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みなし取得日は月次決算日でもよい?子会社取得時の連結会計で注意したい「適切に決算が行われた日」
おはようございます!代表の安田です。 子会社を取得した場合、連結財務諸表の作成では、原則として支配獲得日において、取得した子会社の資産・負債を時価評価します。これは、親会社が子会社を支配することになった時点で、連結グループに取り込むべき資産・負債を適切に測定するためです。 もっとも、実務では、株式取得日や支配獲得日が子会社の決算日と一致するとは限りません。たとえば、子会社の株式を月の途中で取得した場合、その取得日のためだけに詳細な決算を行なうことは、企業にとって大きな実務負担となります。 そこで連結会計基準では、一定の場合に、実際の支配獲得日ではなく、その前後いずれかの決算日に取引が行われたものとみなす、いわゆる「みなし取得日」の処理が認められています。 みなし取得日とは みなし取得日とは、子会社の支配獲得日、株式の取得日または売却日などが、子会社の決算日以外の日である場合に、実務上の便宜を考慮して、前後いずれかの決算日に取引が行われたものとして処理する方法です。 子会社取得時には、取得日における資産・負債の時価評価、のれんの算定、連結範囲への取
安田 亮
5 日前


期中切放し法を適用する場合は注記が必要に|期中会計基準第37号で押さえる有価証券減損・棚卸資産切下げの実務
おはようございます!代表の安田です。 2026年4月1日以後開始する事業年度から、企業会計基準第37号「期中財務諸表に関する会計基準」が適用されています。 この期中会計基準は、従来の中間会計基準と四半期会計基準を統合したものであり、金融商品取引法に基づく第1種中間財務諸表と、取引所規則に基づく第1・第3四半期財務諸表の双方に対応することを目的として開発されました。 適用初年度において実務上注意したいのが、有価証券の減損処理と棚卸資産の簿価切下げに関する取扱いです。従来は、一定の条件のもとで「切放し法」と「洗替え法」の選択適用が認められていましたが、期中会計基準では、原則として期中洗替え法を適用し、例外的に期中切放し法の継続適用を認める形に整理されています。 本日は、期中切放し法と期中洗替え法の違い、注記が必要となるケース、第1・第3四半期決算短信での対応について、公認会計士の視点から解説します。 1. 期中会計基準とは 期中会計基準は、従来の中間会計基準と四半期会計基準を統合した新しい会計基準です。 これまで中間財務諸表と四半期財務諸表では、それ
安田 亮
6 日前


退職給付会計の割引率見直しに注意|金利上昇で数理計算上の差異・退職給付費用が大きく動く可能性
おはようございます!代表の安田です。 2026年3月期決算では、金利上昇を背景に、退職給付会計における割引率の見直しが重要な論点となっています。割引率を見直すと、退職給付債務が大きく変動し、その結果として数理計算上の差異が多額に発生することがあります。 数理計算上の差異は、一般的には一定年数で費用処理する「遅延認識」が採用されることが多い一方、企業によっては発生した差異を翌期に一括処理するケースもあります。 実際に、2026年3月期決算を受けて、翌期の退職給付費用が大幅に減少する見込みを公表した企業事例も出ています。 本日は、公認会計士の視点から、退職給付会計における数理計算上の差異の基本、割引率見直しによる影響、費用処理年数を変更する際の注意点を整理します。 1. 数理計算上の差異とは? 数理計算上の差異とは、退職給付会計で使う予測値と実績値のズレにより発生する差異をいいます。資料では、主に次のような要因が挙げられています。 年金資産の期待運用収益と実際の運用結果との差 退職給付債務の計算に用いた見積数値と実績との差 割引率などの計算基礎の変更
安田 亮
6月7日


米国IEEPA関税の還付はいつ・どの区分で計上する?会計処理と業績予想への影響を解説
おはようございます!代表の安田です。 米国で課されていた国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税について、連邦最高裁判所の違憲判決を受け、関税還付の手続が進み始めています。当該関税は2026年2月20日の違憲判決を受けて同月24日に停止され、還付申請は4月20日から開始されています。 日本企業の中にも、米国向け取引や米国子会社・輸入取引を通じて影響を受ける企業があり、今後の決算では、関税還付金をいつ認識するか、そして損益計算書上どの区分に表示するかが実務上の論点になります。 本日は、公認会計士の視点から、米国関税還付の会計処理と表示区分、業績予想・決算説明資料での開示上の注意点を整理します。 1. 米国IEEPA関税の還付とは? 米国で課されていたIEEPAに基づく関税は、全世界を対象とする関税の上乗せ措置として扱われていたものです。今回、連邦最高裁判所の違憲判決により停止され、還付申請が開始されています。 還付申請は、在米の輸入者または通関業者が、米税関・国境警備局(CBP)のシステムを通じて行うとされています。通常は申請受理後、60日から
安田 亮
6月6日


改正法人税等会計基準は2028年4月から適用へ|住民税均等割の表示・未払法人税等の取扱い・経過措置を解説
おはようございます!代表の安田です。 企業会計基準委員会(ASBJ)は、「法人税等に関する会計基準(案)」に寄せられたコメントへの対応を進めており、改正後の法人税等会計基準について、2028年4月1日以後開始する事業年度(連結会計年度)の期首から適用する方向となりました。早期適用も認められる見込みで、3月決算会社では、早ければ2027年4月1日以後開始事業年度から適用可能となる方向です。 今回の改正案で特に実務影響が大きいのは、住民税均等割の表示や、未払法人税等に含める税額の考え方です。また、適用初年度における経過措置も整理されており、決算・開示担当者は早めに影響を確認しておく必要があります。 本日は、公認会計士の視点から、改正法人税等会計基準のポイントと企業実務への影響を整理します。 1. 改正法人税等会計基準の適用時期 ASBJの審議では、改正後の法人税等会計基準の適用時期について、次の方向性が示されています。 原則適用:2028年4月1日以後開始する事業年度・連結会計年度の期首から 早期適用:公表日以後開始する事業年度・連結会計年度の期首か
安田 亮
6月3日


東証が「資本コスト経営」要請をアップデート|経営資源の適切な配分と資本配分方針の開示が重要に
おはようございます!代表の安田です。 東京証券取引所(東証)は、2026年4月28日、「資本コストや株価を意識した経営」に関するアップデートを公表しました。 今回のポイントは、単にPBRやROEなどの指標改善を求めるだけでなく、中長期的な企業価値向上に向けて、経営資源をどのように配分するのかを企業に検討・説明してもらう点にあります。 いわゆる「資本コスト経営」への対応は、東証が2023年3月に要請してから4年目を迎え、プライム市場では約9割、スタンダード市場では約5割の企業が開示を行なっているとされています。今後は、開示の有無だけでなく、資本配分方針(キャピタル・アロケーション)の具体性や、取締役会での議論の実効性がより問われる局面に入っていきそうです。 本日は、公認会計士の視点から、東証アップデートのポイントと、企業が実務で整備すべき開示・ガバナンス対応を整理します。 1. 東証アップデートの4つのポイント 今回の東証アップデートでは、企業に対して次の4点を改めて確認することが促されています。 中長期的な経営方針 目指す姿や成長の道筋を明確に示
安田 亮
5月30日


東証が「少数株主保護」を制度強化へ|取締役選任議案の賛否割合開示と、反対票50%超への対応が義務化
おはようございます!代表の安田です。 東京証券取引所(東証)は2026年3月27日、「少数株主保護に関する上場制度の見直し等について」を公表しました。親会社を有する上場会社等に対し、取締役選任議案に対する少数株主の賛否割合(賛成・反対・棄権)等の開示や、一定の場合の反対票を踏まえた対応方針の開示を義務付ける内容です。狙いは、企業に少数株主を意識した経営を促し、株主との対話を進めてもらうことにあります。 本記事では、公認会計士の視点から、対象企業の範囲、求められる開示内容、実務対応のポイントを整理します。 1. 対象は約800社:上場子会社・オーナー企業など「構造的な利益相反」を意識 東証は、上場子会社やオーナー企業における支配株主と少数株主の間に、構造的な利益相反のおそれがあることを踏まえ、上場制度の整備を進めてきた経緯があり、今回の見直しもその一環とされています。 対象となるのは、株主総会の基準日時点で、次のいずれかに該当する上場会社です(東証見込みで約800社)。 親会社を有する会社 40%以上の議決権を保有するその他の関係会社を有する会社.
安田 亮
5月21日


金商法改正法案の「特定暗号資産」と税法上の「特定暗号資産」は別物?分離課税・開示規制の違いを公認会計士が解説
おはようございます!代表の安田です。 2026年4月、政府は金融商品取引法の改正法案を国会に提出し、暗号資産の一部を「特定暗号資産」として定義したうえで、その他の暗号資産と異なる規制を課す方向を示しました。一方、税制面でも、2028年1月1日開始を想定して、一定の暗号資産について総合課税から一律20%の分離課税へ見直す方向が示されています。 ここで実務上、非常に誤解しやすいのが、金商法改正法案の「特定暗号資産」と、租税特別措置法上の「特定暗号資産」は、同じ意味ではないという点です。 本日は、公認会計士の立場から、この「名前は同じでも範囲が違う」論点を中心に、会計・税務・開示実務で押さえておきたいポイントを整理します。 1. まず結論:金商法と税法で「特定暗号資産」の範囲は異なる 今回の金商法改正法案で定義される「特定暗号資産」と、税法上の「特定暗号資産」は異なる範囲である点に注意が必要です。 金商法改正法案では、発行者がいる暗号資産を「特定暗号資産」と定義し、それ以外の暗号資産と区別して規制するとされています。 これに対し、税法上の「特定暗号資産
安田 亮
5月20日


【2026年3月期】関税・中東情勢で注意したい海外子会社の後発事象|IFRS子会社を連結する日本基準会社の実務対応
おはようございます!代表の安田です。 2026年3月期の有価証券報告書では、米国の関税政策や中東情勢など、決算日後に経済活動へ影響を与える事象について、重要な後発事象として検討が必要になる企業が増える可能性があります。とくに、親会社は日本基準、海外子会社はIFRSという連結グループでは、後発事象の取り扱いが実務上の論点になりやすく、早めの整理が重要です。 本記事では、公認会計士の立場から、海外子会社で発生する後発事象について、2026年3月期決算でどこに注意すべきかを解説します。 1. なぜ今、海外子会社の後発事象が問題になるのか ここ最近の関税強化や地政学リスクは、単なるニュースにとどまらず、海外子会社の販売・仕入・在庫・資金繰り・事業継続に影響し得ます。資料でも、こうした事象は2026年3月期有報において重要な後発事象に該当する可能性があるとされています。 たとえば、次のような事象は後発事象の検討対象になりやすいです。 追加関税に伴う収益性悪化や契約条件の変更 中東情勢の悪化による物流停滞、原材料調達の遅延 海外拠点の操業見通し悪化...
安田 亮
5月18日


【2026年4月期から順次拡大】女性活躍推進法の公表義務|女性管理職比率・男女の賃金差異と有報開示の注意点
おはようございます!代表の安田です。 改正女性活躍推進法により、常時雇用する労働者数(常用労働者数)が101人以上の企業について、女性管理職比率と男女の賃金差異の公表義務が拡大されます。 初回の情報公表は、2026年4月1日以後に終了する事業年度の実績から行なうこととされているため、3月決算企業ではなく、まずは2026年4月期決算企業の有価証券報告書から順次対応が始まる点がポイントです。 人的資本開示への関心が高まる中、女性管理職比率や男女の賃金差異は、投資家・求職者・取引先からも見られやすい指標です。 本記事では、公認会計士の視点から、改正内容、有報での記載、2026年3月期有報での取り扱い、実務対応のポイントを整理します。 1. 何が変わる?101人以上の企業で公表義務が拡大 改正女性活躍推進法により、2026年4月1日から、常用労働者数101人以上の企業を対象に、次の情報公表が求められることになります。 女性管理職比率 男女の賃金差異 女性管理職比率については公表義務化、男女の賃金差異については公表義務の対象拡大という整理です。 2....
安田 亮
5月15日


有価証券報告書と事業報告等の「一本化」議論が加速|開示・監査実務はどう変わる?
おはようございます!代表の安田です。 法務省の法制審議会(会社法制:株式・株主総会等関係)部会で、有価証券報告書(有報)と事業報告等の一本化に関する議論が進んでいます。直近の会議では、事業報告等の固有項目を有報に取り込む形での一本化に、賛成意見が多数となったとされています。 このテーマは「書類が減るかもしれない」という話に留まらず、開示実務の合理化、投資家の利便性、監査の進め方(監査日程・監査意見の一元化)まで波及し得る重要論点です。 本日は、現時点の議論の方向性と、企業実務に与える影響をわかりやすく整理します。 1. 何が議論されている?「有報」と「事業報告等」の一本化とは 上場会社では、金融商品取引法ベースの開示書類である有報と、会社法ベースの事業報告等(事業報告、附属明細書など)を作成します。 一方で、両者には内容の重複も多く、作成・レビュー・社内承認・監査対応の工数が膨らみやすいという課題があります。そこで、会社の開示実務の効率化や投資家の利便性向上の観点から、開示書類を一本化する方向が望ましいという意見がこれまでの会議で示されてきました
安田 亮
5月8日


企業会計基準第41号「後発事象」基準が公表|評価期間は「公表の承認日」へ、注記(承認日・承認者)も新設
おはようございます!代表の安田です。 ASBJ(企業会計基準委員会)は、企業会計基準第41号「後発事象に関する会計基準」および関連する適用指針等を公表しました。従来は、監査基準報告書の実務指針(監基報560実1)に基づく実務が中心でしたが、今回の公表により、後発事象に関する包括的な会計基準が整備された形です。 今回のポイントは大きく2つあります。 後発事象の評価期間の末日(どこまでの事象を反映・開示するか)が、原則として「財務諸表の公表の承認日」になったこと 重要な開示後発事象の注記に加え、「公表の承認日」と「承認した機関/個人」の注記が新設されたこと 本日は、実務担当者が押さえるべき変更点と準備事項を、公認会計士の立場から整理します。 1. 後発事象とは?新基準の定義と「評価期間」の考え方 新基準では、後発事象を「決算日後に発生した、財政状態・経営成績・キャッシュ・フローに影響を及ぼす事象のうち、評価期間の末日までに発生した事象」と定義しています。 連結の場合は「決算日後」を「連結決算日後」へ読み替え、子会社等は「子会社等の決算日後」とする整理
安田 亮
5月7日


【2026年3月期 有報】「重要な契約等」の開示に要注意|2024年改正開示府令の経過措置が終了、記載省略ができなくなるケースも
おはようございます!代表の安田です。 2024年4月1日施行の改正開示府令(いわゆる「24年度改正開示府令」)により、有価証券報告書(有報)の「重要な契約等」欄で求められる開示が拡充されました。3月末決算企業にとって、2026年3月期有報は適用2年目にあたり、適用1年目(2025年3月期有報)とは異なる実務対応が必要になる点に注意が必要です。 特に見落としやすいのが、施行日前に締結した契約について、一定の条件で記載省略を認めていた経過措置が、2025年3月期(期首が2025年3月末以前)の有報までしか認められない点です。つまり、2026年3月期有報では「昨年は省略できたから今年も省略できる」とは限りません。 本記事では、公認会計士の視点から、2026年3月期に特に注意したいポイントと、開示作成のチェックリストを整理します。 1. 何が変わった?「重要な契約等」で新たに求められる開示テーマ 改正により、「重要な契約等」では次の3類型の開示が新たに求められています。 企業・株主間のガバナンスに関する合意 企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関
安田 亮
5月1日


【2026年3月期から】有価証券報告書に「平均年間給与の対前年比増減率」が新設|算定式と株式報酬の扱いの注意点
おはようございます!代表の安田です。 2026年3月期の有価証券報告書から、従業員情報の開示において、新たに「平均年間給与の対前年比増減率」の記載が求められることになりました。 従前から「平均年間給与」自体の開示は行なわれていましたが、増減率の追加により、投資家・求職者・取引先などステークホルダーが、賃上げ状況をより直感的に比較しやすくなります。 一方で、平均年間給与に含める「給与の範囲」には明確な法令解説が十分でなく、特に株式報酬(譲渡制限付株式・ストックオプション等)を含めるかで実務のばらつきが見られる点が注意点です。 本記事では、公認会計士の立場から、増減率の算定方法と実務対応のポイントを整理します。 1. 何が追加される?「平均年間給与の対前年比増減率」 新たに求められる増減率は、次の算式で計算します。 (当事業年度の平均年間給与 − 前事業年度の平均年間給与) ÷ 前事業年度の平均年間給与 つまり、ベースとなる情報は従来どおりの「平均年間給与」であり、そこから前年差を率で示す形式です。 2. 平均年間給与に「賞与を含める」ことは明記され
安田 亮
4月28日


のれんは「非償却」へ向かうのか?FASFがパブコメ実施のコピー
おはようございます!代表の安田です。 企業のM&Aが増える中で、「のれんの会計処理」は日本企業の財務指標や投資判断に大きな影響を与えるテーマです。 財務会計基準機構(FASF)の企業会計基準諮問会議では、「のれんの非償却の導入」および「のれん償却費の計上区分の変更」について、今後の進め方としてパブリックコメント(意見募集)を実施する提案がなされ、委員も賛同したとされています。 本日は、検討の背景、論点の整理(償却維持 vs 非償却導入)、今後の進め方、そして企業側が備えるべき実務ポイントをわかりやすく解説します。 1. なぜ今「のれん非償却」が議論になるのか(スタートアップM&Aと償却負担) 資料によれば、のれん非償却の導入等は、のれん償却費がスタートアップM&Aを阻害しているといった問題意識から提案された経緯があります。M&A後の損益に償却費が乗ることで、営業利益等の見え方が変わり、投資判断や経営評価に影響する—というのは、実務でもよく論点になります。 2. ここまでの整理:償却維持が有力という見方と、非償却導入の意味 当日の事務局整理として、
安田 亮
4月27日


【2026年3月期】「未適用の会計基準等に関する注記」の書き方|新リース会計基準(企業会計基準第34号)を中心に実務ポイント整理
おはようございます!代表の安田です。 有価証券報告書(有報)では、期末時点で公表済みだがまだ適用していない会計基準等がある場合、一定の条件下で「未適用の会計基準等に関する注記」(財規8条の3の3等)の記載が必要になります。 2026年3月期について、2026年3月31日までに公表された会計基準等を整理すると、多くの企業で引き続き注記対象となりやすいのが、2024年9月公表の新リース会計基準(企業会計基準第34号)等です。 本記事では、公認会計士の立場から、未適用注記の基本ルールと、2026年3月期に実務対応で悩みやすいポイント(「評価中」記載の扱い、早期適用の考え方、影響額の示し方)を解説します。 1. 未適用注記の基本:何を書けばよい?(3点セット) 未適用の会計基準等を注記する場合、記載すべき事項は次の3点です(重要性が乏しいものは省略可能)。 会計基準等の名称と概要 適用予定日(早期適用する場合は早期適用予定日) 財務諸表に与える影響に関する事項 2. 2026年3月期で注目度が高いのは「新リース会計基準」 未適用注記の対象となる会計基準
安田 亮
4月25日


【2026年4月以後】「切放し法」適用時の注記が必須に|中間・四半期の減損/棚卸切下げと防衛特別法人税の表示も明確化
おはようございます!代表の安田です。 2026年3月31日、「財務諸表等規則・連結財務諸表規則」の一部改正に関する内閣府令(令和8年内閣府令第28号)が公布・施行されました。今回の改正は、期中財務諸表の新しい会計基準(企業会計基準第37号等)が公表されたことを受け、期中に「切放し法」を適用した場合の注記規定を新設するとともに、防衛特別法人税の表示取扱いを明確化するものです。 本記事では、上場企業の決算・開示実務で重要になる「切放し法の注記」と「防衛特別法人税の表示」を、公認会計士の視点で整理します。 1. そもそも「切放し法」とは?期中は原則「洗替え法」、ただし例外あり 期中会計基準等では、企業の報告頻度(年次・半期・四半期)によって年次の経営成績の測定が左右されないという原則を採用し、有価証券の減損処理や棚卸資産の簿価切下げについて、期中洗替え法が原則とされています。 一方で、従来から期中に「切放し法」を適用していた企業については、例外的に継続適用が認められ、その場合は「切放し法を適用している旨」の注記が求められる整理になっています。 2...
安田 亮
4月24日


防衛特別法人税の会計処理はどうなる?実務対応報告第48号のポイントを公認会計士が解説
おはようございます!代表の安田です。 2026年4月1日以後に開始する事業年度から、防衛特別法人税が課されます。これに対応して、企業会計基準委員会(ASBJ)は、実務対応報告第48号「防衛特別法人税の会計処理及び開示に関する当面の取扱い」を公表しました。 防衛特別法人税は、法人税額から基礎控除額を控除した額を課税標準とし、税率4%を乗じて算定する新たな税金です。制度開始が迫る中で、決算実務では「どの科目で表示するのか」「税効果会計にどう反映するのか」「グループ通算制度ではどう扱うのか」といった点が気になるところです。 本記事では、公認会計士の立場から、実務対応報告第48号の内容を踏まえ、企業実務で押さえたいポイントをわかりやすく解説します。 1. 防衛特別法人税とは?まず押さえたい制度の基本 防衛特別法人税は、2026年4月1日以後開始事業年度から課される新税で、各事業年度の所得に対する法人税を課される法人について、一定の税額控除を適用しないで計算した法人税額から基礎控除額500万円を控除した金額に4%を乗じて計算する仕組みです。資料2ページの図
安田 亮
4月22日


【2026年3月期】GM課税(グローバル・ミニマム課税)と税効果会計の実務|引き続き「影響を反映しない」取扱いが継続
おはようございます!代表の安田です。 グローバル・ミニマム課税(GM課税、いわゆるPillar Two)は、国際的な合意に基づき導入が進む新しい国際課税ルールです。 日本でも制度の見直しが続いており、令和8(2026)年度税制改正では、各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税(IIR)などの見直しや、新たな適用免除基準の創設などが予定されています。 一方で、決算実務(税効果会計)で多くの企業が気にするのは、「GM課税の影響を繰延税金資産・負債に反映すべきか?」という点です。結論から言うと、2026年3月期決算でも、GM課税の影響を税効果会計に反映しない取扱いが継続する整理になります。 本日は、その根拠と、今後の見通しを公認会計士の視点で整理します。 1. GM課税の見直しは続くが、税効果の扱いは「実務対応報告第44号」が軸 GM課税制度に係る税効果会計の取扱いについては、実務対応報告第44号「グローバル・ミニマム課税制度に係る税効果会計の適用に関する取扱い」が適用されます。 この実務対応報告では、税効果会計の適用にあたり、通常の税効果適用指針
安田 亮
4月20日


2026年のコーポレートガバナンス・コード改訂はいつ?CG報告書の提出タイミングと3月期企業の実務対応
おはようございます!代表の安田です。 金融庁は、コーポレートガバナンス・コード(CGコード)改訂に向けた有識者会議を開催し、2026年夏ごろの改訂を目途に検討を進めています。CGコードの改訂は、上場企業にとって「対応方針の見直し」だけでなく、コーポレート・ガバナンス報告書(CG報告書)の記載更新と提出タイミングに直結します。 特に多くの3月期決算企業は定時株主総会が6月開催となるため、改訂の施行開始時期と総会日程の組み合わせによっては、短期間での対応が求められる可能性があります。 本日は、過去改訂のスケジュール感を踏まえながら、2026年改訂の見通しと、CG報告書の提出期限に関する実務ポイントを整理します。 1. 2026年改訂のスケジュール感:過去の改訂では「6月施行」パターン 資料によると、過去2回の改訂では、概ね次の流れで進みました。 金融庁から改訂に向けた提言が公表 東証で改訂案の意見募集(パブリックコメント)が開始 6月頃に改訂CGコードの施行が開始 今回も同様の流れになるとすれば、「2026年夏ごろ改訂」=「6月施行前後」を意識した準
安田 亮
4月14日
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