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法人税等会計基準が見直しへ

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 6 日前
  • 読了時間: 2分

おはようございます!代表の安田です。


企業会計基準委員会(ASBJ)は、2025年5月12日に開催された第93回税効果会計専門委員会において、「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(法人税等会計基準)」の見直しに向けた初の審議を実施しました。

これは、3月開催の第53回企業会計基準諮問会議で提起されたもので、すでにASBJは本件を新規開発テーマとして正式に採用しています。


■ 見直しの背景:会計基準の機動性と一貫性確保

現行の法人税等会計基準では、課税対象となる税金を個別に列挙するスタイルをとっており、新たな税制創設や廃止のたびに会計基準の改正が必要となっていました。

今後は、より原則的な定義に基づく形で基準を構築し、補足文書で具体的取扱いを明示する方式に移行することで、制度変更にも柔軟かつ機動的に対応できるようにする方針です。


■ 主な見直しの方向性:4つの基本方針

ASBJが示した基準見直しの方向性は以下の通りです。

  1. 原則的な定義の明示化 → 課税対象利益を基礎とする税金を法人税等会計基準の対象に

  2. 適用範囲の実質維持 → 現行の適用範囲を変更せずに制度再構築

  3. 個別の税金の具体的取扱いは補足文書で対応 → 会計基準本体ではなく補足資料で柔軟運用

  4. 改正不要で対応可能な枠組みづくり → 税制改正ごとに会計基準本体を改める必要がなくなる


■ 実務上の影響:住民税・事業税の扱いは?

原則的な定義(=課税対象利益を基礎とする税金)を採用する場合、

  • 住民税(均等割)

  • 事業税(付加価値割・資本割)

などの税目は法人税等会計基準の適用対象外となる可能性があります。このため、住民税や事業税については補足文書等で個別に取扱いを明記し、現行の実務に変更が生じないよう配慮される見込みです。


■ 関連基準の見直しも併せて進行中

法人税等会計基準の見直しに連動し、以下の関連基準も修正対象となります:

  • 企業会計基準適用指針第28号 → 設例や法定実効税率の記載見直し

  • 実務対応報告第42号 → グループ通算制度適用時の税目表記の修正

  • 適用指針第26号(繰延税金資産) → 列挙方式から原則方式への移行


■ まとめ:税効果会計実務に“柔軟性”を与える大改正

この見直しは、会計基準の堅牢性を維持しつつ、柔軟な実務対応を可能とする大きな転換点となりそうです。特に、税制改正のたびに基準を変更していた手間が省かれることは、企業にとっても税理士にとっても大きなメリットです。



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