中小企業のリース取引、分割控除は今後も可能
- 安田 亮
- 4月24日
- 読了時間: 2分
おはようございます!代表の安田です。
2025年4月から適用が開始された新リース会計基準では、借手がすべてのリース契約について「使用権資産」と「リース負債」を認識することが原則となりました。しかし、中小企業(非上場企業)においては、従来の「賃貸借処理」による消費税の分割控除が引き続き可能とされています。
今回は、所有権移転外リースにおける仕入税額控除の実務取扱いについて、会計基準との関係を整理してご紹介します。
■所有権移転外リースとは?
ファイナンス・リース取引には、以下の2類型があります:
区分 | 内容 | 税務上の取扱い |
所有権移転リース | リース満了時に資産の所有権が借手に移る | 一括控除 |
所有権移転外リース | 所有権は移転せず、貸借契約として継続 | 中小企業は分割控除可(賃貸借処理時) |
■中小企業が賃貸借処理している場合のポイント
新リース基準の適用を受けない非上場の中小企業であれば、これまでどおり「賃貸借処理」が認められます。
この場合、リース料の支払いに応じて仕入税額控除(=分割控除)を行なうことができます。
会計処理が変更されていない限り、従来の税務処理を継続適用可能です。
■一括控除となる場合との違い
リース形態 | 会計処理 | 消費税控除 |
所有権移転リース | 売買処理(リース資産計上) | 一括控除 |
所有権移転外リース(大企業) | 使用権資産計上(新基準適用) | 一括控除 |
所有権移転外リース(中小企業) | 賃貸借処理 | 分割控除 |
なお、オペレーティング・リースについても引き続き分割控除の対象となります。
【まとめ】
新リース会計基準の導入により会計処理が見直される一方、非上場中小企業が行なう所有権移転外リースについては、引き続き賃貸借処理に基づく分割控除が認められます。
制度改正の流れにとらわれすぎず、自社の会計方針と税務処理の整合性を保つことが、正確な申告・納税に繋がります。

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