令和8年度税制改正(地方税)のポイント
- 安田 亮
- 6 時間前
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おはようございます!代表の安田です。
令和8年度税制改正大綱の地方税分野では、個人住民税の控除等の見直しや、ふるさと納税(住民税の特例控除)の上限設定、固定資産税の免税点引上げなど、家計・不動産・中小事業者に影響しやすい改正が盛り込まれています。本日は、実務で押さえるべき要点を整理します。
1. 個人住民税:給与所得控除の最低保障額が引上げ(2年間はさらに上乗せ)
所得税側で基礎控除等を物価上昇に連動して見直す仕組みが創設されることに伴い、個人住民税でも給与所得控除の最低保障額が65万円 → 69万円へ引上げとなります。
さらに「三党合意」を踏まえた2年間の時限措置として、令和9年度分・令和10年度分に限り、最低保障額が74万円となる見込みです。
<非課税ライン(単身者イメージ)も上がる>
地方税独自の非課税限度額(単身者の例)として、
現行:基本額45万円+給与所得控除65万円=110万円
改正後:基本額45万円+給与所得控除69万円=114万円(2年間は119万円)
と整理されています。
<適用時期>令和9年度分以後の個人住民税です。
2. 扶養等の所得要件も引上げ(住民税側も連動)
給与所得控除の見直しに合わせ、同一生計配偶者・扶養親族の前年合計所得金額要件を58万円以下 → 62万円以下へ引上げる等の見直しも行なわれるとされています。
<実務のポイント(会社・給与担当向け)>
住民税は「翌年度課税」なので、制度変更が従業員の手取り感に反映されるタイミングがズレやすい領域です。扶養判定・各種控除申告の説明資料(社内FAQ)を更新しておくと、問合せ対応が楽になります。
3. ふるさと納税:特例控除額に“給与収入1億円相当の上限”を新設
地方税改正の中でもインパクトが大きいのが、ふるさと納税(住民税の特例控除)です。
改正では、特例控除額の控除限度額について、高所得者に“給与収入1億円相当の定額上限”を設ける内容が盛り込まれています。
記事では、控除限度額の見直しとして、特例控除額の上限が
個人住民税所得割額の2割または
道府県民税(指定都市は金額が異なる)+市町村民税の合計で193万円
のいずれか低い金額、という枠組みが示されています。
<適用時期>令和10年度分以後の個人住民税です。
4. 固定資産税:免税点(家屋・償却資産)を引上げ、土地は据置き
固定資産税の免税点について、次の引上げが予定されています。
家屋:20万円 → 30万円
償却資産:150万円 → 180万円
土地:30万円のまま据置き(平成3年比で地価が下落していること等を踏まえる)
<適用時期>
令和9年度分以後の固定資産税です。
<実務のポイント(中小企業・個人事業者向け)>
少額の償却資産(備品・小規模設備)が多い事業者は、課税対象の判定や申告実務の負担が軽くなる可能性があります。一方で、免税点を跨ぐ場合は申告が必要なため、資産台帳の整備は引き続き重要です。
5. 新築住宅等の固定資産税特例:床面積要件を見直しつつ延長
新築住宅の固定資産税の減額措置について、床面積要件を
上限:280㎡以下 → 240㎡以下
下限:50㎡以上 → 40㎡以上
へ見直したうえで、適用期限を5年延長する方向です。
また、認定長期優良住宅の減額措置や、耐震改修等(バリアフリー・省エネ改修等)に係る減額措置についても、同様に床面積要件を見直しつつ、適用期限が5年延長されるとされています。
6. 道府県民税利子割:都道府県間で税収を調整する「清算制度」を導入
インターネット銀行等の利用拡大を背景に、金融機関が口座所在地の都道府県に納税する仕組みは維持しつつ、都道府県間で税収帰属を調整する清算制度を導入する、とされています。
また、清算後の利子割税収の6割を都道府県が市区町村に交付する、とされています。
<適用時期>
令和8年度分以後の利子割です。
まとめ:家計・不動産・中小事業者に効く“地味に大きい”改正
令和8年度改正(地方税)の主なポイントは次のとおりです。
住民税の給与所得控除の最低保障額:69万円(2年間は74万円)へ
ふるさと納税:高所得者の特例控除に給与収入1億円相当の上限を設定
固定資産税:家屋・償却資産の免税点を引上げ
住宅の固定資産税特例:床面積要件を見直しつつ延長
道府県民税利子割:清算制度の導入
当事務所では、改正を踏まえた
年末調整・住民税の説明資料(従業員向け)整備
ふるさと納税の節税効果の試算(高所得者の上限影響確認)
償却資産申告・固定資産税の実務相談
なども対応しています。気になる点があればご相談ください。



