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非居住者から不動産を借りると源泉徴収が必要?

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 7 時間前
  • 読了時間: 3分

おはようございます!代表の安田です。


近年、海外在住の個人や外国法人が所有する不動産を、日本国内で賃借するケースが増えています。このような場合、不動産の借主側に「源泉徴収義務」が生じることがある点は、意外と知られていません。


特に法人がオフィスや倉庫等を借りている場合、源泉徴収を失念すると、追徴課税や延滞税のリスクにつながる可能性があります。


本日は、非居住者等に支払う不動産賃借料の源泉徴収の基本ルールと、実務上の注意点について、税理士の立場から分かりやすく解説します。


非居住者等に支払う不動産賃借料と源泉徴収の原則

日本国内にある土地や建物を、非居住者または外国法人(以下「非居住者等」)から借りた場合には、原則として、借主が賃借料の支払時に所得税等を源泉徴収する必要があります。

この源泉徴収義務は、法人・個人を問わず、借主側に課される点が重要です。


<源泉徴収が不要となる例外ケース>

すべての場合に源泉徴収が必要というわけではありません。例外として、次のケースでは源泉徴収が不要とされています。


  • 個人が、自己またはその親族の居住用として不動産を借りる場合


この場合は、たとえ貸主が非居住者等であっても、源泉徴収の対象とはなりません。

一方で、事務所・店舗・倉庫・社宅など、事業用として借りる場合は原則対象となります。


源泉徴収税率と納付期限

源泉徴収が必要な場合の税率は、賃借料の20.42%(所得税+復興特別所得税)です。

借主は、賃借料を支払う際にこの税額を差し引き、原則として、支払った月の翌月10日までに所轄税務署へ納付します。


源泉徴収を忘れていた場合の対応

実務では、

  • 契約当初に貸主が非居住者であることを把握していなかった

  • 源泉徴収が必要だと知らず、満額支払っていた

というケースも少なくありません。

このように、本来貸主が負担すべき所得税等を、借主が立替納付した場合には、次のような対応が可能とされています。

  • その後の賃借料の支払時に、一定額ずつ控除する

  • 納付した税額について、貸主に請求する


立替納付後の処理で注意すべき点

借主が立替納付を行ない、

  • 賃借料から税額を控除した場合

  • 貸主に納付額を請求した場合

であっても、源泉所得税の納付書に特別な記載をする必要はありません。


ただし、貸主との間で、控除方法や精算方法について事前に合意しておくことが、トラブル防止の観点から重要です。


不動産の所有者が途中で非居住者になった場合

賃借期間中に、

  • 不動産の所有者が変更され

  • 新しい所有者が非居住者等となった

場合にも注意が必要です。

このケースでも、所有者変更後に支払う賃借料については、原則として源泉徴収が必要となります。

「契約時は居住者だったから大丈夫」と判断せず、所有者の属性変更にも注意しましょう。


実務でよくある注意点まとめ

非居住者等に支払う不動産賃借料については、

  • 貸主が「非居住者・外国法人」に該当するかの確認

  • 居住用か事業用かの区分

  • 源泉徴収税率(20.42%)の適用

  • 納付期限(翌月10日)の管理

といった点を確実に押さえる必要があります。

特に、源泉徴収義務は借主側に課されるため、「貸主が対応するもの」と誤解しているとリスクが高くなります。


まとめ|非居住者との不動産取引は事前確認が重要

非居住者等に支払う不動産賃借料については、通常の国内取引とは異なる税務ルールが適用されます。

源泉徴収を失念した場合、借主側が税務上の責任を負うことになるため、契約時点での確認と、適切な処理が不可欠です。

海外オーナーとの賃貸借契約や、源泉徴収の要否判断に不安がある場合は、早めに税理士へ相談することで、将来の税務リスクを防ぐことができます。



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