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公認会計士試験の「バランス調整」

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 5 時間前
  • 読了時間: 2分

おはようございます!代表の安田です。


曜日なので内輪ネタ的なものを。

金融庁の公認会計士・監査審査会が公表した「公認会計士試験のバランス調整」について解説します。これは、会計士試験の合格者の資質や能力をより正確に評価するために行なわれる見直しです。


1. 背景

公認会計士試験は平成18年に現在の形式となり、20年近くが経過しました。この間に会計人材は増加しましたが、

  • 受験者数の増加

  • 試験の難易度や出題内容の偏り

  • 会計士に求められる知識・能力の多様化

といった課題が指摘されていました。特に、短答式試験(一次)と論文式試験(二次)の合格率や出題傾向にアンバランスが生じていたのです。


2. 見直しの主なポイント

(1) 合格率の調整

  • 短答式試験の合格者を増やし、論文式試験に進める受験者を拡大

  • 一方で、論文式試験の合格基準を「52% → 54%」に引き上げ➡ 結果として、論文式試験の合格率は 30%台後半 → 20%台後半 に低下する見込み。

(2) 短答式試験の改善

  • 財務会計論・管理会計論など計算問題がある科目で問題数を増加

  • 1問あたりの配点を小さくして、偶然の正解・不正解による合否への影響を軽減

  • 試験時間も調整し、受験者の実力をより適切に測定できる仕組みへ。

(3) 出題内容の見直し

  • 論文式試験では、十分な記述量を求める問題を導入

  • 選択科目(経営学・経済学・民法・統計学)の偏りを是正

  • 英語での出題や、サステナビリティ情報開示、IT活用に関する問題も検討。


3. 実務家にとっての意味

会計士試験の改革は受験者だけの問題ではありません。将来的に登録される会計士の質・能力に直結し、

  • 監査の品質確保

  • サステナビリティ報告やDX対応

  • 国際的な会計基準との整合性

といった点で、企業や投資家にとっても重要な動きです。


まとめ

  • 会計士試験は「短答式・論文式のバランス改善」が進められる

  • 論文式試験の合格率は厳しくなり、より応用力・思考力が重視される

  • 将来の会計士には、従来以上に多様で高度な能力が求められる



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