消費税「2割特例」の適用漏れに注意
- 安田 亮
- 1 日前
- 読了時間: 4分
おはようございます!代表の安田です。
インボイス制度の導入に伴い、免税事業者からインボイス発行事業者へ移行した方を対象として設けられた消費税の「2割特例」。
この特例は、消費税の納税額を大きく抑えられる制度である一方、実務では「本来使えるのに適用していなかった」という適用漏れも少なくありません。
消費税申告は一度提出すると原則としてやり直しがきかないため、2割特例の適用可否は、申告前に必ず確認すべき重要ポイントです。
本記事では、2割特例の概要と、実際に多い「適用漏れ」の原因、注意点について税理士が分かりやすく解説します。
そもそも消費税の「2割特例」とは?
2割特例とは、インボイス制度の開始を契機として、免税事業者からインボイス発行事業者(課税事業者)になった事業者の負担を軽減するための経過措置です。
この特例を適用すると、消費税の納付税額を「売上に係る消費税額の2割」として計算することができ、簡便かつ有利な申告方法となるケースが多く見られます。
実務で意外と多い「2割特例の適用漏れ」
税務実務では、
2割特例を誤って適用してしまったケース
本来適用できるにもかかわらず、適用しなかったケース
の両方が見受けられますが、特に注意したいのが後者です。
よくある誤解①「過去に課税事業者だったことがあると使えない」
適用漏れの代表例として、「過去に一度でも課税事業者だった期間があると、2割特例は使えない」と誤解しているケースがあります。
2割特例は、「事業開始後、一度も課税事業者になったことがない小規模事業者」だけを対象とした制度ではありません。
インボイス制度をきっかけに免税事業者からインボイス発行事業者となった場合には、一定の要件を満たせば、過去に課税事業者だった期間があっても適用できる可能性があります。
2割特例を適用できない事業者とは?
2割特例を適用できない事業者は、端的にいうと次のようなケースです。
インボイス発行事業者でない者
インボイス制度と無関係に課税事業者となる者
基準期間の課税売上高が1,000万円超
資本金1,000万円以上の新設法人
高額特定資産等の取得により免税事業者とならない場合
課税期間の特例など、他の特例の適用を受ける者
これらに該当しなければ、原則として2割特例の適用が可能と考えられます。
適用できるかどうかの基本的な判断基準
例えば、令和7年分の課税期間については、
令和5年分の課税売上高
令和6年上半期の課税売上高
がいずれも1,000万円以下であれば、原則として2割特例を適用できることになります。
個人事業者は「課税売上高の判定方法」に注意
令和5年10月1日からインボイス発行事業者となった個人事業者については、課税売上高の判定を、インボイス登録前後で区分して計算する必要がある点にも注意が必要です。
この計算を誤ると、
実際は適用できるのに「対象外」と判断してしまう
逆に、誤って適用してしまう
といったリスクにつながります。
重要:2割特例は「後からやり直し」ができない
2割特例は、事業者が選択して適用する制度です。
そのため、申告後に「やはり2割特例を使いたい」と更正の請求によって適用することはできません。
この点は、適用漏れが起きた場合のダメージが大きいため、特に注意が必要です。
実務で気をつけたいポイントまとめ
2割特例については、
過去の課税事業者歴だけで判断しない
適用できないケースを正しく把握する
基準期間・特定期間の課税売上高を正確に計算する
申告前に必ず適用可否を再確認する
ことが重要です。
まとめ|2割特例は「使えるかどうか」の確認が最大のポイント
消費税の2割特例は、インボイス制度後の事業者にとって非常に有利な制度ですが、適用要件を誤解したまま申告してしまうと、取り返しがつかないケースもあります。
特に、
自分が対象になるか自信がない
過去の課税事業者歴が判断を難しくしている
初めて消費税申告を行う
といった場合には、申告前に税理士へ相談することで、適用漏れや申告ミスを防ぐことが可能です。
消費税申告や2割特例の適用についてお悩みの方は、ぜひ当事務所までお気軽にご相談ください。



