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退職所得の見直しが令和8年1月からスタート

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 1 日前
  • 読了時間: 3分

おはようございます!代表の安田です。


令和7年度税制改正により、退職所得に関する重要な見直しが行われ、令和8年1月から実務対応が必要となります。今回の改正は、退職金を支払う企業側だけでなく、退職金を受け取る個人にとっても影響がある内容です。

特に、

  • 退職受給申告書の保存期間の変更

  • 退職所得の源泉徴収票の提出義務の拡大

といった点は、これまでの実務を前提にしていると見落としやすいポイントです。

本記事では、退職所得課税の見直し内容について、中小企業の経営者・人事担当者・個人の方向けに、税理士が分かりやすく解説します。


今回の改正の全体像

令和7年度税制改正では、退職所得課税について次のような見直しが行なわれました。

  • 老齢一時金に係る退職受給申告書の保存期間の延長

  • 退職所得の源泉徴収票について、提出省略範囲を廃止

これらはいずれも、令和8年1月1日以後に支払われる退職手当等から適用されます。


老齢一時金に係る「退職受給申告書」の保存期間が10年に

退職金を受け取る際には、「退職所得の受給に関する申告書(退職受給申告書)」を提出する必要があります。

従来、この申告書は、退職金の支払者が7年間保存する取扱いでしたが、改正により、老齢一時金に該当する退職手当等については保存期間が10年間に延長されました。

なお、老齢一時金に該当しない通常の退職手当等については、引き続き7年間の保存となります。


保存期間見直しの背景と実務上の注意点

今回の保存期間延長は、退職所得控除額の計算における勤続期間の重複排除ルールの見直しと関連しています。

過去に老齢一時金を受給している場合には、その後に受け取る退職手当等との関係で、勤続期間の重複排除の対象となる範囲が広がっています。

そのため、

  • 企業側は退職受給申告書を長期間保管できる体制の整備

  • 個人側も過去の退職金受給歴を把握しておく

ことが、これまで以上に重要になります。


退職所得の源泉徴収票は「全ての居住者」が提出対象に

もう一つの大きな改正点が、退職所得の源泉徴収票の提出義務の拡大です。

これまで、退職所得の源泉徴収票は、法人の役員に退職金を支払った場合のみ提出義務がありました。


しかし改正後は、令和8年1月1日以後に支払う退職手当等について、全ての居住者分の源泉徴収票を提出する必要があります。


源泉徴収票の様式・記載方法も見直し

あわせて、令和8年分以降の退職所得の源泉徴収票については、

  • 退職手当等が老齢一時金に該当する場合

  • その他の退職手当等の場合

といった区分に応じて、所定の番号を記載するなど、様式・記載要領の見直しも行われています。

事務処理を誤ると、提出漏れや記載誤りにつながるおそれがあるため注意が必要です。


企業・個人それぞれが注意すべきポイント

<企業側の注意点>

  • 退職受給申告書の保存期間の管理体制を見直す

  • 役員・従業員を問わず源泉徴収票を提出する体制を整える

  • 人事・総務部門と税務顧問との連携を強化する

<個人側の注意点>

  • 過去に受け取った退職金・老齢一時金の有無を把握する

  • 複数回退職金を受け取る場合の税務上の影響を理解する


まとめ|令和8年1月以後の退職金は「事前確認」が重要

今回の退職所得課税の見直しは、制度自体を大きく変えるものではありませんが、実務対応の負担は確実に増える内容です。

特に、

  • 退職金の支給を予定している企業

  • 近い将来、退職金を受け取る予定のある方

は、改正内容を正しく理解したうえで、早めに準備を進めることが重要です。


退職金に関する税務や、制度改正への対応について不安がある場合は、税理士へ早めに相談することで、申告漏れや事務ミスを防ぐことができます。



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