令和7年分の路線価
- 5 日前
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おはようございます!代表の安田です。
2025年7月1日、国税庁より令和7年分の路線価が発表されました。今回の公表では、土地の評価額の目安となる路線価において、特に都市部での上昇傾向が顕著であるとともに、能登半島地震による特例的な対応も示されています。
■ そもそも「路線価」とは?
路線価とは、相続税や贈与税を計算する際に使われる土地の評価額の基準です。毎年1月1日時点の価格を基準に国税庁が定め、公表されます。具体的には、1平方メートルあたりの金額で示されており、土地の立地や商業性に応じて変動します。
■ 最高路線価は「銀座」で過去最高額を更新
令和7年分で最も高額だった路線価は、例年通り東京・銀座の「鳩居堂前」(中央区銀座5丁目)で、1㎡あたり4,808万円(前年比+8.7%)と、過去最高額を更新しました。
次いで大阪・梅田の「御堂筋角田町」(大阪市北区)が2,088万円(前年比+3.2%)で3年連続の上昇となりました。
■ 都道府県庁所在地では「35都市が上昇」
全国の都道府県庁所在地のうち、最高路線価が上昇したのは35都市。特に10%以上の上昇率を記録した都市が4つあり、次のような都市が挙げられています:
さいたま市(+11.9%)
千葉市(+11.2%)
京都市(+10.6%)
奈良市(+10.1%)
これらは、駅前再開発や観光需要、インバウンド需要などが背景にあると考えられます。
■ 標準住宅の評価基準額も全国平均で2.7%上昇
相続税のもう一つの基準である「標準住宅の評価基準額」も、全国平均で前年から+2.7%の上昇となり、4年連続で上昇しています。都道府県別でも、35道府県で上昇が確認されました。
■ 能登半島地震の影響と特例的な評価方法
能登半島地震の被災地域では、特定地域(例:輪島市、珠洲市、志賀町など7市町)の相続税評価にあたっては例外措置がとられています。
固定資産税評価額が未確定なため、令和5年度の評価額に基づく倍率方式を採用することとなりました。具体的には、評価倍率が通常「1.0〜1.1」とされるところ、輪島市名舟町などでは「0.8」とされるなど、地震被害の影響を反映しています。
■ 実務への影響と対応ポイント
相続税や贈与税の申告においては、今回公表された令和7年分の路線価を基に評価を行なうことになります。都市部に不動産をお持ちの方や、被災地域の土地を相続された方にとっては、税負担額に直接影響する可能性があります。
特に以下のような方は、専門家への相談をお勧めします。
地価が大きく変動した地域に土地を所有している方
評価額が相続税の課税限度額に近い方
被災地の土地に関して相続手続中の方
