税制改正)ふるさと納税の「控除上限」に定額キャップ
- 安田 亮
- 4 日前
- 読了時間: 3分
おはようございます!代表の安田です。
令和8年度税制改正では、ふるさと納税(寄附金税額控除)について、個人住民税の控除限度額が見直しされました。
これまでの制度では、所得が高いほど寄附可能額(自己負担2,000円で済む範囲)が大きくなる仕組みでしたが、今回の改正により、高所得者層を中心に控除額へ“定額の上限”が設けられることになります。
本記事では、改正内容と実務上の注意点を解説します。
1.改正の背景:公平性への配慮
ふるさと納税は、
所得税:所得控除
住民税:税額控除
という仕組みにより、一定の限度額内であれば、自己負担2,000円で寄附が可能とされてきました。しかし、
高所得者ほど控除限度額が大きい
高額な返礼品を受け取れる
制度の恩恵が一部の層に集中している
といった点が、税負担の公平性の観点から課題とされていました。
今回の改正は、こうした点を是正することを目的としています。⑦個人住民税における寄附金税額控除限度額(ふるさと納税)の見直し
2.改正のポイント
ふるさと納税による住民税の特例控除額について、道府県民税と市町村民税を合わせて「193万円」を上限とする仕組みが導入されます。
改正後の考え方(概要)
原則:住民税所得割額の20%
ただし:特例控除額は最大193万円まで
これにより、所得が一定水準を超える場合には、寄附額が増えても控除が頭打ちとなります。
3.どのような人に影響があるのか
改正の影響が出るのは、主に次のような方です。
給与収入が概ね1億円超の方
上場株式等の譲渡所得が大きい方
不動産譲渡などにより、住民税所得割額が高額となる方
一方で、
年収数千万円程度までの方
一般的な給与所得者・事業所得者
については、実質的な影響が生じないケースが大半と考えられます。
4.実務上の注意点①
改正後は、控除限度額(193万円)を超えて寄附を行なった場合、超過分については税金が軽減されず、自己負担が増加します。
従来のように「シミュレーター上の上限額まで寄附すれば安心」とは言えなくなるため、高所得者ほど寄附額のコントロールが重要になります。
5.実務上の注意点②
この改正は、
2028年度(令和10年度)以後の個人住民税から適用
住民税は前年所得を基に課税されるため、2027年(令和9年)以降の寄附から影響が生じます
→ 高額なふるさと納税を予定している方は、「いつ寄附するか」にも注意が必要です。
6.返礼品の課税関係は引き続き注意
今回の改正による直接的な影響はありませんが、
受け取った返礼品は一時所得の対象
となる点は、これまでどおり変わりません。
高額な返礼品を受け取った場合には、他の一時所得と合算して課税対象となる可能性がある点にも注意が必要です。
税理士の視点:今後のふるさと納税の考え方
今回の改正により、ふるさと納税は、
「限度額いっぱいまで使う制度」から
「控除上限を意識して使う制度」
へと変わっていきます。
特に高所得者の方は、
✔ 所得の種類(給与・株式・不動産)
✔ 他の税制改正(超高所得者課税等)
といった視点も含めて、総合的に検討することが重要です。
まとめ
令和8年度税制改正によるふるさと納税の控除限度額見直しは、
制度の公平性を高める一方で
高所得者にとっては実質的な負担増となる改正
です。
これまでと同じ感覚で寄附を行なうと、想定外の自己負担が生じる可能性があります。
当事務所では、
ふるさと納税の限度額判定
税制改正を踏まえた寄附シミュレーション
高所得者向けの個別税務アドバイス
を行なっています。
ふるさと納税の活用について不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。



