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第1回:資金繰りとは?

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 7月21日
  • 読了時間: 3分

おはようございます!代表の安田です。

今週は資金繰りについてのシリーズとなります。月~金までの5回の連載記事となります。


中小企業の経営において、「資金繰り」は売上や利益と同じくらい、あるいはそれ以上に重要です。事業が黒字でも倒産してしまう「黒字倒産」は、まさに資金繰りの失敗によって起こるもの。資金繰りとは、企業の現金の流れ、すなわち「キャッシュ・フロー」を管理し、必要なときに必要な資金を確保することを指します。


資金繰りが悪化する主な原因

資金繰りが悪化する背景にはさまざまな要因があります。

  • 売掛金の回収遅延

  • 仕入や人件費など固定支出の増大

  • 設備投資や在庫過多

  • 税金や借入返済の集中

資金繰りがひっ迫すると、社員への給与支払いや仕入先への支払いが滞り、信用の低下につながります。それを防ぐには、早めにキャッシュ・フローを「見える化」し、資金繰りを日々管理することが必要です。


資金繰り表の作成と活用

資金繰り表は、一定期間(通常は月単位)の入金・出金予定を一覧にした表です。たとえば

  • 入金:売掛金の回収、融資、補助金

  • 出金:仕入代金、人件費、家賃、税金、借入返済

この表を日常的に更新し、将来の資金不足を早期に察知できる体制を作りましょう。特に期末や納税時期、賞与支給月など、支出が集中しやすいタイミングには注意が必要です。

また、複数の資金繰りシナリオ(売上減少、入金遅延など)を想定した「資金繰り予測」も有効です。こうした予測をもとに、融資や支払猶予、支出の先送りなど柔軟な対策をとることが可能になります。


キャッシュ・フロー経営の視点

PL(損益計算書)だけでは見えない資金の流れを管理する「キャッシュ・フロー経営」が今後さらに重要になります。たとえば、売上が増加していても、仕入が増えて資金が先に出ていくことで一時的に資金が枯渇することもあります。これを防ぐには、常に「現金ベース」で経営を捉える意識が不可欠です。


近年では、クラウド会計ソフトを使って日々の資金繰り状況をリアルタイムで把握する企業も増えています。さらに、月次で試算表を確認しながら、直近3か月・6か月のキャッシュ・フローを予測・管理していく体制づくりが求められます。


まとめ:まずは資金繰りの可視化から

資金繰りを改善する第一歩は、「数字を可視化すること」です。現状の入金・支出を整理し、未来の資金需要を予測できるようになれば、事前の対応策が取れるようになります。

次回は、実際に資金繰りを改善するための代表的な方法である「融資」について、どのような種類があるのか、借入の際の注意点などを詳しく解説します。



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