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【2026年3月期】GM課税(グローバル・ミニマム課税)と税効果会計の実務|引き続き「影響を反映しない」取扱いが継続
おはようございます!代表の安田です。 グローバル・ミニマム課税(GM課税、いわゆるPillar Two)は、国際的な合意に基づき導入が進む新しい国際課税ルールです。 日本でも制度の見直しが続いており、令和8(2026)年度税制改正では、各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税(IIR)などの見直しや、新たな適用免除基準の創設などが予定されています。 一方で、決算実務(税効果会計)で多くの企業が気にするのは、「GM課税の影響を繰延税金資産・負債に反映すべきか?」という点です。結論から言うと、2026年3月期決算でも、GM課税の影響を税効果会計に反映しない取扱いが継続する整理になります。 本日は、その根拠と、今後の見通しを公認会計士の視点で整理します。 1. GM課税の見直しは続くが、税効果の扱いは「実務対応報告第44号」が軸 GM課税制度に係る税効果会計の取扱いについては、実務対応報告第44号「グローバル・ミニマム課税制度に係る税効果会計の適用に関する取扱い」が適用されます。 この実務対応報告では、税効果会計の適用にあたり、通常の税効果適用指針
安田 亮
4月20日


2026年のコーポレートガバナンス・コード改訂はいつ?CG報告書の提出タイミングと3月期企業の実務対応
おはようございます!代表の安田です。 金融庁は、コーポレートガバナンス・コード(CGコード)改訂に向けた有識者会議を開催し、2026年夏ごろの改訂を目途に検討を進めています。CGコードの改訂は、上場企業にとって「対応方針の見直し」だけでなく、コーポレート・ガバナンス報告書(CG報告書)の記載更新と提出タイミングに直結します。 特に多くの3月期決算企業は定時株主総会が6月開催となるため、改訂の施行開始時期と総会日程の組み合わせによっては、短期間での対応が求められる可能性があります。 本日は、過去改訂のスケジュール感を踏まえながら、2026年改訂の見通しと、CG報告書の提出期限に関する実務ポイントを整理します。 1. 2026年改訂のスケジュール感:過去の改訂では「6月施行」パターン 資料によると、過去2回の改訂では、概ね次の流れで進みました。 金融庁から改訂に向けた提言が公表 東証で改訂案の意見募集(パブリックコメント)が開始 6月頃に改訂CGコードの施行が開始 今回も同様の流れになるとすれば、「2026年夏ごろ改訂」=「6月施行前後」を意識した準
安田 亮
4月14日


ASBJ公開草案第94号「法人税等」基準見直しのポイント|住民税(均等割)の表示変更と税制改正への機動対応
おはようございます!代表の安田です。 企業会計基準委員会(ASBJ)は、2026年1月9日に、公開草案第94号「法人税等に関する会計基準(案)」等を公表し、2026年3月9日までコメントを募集しています。今回の見直しは、税制改正のたびに「基準を都度改正する」運用から一歩進め、適用対象となる税金の“定義”を原則化して機動的に対応しやすくすることが中心テーマです。 一方で、実務的に影響が出やすい論点として、住民税(均等割)の損益計算書、キャッシュ・フロー計算書での表示区分変更なども提案されています。 本日は、企業の決算・開示実務に関わるポイントを整理します。 1. なぜ今、法人税等の会計基準を見直すのか? 現行の基準は、法人税・地方法人税・住民税・事業税など、具体的な税目を列挙し、その税法を参照する形で適用対象を特定してきました。結果として、新税創設などのたびに個別追加の改正が必要になり、税制改正から適用までの期間が短い場合に実務負荷が高くなりやすい、という課題がありました。 防衛特別法人税のような新たな税の創設も背景に、ASBJは「都度改正」ではな
安田 亮
4月6日


のれんは「非償却」へ向かうのか?FASFがパブコメ実施へ|M&A実務と財務指標への影響を整理
おはようございます!代表の安田です。 企業のM&Aが増える中で、「のれんの会計処理」は日本企業の財務指標や投資判断に大きな影響を与えるテーマです。 財務会計基準機構(FASF)の企業会計基準諮問会議では、「のれんの非償却の導入」および「のれん償却費の計上区分の変更」について、今後の進め方としてパブリックコメント(意見募集)を実施する提案がなされ、委員も賛同したとされています。 本日は、検討の背景、論点の整理(償却維持 vs 非償却導入)、今後の進め方、そして企業側が備えるべき実務ポイントをわかりやすく解説します。 1. なぜ今「のれん非償却」が議論になるのか(スタートアップM&Aと償却負担) 資料によれば、のれん非償却の導入等は、のれん償却費がスタートアップM&Aを阻害しているといった問題意識から提案された経緯があります。M&A後の損益に償却費が乗ることで、営業利益等の見え方が変わり、投資判断や経営評価に影響する—というのは、実務でもよく論点になります。 2. ここまでの整理:償却維持が有力という見方と、非償却導入の意味 当日の事務局整理として、
安田 亮
4月1日


JPX総研「JPXスタートアップ急成長100指数」算出開始|選定基準・特徴・グロース企業への影響
おはようございます!代表の安田です。 JPX総研は、成長を実現しているスタートアップ企業を対象とする「JPXスタートアップ急成長100指数」の算出開始を公表しました。2026年3月9日から配信を開始するとしています。この指数の活用を通じて、投資と成長の好循環を目指す狙いが示されています。 本日は、指数の概要、採用銘柄の選定基準、既存指数との違い、そしてグロース市場の今後(上場維持基準の厳格化)との関係を整理します。 1. 「JPXスタートアップ急成長100指数」とは? 本指数は、高い成長を続けるスタートアップ企業100社を選定し、そのパフォーマンスを示す指数です。構成は、グロース市場銘柄およびグロース市場からの市場変更銘柄で構成されています。 2. 選定基準のポイント:成長率×時価総額上位100 採用銘柄は、次の「成長」条件のいずれかを満たす銘柄群から、基準日の月間時価総額上位100銘柄を採用する仕組みです。 売上高成長率:前期比20%以上 時価総額成長率:1年前比または半年前比で倍増 つまり、「成長している」だけでなく、一定の市場規模(時価総額
安田 亮
3月28日


監査人の懲戒処分と「公表」のポイント|企業側が押さえるべき実務的な影響
おはようございます!代表の安田です。 上場企業を中心に、監査の信頼性が市場から強く問われる局面が増えています。 監査品質に疑義が生じたとき、監査人(公認会計士・監査法人)側には、日本公認会計士協会(JICPA)の規律の枠組みに基づいて、懲戒処分が科される可能性があります。さらに近年は、一定の場合に一般向けへ公表される仕組みが整備され、企業側にもレピュテーション面・監査継続面での影響が及び得ます。 本日は、「監査人の懲戒処分とは何か」「処分の種類と影響」「なぜ公表が強化されたのか」「企業が実務で備えるポイント」を、独立公認会計士の視点で整理します。 1. 監査人の懲戒処分が検討される流れ 監査に関する問題が表面化した場合、日本公認会計士協会の審査機関において、監査業務に会則上の問題(禁止行為など)があったかどうかが検討されます。そこで問題が認定されると、次の審査段階に進み、結論次第では懲戒処分が行われる可能性があります。 ここで重要なのは、必ずしも「故意(わざと)」とまでは認定されないケースでも、注意義務を十分に果たさずに意見表明したと評価されれば
安田 亮
3月27日


適時開示の英文開示が急拡大|プライムは96.8%到達、実務で押さえる同時開示と翻訳体制
おはようございます!代表の安田です。 東京証券取引所が公表した「英文開示実施状況調査集計レポート(2025年12月末時点)」によると、英文開示の実施率が大きく伸び、とりわけ適時開示の英文開示が急増しています。プライム市場では、英文開示義務化の影響が顕著で、英文開示の実施がほぼ定着した状況がうかがえます。 本日は、最新データのポイントと、上場企業(特にプライム)で実務的に重要となる「同時開示」「全文/抜粋」の選択、そして翻訳・開示体制の整え方を整理します。 1. 英文開示の実施率:全市場61.5%、プライムは99.8%に 調査による英文開示実施率(対象書類のいずれかを英文開示した会社の割合)は、全市場で61.5%、プライム上場会社に限ると99.8%に達しています(全市場の回答率は90.2%、プライムは全社回答とされています)。 2. 特に伸びたのは「適時開示」:プライムで96.8%(前年差+37.6pt) 英文開示実施率を資料別に見ると、プライム市場の適時開示は96.8%で、前年から+37.6ポイントと大幅増です。一方、スタンダード・グロースはどの
安田 亮
3月26日


TOKYO PRO Market(TPM)とJ-Adviser制度とは?上場支援の仕組み・特徴・今後の見通し
おはようございます!代表の安田です。 近年、TOKYO PRO Market(TPM)への上場会社数は増加傾向にあります。TPMは「プロ投資家向け市場」を前提にした制度設計のため、一般市場とは異なる特徴を持ち、上場審査や上場後のフォローを担うJ-Adviser(ジェイ・アドバイザー)制度が大きな役割を果たします。 本日は、TPMの基本、J-Adviserの役割、関与するプレイヤー、そして今後企業がTPMを選択する可能性が高まる背景を、会計・開示実務の観点も交えて解説します。 1. TOKYO PRO Market(TPM)とは?一般市場との違い TPMは、プロ投資家向けであることを前提としており、上場基準に形式要件が設けられていないなど、柔軟な制度設計になっています。一般市場(プライム/スタンダード/グロース)に比べると、上場の入り口は柔軟である一方、投資家層が限定される点や、制度の理解・運用面での専門性が求められる点が特徴です。 2. J-Adviser制度の核心:上場審査を「J-Adviser」が担う TPMの大きな特徴は、一般市場で主幹事証
安田 亮
3月23日


ニデック第三者委報告で「多数の会計不正」を認定
おはようございます!代表の安田です。 上場企業における会計不正は、単発のミスではなく、複数拠点・複数科目に連鎖する形で発生することがあります。2026年3月、ニデックが第三者委員会の調査報告書を公表し、グループの多岐にわたる拠点で多数の会計不正が確認された旨が報じられました。 本日は、報告書で示された論点を踏まえながら、「なぜ不正が起きるのか」、そして企業が今すぐ取り組める再発防止(内部統制・ガバナンス・監査対応)の観点を、公認会計士の立場から整理します。 1. どんな会計不正が起きたのか:棚卸資産・減損・引当金・費用の資産計上など多岐 内容からは、会計不正が特定の論点に限られず、幅広い勘定科目に及んでいたことがうかがえます。具体例として、次のような類型が挙げられています。 棚卸資産:資産性に乏しい原材料・製品等について、評価損を計上しないなど 固定資産の減損:実現可能性の低い売上計画等を前提に減損を回避するなど 引当金:子会社で計上した引当金を連結で不適切に戻し入れるなど 費用の先送り:本来費用処理すべき人件費を付随費用として固定資産に含めるな
安田 亮
3月21日


ASBJが「防衛特別法人税」の実務対応報告を公表|会計処理は地方法人税と同様、税効果・グループ通算の実務ポイント
おはようございます!代表の安田です。 企業会計基準委員会(ASBJ)は、実務対応報告第48号「防衛特別法人税の会計処理及び開示に関する当面の取扱い」を公表しました。適用時期は、2026年4月1日以後開始事業年度(連結会計年度)の期首からとされています。 防衛特別法人税は、法人税額から基礎控除額を控除した額を課税標準とする仕組みで、法人税に対する付加税という性質を持つ点で地方法人税と共通します。 これを踏まえ、会計処理・表示・税効果会計は、原則として地方法人税と同様に取り扱う整理となっています。 本日は、決算・申告・開示の実務に関わるポイントを整理します。 1. 防衛特別法人税の会計処理:基本は「法人税等会計基準」に従う ASBJの実務対応報告では、防衛特別法人税の会計処理と表示は地方法人税と同様に行ない、「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(法人税等会計基準)に従うとされています。 2. 税効果会計:繰延税金の税率・法定実効税率にも反映 防衛特別法人税は付加税の性質があるため、繰延税金資産・繰延税金負債の計算に用いる税率についても、地方
安田 亮
3月20日


JICPAが「登録上場会社等監査人」の体制整備へPT設置|監査法人の人的要件見直しと中小監査法人支援の動き
おはようございます!代表の安田です。 日本公認会計士協会(JICPA)は、上場会社の監査を担う登録上場会社等監査人について、体制整備を検討するプロジェクトチーム(PT)を設置したと公表しました。今後、2027年2月までに要綱案をまとめ、同年7月の総会決定を目指す方針が示されています。 今回の動きは、上場監査の信頼性確保の観点から、監査法人の人的体制(量・質)を含む要件見直しにつながる可能性があり、企業側(監査役等・経理・IR)にも影響が及び得ます。 本日は、発表内容と実務上の注目点を整理します。 1. 登録上場会社等監査人制度と「人的要件(最低人数)」の位置づけ 上場会社の監査を行うには、上場会社等監査人名簿への登録が必要で、監査法人の場合、公認会計士である社員の最低人数は「5人」と規定されています。 JICPAは、会計不正事例等を踏まえ、この「最低人数」の引き上げなど、自主規制の整備を行う方針を既に公表しており、今回のPT設置は、その具体化に向けた検討を進めるものと整理できます。 2. 今後の検討の方向性:「質」と「量」両面で要件を議論...
安田 亮
3月16日


JICPAが「一体書類」向け監査報告書ガイダンス案を公表|有報×事業報告等の一本化に備える監査実務の要点
おはようございます!代表の安田です。 日本公認会計士協会(JICPA)は、事業報告等と有価証券報告書の一体書類に含まれる財務諸表等に対する監査報告書について、監査基準報告書700の実務ガイダンス案(2026年版)を公表し、2026年3月17日まで意見募集を行なっています。 法制審議会では、有報と事業報告等の一体化に賛成意見が多数とされ、今後、上場会社が一体書類を作成する可能性が高まっている状況です。こうした流れを踏まえ、現行法制度の下での監査報告書の文例を改めて検討し、より実務的なガイダンスとして整理したものと位置づけられています。 1. 「一体書類」とは?なぜ監査報告書の整理が必要になるのか 一体書類とは、会社法の事業報告等と、金融商品取引法の有価証券報告書を、実務上一つのパッケージとして取りまとめる形態を指します(制度改正の方向性として議論が進行中)。 このとき問題になるのが、「どの財務諸表等に対して、どの監査報告書を、どの表現で付すのか」という点です。書類の見た目が一体化すると、利用者(投資家等)から見ても監査の対象範囲が分かりにくくなり得
安田 亮
3月15日


「継続企業」の判断が変わります
おはようございます!代表の安田です。 日本公認会計士協会(JICPA)は、監査基準報告書570「継続企業」に関する改正案(公開草案)を公表しました。 今回の改正は、国際監査基準(ISA570)の改正を踏まえたもので、2027年4月1日以後開始事業年度の監査から適用予定、すなわち 2028年3月期決算企業の監査から本格適用されます。 継続企業は「監査人だけの論点」ではなく、経営者の評価プロセスや開示内容に大きく影響する改正です。本記事では、企業側が特に注意すべきポイントを解説します。 1.改正の背景:国際基準との整合 今回の改正は、国際監査・保証基準審議会(IAASB)が改正したISA570「Going Concern」への対応が背景となっています。 近年、 経済環境の不透明化 企業倒産リスクの高まり 利用者(投資家等)からの説明責任の強化 を受け、継続企業の前提に関する情報の透明性向上が国際的に求められていました。 2.改正ポイント①:継続企業の「評価開始日」が変更 ● 現行 評価開始日:期末日の翌日 評価期間:そこから 少なくとも12か月 ●
安田 亮
2月25日


連結グループにおける「リースの識別」の進め方
おはようございます!代表の安田です。 新リース会計基準の適用に向けて、多くの企業で進められているのが「契約がリースを含むかどうかの識別(リース識別)」です。 リース識別は、オンバランスされる使用権資産・リース負債の金額に直結するため、会計上・監査上ともに極めて重要なプロセスと位置づけられています。 特に、連結決算を行なう企業では、「親会社・子会社を含めて、どのようにリース識別を進めるか」が大きな実務課題となっています。 1.新リース会計基準における「リース識別」の基本 新リース会計基準では、契約締結時に、その契約がリースを含むか否かを判断します。 判断の軸は、次の2点です。 ① 特定された資産があるか 明示的に特定されている または、暗黙的に特定されている ② その資産の使用を支配する権利が移転しているか 使用方法を決定する権利を有しているか 使用から得られる経済的利益のほぼすべてを享受しているか これらを満たす場合、その契約は 「リースを含む契約」 と判定されます。 実務では、新リース会計基準の適用指針に示されているフローチャートに沿って判断す
安田 亮
2月22日


のれんは「非償却」へ向かうのか
おはようございます!代表の安田です。 企業会計基準委員会(ASBJ)は2026年1月20日、第7回「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」に関する公聴会を実施しました。公聴会は、のれんの非償却導入等により会計基準として改善が見込まれるかについて関係者の意見を聴取し、企業会計基準諮問会議に報告することを目的としています。 本日は、公認会計士の視点から、当該公聴会で示された考え方を踏まえ、「のれん非償却」論点の現在地と、企業実務での影響・準備ポイントを整理します。 1. 何が議論されているのか:のれん「非償却」+「償却費の表示区分」 日本基準では、のれんは原則として一定期間で規則的に償却します。一方、IFRSでは原則として非償却(減損テスト)という考え方が採用されており、国際的な整合性や企業価値の表現のあり方を背景に、日本でも見直し議論が続いています。 今回の公聴会テーマは大きく2つです。 のれん非償却の導入(減損中心のモデルへの転換の可否) のれん償却費の計上区分の変更(販管費のままか、別掲か、あるいはKPI表示か) 2....
安田 亮
2月15日


JICPAが「登録上場会社等監査人」の必要人数引上げを検討
おはようございます!代表の安田です。 日本公認会計士協会(JICPA)は2026年1月26日、AI開発企業オルツ等の会計不正事例を踏まえ、上場会社監査の信頼性向上に向けた取組方針を公表しました。自主規制機関として、登録上場会社等監査人へのモニタリングを強化し、監査品質の底上げを図る方針です。 本記事では、会計事務所に所属する公認会計士の視点から、今回の方針の要点と、監査法人・上場準備企業にとっての実務的な影響を整理します(文章・構成はオリジナルで、転載ではありません)。 1. 何が起きた?JICPAが「上場会社監査の信頼性向上策」を公表 JICPAは一連の会計不正問題を受け、登録上場会社等監査人に対するモニタリングを強化する方針を示しました。中長期的には、上場会社監査を担う登録上場会社等監査人に必要な公認会計士の最低人数を現状の「5人」から引き上げる方向性も打ち出しています。 ここでいう「5人」は、公認会計士法施行令に定める監査法人の要件(登録上場会社等監査人名簿への登録の前提)として実務上意識されてきたラインです。今回のポイントは、法令要件とは
安田 亮
2月10日


AI・暗号資産ビジネスの監査は"いつも通り"が通用しない
おはようございます!代表の安田です。 AIや暗号資産(ブロックチェーン)を活用したビジネスは、収益の稼ぎ方・取引証跡・管理主体が従来型と異なり、監査の難易度が一気に上がります。 こうした状況を受けて、日本公認会計士協会(JICPA)は、AI開発企業の会計不正問題等を背景に、2026年度からAI・暗号資産関連の被監査会社を持つ監査法人へのモニタリングを強化する方針を示しました。 本日は、公認会計士の立場から、企業側が“監査を受け切る”ために整えるべきポイントを解説します。 1. 何が公表された?「専門性ある監査チーム」が求められる JICPAは、登録上場会社等監査人に対して、上場会社等の属性に応じて監査証明業務について十分な知識・経験を有する公認会計士を関与させる体制整備を求めるとしています。 AI・暗号資産などの新技術を用いるビジネスでは、従来の監査で培った知識や経験をそのまま使えず、有効な監査手続の計画・実施ができないおそれがあるとも指摘されています。 さらに、昨年の適時開示でも、暗号資産事業に参入した上場会社で、監査人が専門知識不足等を理由に
安田 亮
2月6日


経理業務での生成AIの使い方
おはようございます!代表の安田です。 近年、ChatGPT等の生成AIが急速に普及し、経理・財務の現場でも活用が進みつつあります。本日は、経理・税務領域での生成AIの実務的な活用イメージと、公認会計士・税理士の立場から見た留意点を整理します。 経理業務での主な活用シーン 日常業務から専門的な論点まで、幅広い活用方法が考えられます。 <日常的な文書作成・整理> メール文章の作成・校正 会議の議事録作成 社内資料・社内周知文のたたき台作成 まずは「文章作成アシスタント」としての利用が一般的でしょう。 <経理・税務の専門領域> 経理特有の活用としては、次のような活用方法が考えられます。 会計基準・税法の条文や考え方の確認 資本的支出か修繕費かの判定にあたっての論点整理 契約書を読み込ませて、印紙税の要否を一次判断させる 監査法人に質問する前の「壁打ち」として論点を整理する さらに、より詳細な部分で言うと、以下のような活用方法も考えられます。 Excel 関数の提案 収入印紙の一次判断 NotebookLM等に社内ルールを読み込ませ、社内規程の「辞書」と
安田 亮
2月5日


ASBJが「後発事象に関する会計基準」を公表
おはようございます!代表の安田です。 企業会計基準委員会(ASBJ)は、2026年1月9日に企業会計基準第41号「後発事象に関する会計基準」等を公表しました。 従来は監査基準報告書560実務指針で扱われていた後発事象の会計面の取扱いを見直し、独立した会計基準として位置付けたものです。適用開始は2027年4月1日以後開始事業年度の期首からとされています。 本日は、新しい後発事象会計基準のポイントと、企業の実務上の対応について、公認会計士の立場から解説します。 1. 後発事象の定義と「評価期間の末日」 新基準では、後発事象を次のように定義しています。 決算日後に発生した事象のうち、企業の財政状態・経営成績・キャッシュ・フローに影響を及ぼし、評価期間の末日までに発生した事象 ここで重要なのが、評価期間の末日=後発事象を評価する最終日が、原則として「財務諸表の公表の承認日」とされた点です。 従来は、監査報告書日を基準とする整理が一般的でしたが、今回の基準ではIFRSと同様に「財務諸表を公表することを会社として最終決定した日」を基準にする考え方へと見直され
安田 亮
2月3日


上場審査で「内部通報体制」がこれまで以上に重視されます
おはようございます!代表の安田です。 東京証券取引所は2025年12月、AI開発企業における会計不正問題を受け、上場審査における再発防止策を公表しました。 その中でも、IPO準備企業にとって特に影響が大きいのが、「内部通報体制(内部通報制度)の適切な整備・運用状況の審査強化」です。 これまでも内部通報制度は確認項目とされてきましたが、今後は 形式的な整備にとどまらず、「実効性」まで踏み込んで審査される点が大きなポイントとなります。 ■内部通報体制は「全ての上場申請会社」が対象 今回示された再発防止策では、内部通報体制の審査について、 スタートアップか否か 企業規模 公益通報者保護法の義務対象かどうか にかかわらず、すべての上場申請会社に適用する方向とされています。 公益通報者保護法では、従業員300人超の企業に体制整備義務がありますが、上場審査では 法令上の義務の有無とは別次元で評価される点に注意が必要です。 ■これまでも確認されていた基本項目 現在の上場審査でも、内部通報体制については、主に次の点が確認されています。 社内窓口・社外窓口が設置さ
安田 亮
1月31日
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