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東証が「投資単位引下げ」の進捗を公表|望ましい水準は50万円未満、個人投資家は「10万円台」を重視

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 1 日前
  • 読了時間: 4分

おはようございます!代表の安田です。


東京証券取引所(東証)は、投資単位(通常は100株あたりの購入金額)の引下げに向けた上場会社の取組状況を公表しました。東証は、上場会社に対し望ましい投資単位として「50万円未満」という水準を明示し、この水準を上回る価格帯で売買されている場合、事業年度経過後3か月以内に投資単位引下げに関する考え方等の開示を義務付けています。


一方で、個人投資家の体感としてはさらに低い水準が望まれており、少額投資の在り方に関する議論では「10万円程度」という目線も示されています。


本日は、今回公表されたデータのポイントと、企業が実務対応する際の留意点(株式分割・開示・IR)を、公認会計士の視点で整理します。


1. 投資単位とは?なぜ引下げが求められるのか

投資単位は、一般に「100株を買うのに必要な金額」として捉えられます。投資単位が高いと、個人投資家が分散投資をしにくくなり、市場参加のハードルが上がります。

東証は、個人投資家が投資しやすい環境整備の一環として、投資単位の引下げを継続的に求めています。


2. 東証が示す「望ましい投資単位」は50万円未満

東証は、望ましい投資単位として「50万円未満」の水準を明示しています。そして、50万円以上で売買されている場合には、事業年度経過後3か月以内に、投資単位引下げに関する考え方などを開示することが義務とされています。

ここで重要なのは、単に「分割すればよい」ではなく、会社として

  • なぜ現状の投資単位なのか

  • 引下げるのか/引下げないのか

  • 引下げるなら、いつ・どうやるのか

といった説明責任(ディスクロージャー)が求められる点です。


3. 進捗データ:株式分割の決議は266社、約7割が10万円台以下へ

東証によると、昨年4月から今年2月末までに株式分割を決議した上場会社は266社で、そのうち約7割が投資単位を10万円台以下まで引き下げたとされています。


実務的には、投資単位の引下げ策として最も典型的なのが株式分割です。ただし分割は、単位引下げ以外にも、株主数の増加や流動性向上、株主優待設計などにも波及するため、総合的な判断が必要になります。


4. 国際比較:日本の投資単位はまだ高い(平均約24.5万円)

東証上場会社全体の投資単位の平均値は約24万5,000円で、米国(約3万7,000円)やフランス(約1万9,000円)と比べて高い水準とされています。


このギャップは、海外と比べて日本株が「少額で買いにくい」銘柄が多いことを意味し、個人投資家の参入促進という政策方向とも関係します。


5. 個人投資家の本音:「10万円台が望ましい」が最多

東証が昨年11月〜今年1月に実施した個人投資家約2万6,000人のアンケートでは、望ましい投資単位として「10万円台」を挙げた回答が28.4%で最多だったとされています。


企業側の示唆としては、「50万円未満」をクリアすれば形式面は整うものの、投資家層の拡大や売買参加のしやすさまで狙うなら、10万円台という水準感も意識したIR設計が有効になり得ます。


6. 企業実務のポイント:株式分割だけでなく「開示・社内意思決定」が重要

投資単位の引下げは、上場実務として次の論点を伴います。

  • 適時開示:分割の決議・基準日・効力発生日等の開示

  • 株主総会/取締役会手続:会社法・定款との整合

  • 株主名簿管理人・証券代行との調整:実務スケジュール

  • IR:引下げの目的(流動性、投資家層拡大等)と、中長期戦略との整合

  • 株主施策:優待・配当方針、株主管理コストへの影響


「投資単位が高い→とりあえず分割」ではなく、企業価値向上に資する説明になっているかを整えることが、今後より重要になります。


まとめ:東証方針は継続。50万円未満の対応と、10万円台を意識した投資家目線がカギ

東証は投資単位の引下げに向けた取組状況を公表し、望ましい投資単位として50万円未満を示した上で、一定の場合に方針開示を義務付けています。株式分割の決議企業は266社に上り、約7割が10万円台以下まで引下げた一方、日本全体の平均投資単位は海外に比べ高い水準です。個人投資家は10万円台を望む傾向も示されており、今後も引下げの流れは続くと見込まれます。


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