top of page

取引先への債権放棄の消費税の取扱い

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 13 時間前
  • 読了時間: 2分

おはようございます!代表の安田です。


経営が厳しくなった取引先を支援する目的で、債権放棄を検討する際、見落としがちなのが「消費税の処理」です。


債権放棄と一口にいっても、その背景や目的によって消費税法上の取扱いは異なります。今回は、どのような場合に仕入税額控除や課税関係が発生するのか、税務の視点から整理してご紹介します。


■債権放棄の分類と消費税の取扱い

債権放棄の消費税処理は、大きく以下の3つの区分で異なります​。


①税務上の貸倒れに該当する場合

この場合、債権放棄は「回収不能」として認められ、対応する消費税額を控除できます(消費税法第39条)。これは、売上時に課税された消費税について、実質的に取引が無効になったと考えられるためです。


②税務上の寄附金に該当する場合

例えば、明確な見返りがなく、単に無償で債務を免除した場合などが該当します。この場合は「対価性がない」として課税関係は生じず、控除もできません。


③ ①・②以外(特別な事情がある場合)

子会社支援や災害時の復旧目的など、取引先の経営再建や業務継続を目的とした債務免除はこの区分に入ります。この場合、「売上に係る対価の返還等」とみなされ、課税標準額からその金額に相当する消費税を控除することが可能です(消費税法第38条)。


■債権の性質にも要注意

放棄する債権が「課税売上」に基づくものか、「不課税取引」に係るものかによっても処理は異なります。たとえば、貸付金などの不課税取引に伴う債権を放棄した場合には、そもそも消費税の課税関係が発生しませんので、処理も不要です。


■まとめ

債権放棄は、単なる帳簿上の損失ではなく、背景や目的によって消費税法上の扱いが大きく変わる取引です。支援目的であっても、その内容を明確に記録し、どの区分に該当するのかを適切に判断することが重要です。



神戸 税理士 確定申告 顧問契約 会社設立 freee

Comments


bottom of page