出向先法人の退職給与負担金
- 安田 亮
- 3月21日
- 読了時間: 2分
おはようございます!代表の安田です。
出向先法人が負担する退職給与とは?
企業間の出向制度では、出向元法人(元の勤務先)に代わり、出向先法人(新たな勤務先)が出向者の退職給与の一部を負担するケースがあります。この負担金は、出向期間に応じて合理的に計算され、事前に取り決められた区分に基づいて支払われることが一般的です。
法人税法上の取り扱い
法人税法では、出向先法人が負担する退職給与の額は、出向者の出向期間に対応する額として合理的に計算されていれば、出向先法人の損金に算入できるとされています。具体的には、定期的に支出される退職給与負担金は、出向先法人が支出した事業年度で損金算入されます(法人税基本通達9-2-48)。
地方税法上の取り扱い
地方税法では、外形標準課税の付加価値割の基礎となる「報酬給与額」に、この退職給与負担金を含めることはできません。これは、形式的な支払者(通常は出向元法人)が退職給与の支払いを行うため、出向先法人の報酬給与額としては認められないためです。
法人税と地方税の違いに注意
法人税と地方税では、出向先法人の退職給与負担金の取り扱いが異なる点に留意が必要です。法人税では損金算入が可能ですが、地方税では報酬給与額には含まれません。そのため、企業は税務処理の際に、これらの違いを正しく認識し、適切な対応を行なう必要があります。
まとめ
出向制度を利用する企業にとって、出向先法人の退職給与負担金は、法人税と地方税で異なる扱いを受けるため、慎重な対応が求められます。特に、損金算入の適用条件や地方税の取り扱いについて、適切な確認と準備が必要です。

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