短期・少額リースの分割控除の可否
- 安田 亮
- 9月22日
- 読了時間: 2分
おはようございます!代表の安田です。
2027年4月から適用が始まる「新リース会計基準」は、リース取引の会計処理を大きく変えることとなります。
原則としてすべてのリースを貸借対照表に計上する必要がありますが、「短期リース」や「少額リース」については特例的に簡便処理が認められています。今回は、それに伴う消費税の仕入税額控除の扱いについてご紹介します。
1. 短期・少額リースの会計処理
短期リース:リース期間が12か月以内で、購入オプションを含まないもの
少額リース:重要性が乏しい300万円以下程度(その他の基準もあり)のリース
これらについては、新リース会計基準でも貸借対照表に計上せず、リース料を期間にわたり定額法で費用計上する簡便処理が認められています。
2. 消費税の仕入税額控除の考え方
原則、ファイナンス・リースは「資産の引渡し」とみなされ、契約時に一括して仕入税額控除を行ないます。しかし、会計処理を「賃貸借処理」としている場合には、支払の都度、分割して控除を適用することも可能です(消基通11-3-2)。
新基準では資産計上が原則となり、大企業においては基本的に分割控除は認められません。ただ、短期リースや少額リースは賃貸借処理ではないものの、定額法においても基本的にはリース料の支払に応じてリース料として経理処理することになるため、分割控除が認められる点が特徴です。
3. 実務への影響
大企業でも例外的に分割控除が可能
通常は一括控除のみが認められる大企業でも、短期・少額リースについては支払ベースの分割控除が可能となります
キャッシュ・フロー管理への効果
一括控除と分割控除では、控除時期が異なるため資金繰りに影響する可能性があります
会計と税務の整合性
会計上は定額法で費用処理する一方、税務上は分割控除を認める運用であるため、処理方針を明確にしておくことが重要です。
まとめ
新リース会計基準では、原則として大企業はリース資産を計上し、一括控除となる
ただし、短期リース・少額リースは例外的に分割控除が可能
実務では、会計方針と消費税処理を整理し、キャッシュ・フローや税務申告への影響を見極めることが求められます
当事務所では、新リース会計基準への対応や消費税実務に関するサポートを行なっています。短期・少額リースの税務処理に関して不安のある企業様は、ぜひご相談ください。

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