少額で始める不動産投資―分配金の税金はどうなる?
- 安田 亮
- 2025年12月17日
- 読了時間: 3分
おはようございます!代表の安田です。
本日は小口の不動産投資についての内容です。
1.少額から参加できる「不動産特定共同事業」とは
近年、1万円から投資できるような小口の不動産投資が注目を集めています。これは「不動産特定共同事業(以下、不特事業)」と呼ばれるスキームで、不動産会社(不特事業者)が投資家から出資を募り、その資金で不動産を取得・賃貸し、得られた賃貸利益や売却益を投資家に分配する仕組みです。
従来の不動産投資と異なり、実際に物件を所有せずに不動産の収益に参加できるのが魅力ですが、税務上の取扱いには注意が必要です。
2.契約のタイプによって所得区分が変わる
不特事業に出資した際の分配金は、契約の形態によって「所得区分」が異なります。主なタイプは次の2つです。
契約形態 | 所得区分 | 不動産の所有者 | 特徴 |
任意組合契約型 | 不動産所得 | 投資家(組合員) | 組合員が共同で不動産事業を行い、収益は組合員に直接帰属する |
匿名組合契約型 | 雑所得(原則) | 不特事業者 | 投資家は事業に出資するのみで、収益は不特事業者に帰属する |
<任意組合契約型:実質的に共同事業者>
任意組合型では、投資家が「共同事業者」として不動産取引に参加します。この場合、取得した不動産や賃貸収入は組合員に直接帰属するため、分配金は不動産所得として課税されます(所得税法第26条)。青色申告の対象にもなり得るため、経費計上や損益通算が可能となるケースがあります。
<匿名組合契約型:出資者としての位置づけ>
一方、匿名組合型では、不特事業者が事業主体となり、投資家は単に出資者として利益分配を受けます。このため、分配金は「事業から生じた利益の分配」ではなく「出資の対価」として扱われ、原則として雑所得に区分されます(所得税基本通達36・37共-21)。この場合は、損益通算ができない点に注意が必要です。
3.投資の判断と税務上のポイント
同じ「不動産クラウドファンディング」でも、税務上の取扱いは大きく異なります。契約書に「任意組合契約」または「匿名組合契約」と明記されているかを確認し、どの所得区分に該当するかを把握しておくことが重要です。
また、匿名組合契約型では、源泉徴収の対象となる場合もあり、実際の手取り額が想定より少なくなることもあります。投資前に「課税の仕組み」を理解しておくことが、後々のトラブル防止につながります。
まとめ
不特事業の分配金は、契約形態により「不動産所得」または「雑所得」に区分される
任意組合契約型 ⇒ 不動産所得(経費控除・損益通算が可能)
匿名組合契約型 ⇒ 雑所得(損益通算不可)
契約内容を確認し、確定申告時に正しく区分することが大切
税理士からのひとこと
不動産クラウドファンディングは手軽に始められる一方、税務上の扱いが複雑です。契約内容や分配金の計算方法によっては、申告方法が変わることもあります。実際の投資を検討されている方や、すでに分配を受けている方は、ぜひ一度ご相談ください。




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