新リース会計基準での貸手の処理
- 安田 亮
- 1 日前
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おはようございます!代表の安田です。
令和9年度(2027年度)から、新しいリース会計基準が強制適用されることとなりました。これにより、特に「貸手側」の会計処理に重要な変更が生じることになります。
今回は、新リース会計基準における貸手の会計処理について、押さえておくべきポイントをわかりやすく整理します。
■貸手の「第2法」は廃止へ
従来のリース会計基準では、貸手側のファイナンス・リース(FL)取引について「第2法」と呼ばれる処理方法が認められていました。この方法では、リース料の受取時に売上高と売上原価を計上し、実質的には「延払基準(割賦基準)」に沿った収益認識が行われていました。
しかし、新リース会計基準では、この第2法が廃止されることになりました。これにより、リース料全額を売上として計上する処理は認められなくなります。
■新基準における貸手の処理方法
新リース会計基準では、貸手のファイナンス・リースについて、以下の処理が求められます。
リース開始日に、原資産の現金購入価額でリース投資資産を計上
その後、利息相当額のみを各期に配分して収益計上
つまり、リース開始時に資産と債権を計上し、リース期間中は利息部分だけを段階的に益金計上していくイメージです。
この処理は、旧基準の「第3法」に近い内容となっています。
■法人税法上も「税会一致」対応へ
今回の会計基準変更に伴い、法人税法も対応を進めています。具体的には、「リース譲渡に係る収益及び費用の帰属事業年度の特例(法人税法63条)」が廃止され、会計上の処理と税務上の取り扱いが一致する運用になります。
つまり、会計上、利息相当額のみを益金に計上していれば、法人税でもその扱いが認められるということです。
この変更により、税務申告上の調整作業が減る反面、適切な会計処理を正確に行うことが一層重要になってきます。
■実務への影響と留意点
これまで第2法で処理していたリース会社等は、収益認識基準の見直しが必要
会計システムや申告ソフトの設定変更が必要となる可能性
税務上の特例適用がなくなるため、事前に会計方針の見直しと社内研修が推奨される
■まとめ
新リース会計基準は、貸手側にとって大きなインパクトをもたらす改正です。これまでの延払基準による収益認識が基本的に認められなくなるため、早めの準備と実務対応が鍵となります。

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