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改正リース税制のFLとOLの取扱い

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 3 日前
  • 読了時間: 2分

おはようございます!代表の安田です。


2025年度の税制改正において、新リース会計基準を踏まえたリース税制の見直しが行われました。リース事業協会が解説を公表し、実務における整理が進められています。今回はその要点を税務の視点からご紹介します。


1. 会計と税務の基本的な位置づけ

新リース会計基準では、原則すべてのリース取引をオンバランス処理(使用権資産とリース債務の計上)することとなりました。一方、税務上は従来通り「ファイナンス・リース(FL)」と「オペレーティング・リース(OL)」に区分し、それぞれの取扱いが維持されています。


2. ファイナンス・リース(FL)の税務処理

  • 原則、申告調整は不要

    会計上の費用処理に基づき、そのまま損金算入が可能です

  • 残価保証の取扱い

    取得価額から控除せず、通常の減価償却を行う点が明確化されました


3. オペレーティング・リース(OL)の税務処理

  • 申告調整が必要

    会計上は使用権資産の減価償却費や利息相当額を計上しますが、税務上は認められません

  • 損金算入できるのは「債務が確定した支払リース料」

    新設された法人税法53条に基づき、実際に支払うリース料のうち確定債務分のみ損金算入可能です


4. 中小企業への影響

中小企業等で「中小会計要領」などを適用する場合は、従来通りFL/OLをオフバランスで処理することができ、基本的に今回の改正による影響は大きくありません。残価保証に関する点のみ注意が必要です。


5. 実務対応の留意点

  • リース契約が「会計上のリース」に該当するかの判定は重要

  • OLに該当する場合は、必ず申告調整の要否を確認する

  • 消費税や法人事業税への影響についても並行して検討が必要


今後、リース事業協会から実務的なQ&Aが公表される予定であり、最新情報のフォローが欠かせません。


まとめ

新リース会計基準に合わせた税制改正では、FLは申告調整不要、OLは申告調整が必要という整理が明確になりました。特に上場企業等では、会計と税務の差異が生じる場面が増えるため、実務では注意が必要です。

中小企業においては影響が限定的ですが、契約内容や残価保証の有無によっては対応が必要となるため、今後の取引においても確認を怠らないことが大切です。



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