税制改正)いわゆる「年収の壁」は178万円へ
- 安田 亮
- 1月6日
- 読了時間: 3分
おはようございます!代表の安田です。
物価高の長期化や、いわゆる「三党合意」を背景として、令和8年度税制改正では 所得税を中心に大きな見直しが行なわれる予定です。
その中でも、個人や企業実務への影響が特に大きいのが、「年収の壁」の引上げです。
本記事では、税理士の立場から、改正の概要と実務上の注意点を分かりやすく整理します。
1.「年収の壁」引上げの背景
従来の所得税制度では、基礎控除や給与所得控除が定額であったため、物価上昇が続く中で 実質的な税負担が増加する という課題がありました。
これに対応するため、今回の改正では、
物価上昇に連動して控除額を見直す恒久的な仕組みの創設
足元の物価高に配慮した 中低所得者向けの時限措置
が講じられることとなっています。
2.改正のポイント①
基礎控除・給与所得控除の最低保障額が引上げ
まず、恒久措置として、
基礎控除
給与所得控除の最低保障額
が、それぞれ4万円引き上げられます。
これにより、給与所得者の課税最低限が底上げされ、特に低所得層の税負担が軽減される仕組みとなっています。
3.改正のポイント②
さらに、令和8年分・令和9年分の2年間の時限措置として、中低所得者に配慮した基礎控除の特例が設けられます。
この特例により、
給与所得者の課税最低限(いわゆる年収の壁)は103万円 → 178万円に引き上げ
られることになります。
これまで「年収を抑える働き方」を選択していた方にとっては、就業調整の考え方が大きく変わる可能性があります。
4.配偶者控除・扶養控除等への影響
今回の改正では、基礎控除の引上げに伴い、次のような人的控除の判定基準も見直されます。
配偶者控除・扶養控除
障害者控除
ひとり親控除
勤労学生控除 など
これらの控除について、合計所得金額の要件が一律に4万円引き上げられます。
例えば、
扶養親族や配偶者の「働き方」
年末調整・確定申告での判定
に影響が出るため、企業の給与計算実務や年末調整事務にも影響します。
5.実務で注意すべきポイント
● 企業(給与支払者)の視点
改正初年度(令和8年分)は 年末調整から適用
令和9年以降は 源泉徴収段階から反映
扶養控除等申告書の記載内容に変更が生じる可能性
→ 社内説明や従業員への周知が重要になります。
● 個人(従業員・個人事業者)の視点
「年収の壁」を前提にした働き方の見直し
扶養の判定や手取り額の変化に注意
住民税や社会保険との関係は別途検討が必要
税理士の視点:今後の注目点
今回の改正では、
基礎控除等を物価連動で定期的に見直す仕組みが導入されており
今後も2年ごとの見直しが予定されています。
そのため、
税負担
各種給付・助成制度
扶養・控除判定
が将来的に変動する前提 で制度設計されていく可能性があります。
まとめ
令和8年度税制改正による「年収の壁」の引上げは、
個人の働き方
企業の給与・年末調整実務
家計全体の税負担
に広く影響する重要な改正です。
当事務所では、
税制改正を踏まえた影響分析
年末調整・給与計算の実務対応
個人・法人を横断した税務アドバイス
を行なっています。
「自分(自社)にはどのような影響があるのか?」と気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。




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