 したがって、臨時計算書類は期中会計基準の適用対象外という整理になります。 2.臨時計算書類の作成基準は「研究報告12号」が継続利用 適用対象外となるため、従来どおり日本公認会計士協会 会計制度委員会研究報告第12号「臨時計算書類の作成基準について」を実務の参考として使用します。 研究報告12号の基本方針は: ● 原則:年度決算の
安田 亮
2025年12月14日


東証の「特別注意銘柄」とは?
おはようございます!代表の安田です。 本日は東証における「特別注意銘柄」について解説します。 1.「特別注意銘柄」とは? 重大な上場規則違反の疑いがあり、内部管理体制の改善が必要と認める会社に対して指定を 東証が 行なう制度です。 指定を受けた企業は、原則として1年以内に内部管理体制を整備・運用し直すことが義務付けられます。内部統制の不備や不適切会計、開示不備などが主な指定理由です。 2.指定を受けた後の流れ ― 3つのパターン 分かりやすくまとめますと。。。 ①「整備」も「運用」も適切 → 指定解除(クリア) ②「整備」が不適切 → 上場廃止 ③「整備は適切」だが「運用が不十分」 → 指定継続(猶予) ③の場合、原則次の流れになります: 指定継続決定日の属する事業年度末から3か月以内に「2回目の審査」 そこで運用不備が続けば上場廃止 改善が認められれば指定解除 3.「経過観察期間」がつく場合もある 仮に整備・運用が認められたとしても、 事業の収益性や継続性に懸念がある 上場維持基準に適合していない と判断された会社は、最長3年間の経過観察期間に
安田 亮
2025年12月11日
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