改正リース税制における借手側の法人税処理
- 安田 亮
- 3 日前
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おはようございます!代表の安田です。
令和7年3月に公布された税制改正法と、同年6月に発遣された改正法人税基本通達により、新リース会計基準を踏まえた法人税の取扱いが明らかになりました。今回は、借手側の処理に焦点を当てて整理します。
1. 上場企業等(新リース会計基準の適用対象)
<会計処理>
ファイナンス・リース(FL)とオペレーティング・リース(OL)を区分せず、すべてオンバランス処理。
BS:使用権資産とリース負債を計上
PL:減価償却費と利息相当額を計上
<法人税処理>
FLは「売買処理」
OLは「賃貸借処理」
その結果、OLでは会計上と法人税上の費用額が一致しないため、申告調整が必要になります。
2. 中小企業等(新リース会計基準の適用対象外)
中小企業については、中小企業会計指針・要領に大きな見直しはなく、従来どおりの処理が可能です。
<法人税処理>
FL:売買処理。ただし支出した費用は「償却費として損金経理した金額」に含まれる
OL:会計処理・法人税処理ともに「賃貸借処理」
このため、OLについては原則申告調整不要となります。
3. 実務上のポイント
上場企業
OLは申告調整が不可避。会計と税務の差異を把握して対応が必要
中小企業
FLの処理は「償却費に含める」扱いを確認
OLは会計・税務とも賃貸借処理でシンプル
まとめ
今回の改正は
上場企業は会計基準と税法の乖離を申告調整で対応
中小企業は従来の取扱いを基本的に維持
という整理となっています。企業規模や会計基準の適用有無によって取扱いが異なるため、各社の状況に応じた対応が必要です。
