公認会計士試験が変わる?
- 安田 亮
- 6月26日
- 読了時間: 2分
おはようございます!代表の安田です。
2025年6月12日、公認会計士・監査審査会(CPAAOB)は、公認会計士試験の試験制度全体にわたる見直しを発表しました。その中心にあるのは、「試験バランスの調整」と呼ばれる施策で、単なる出題範囲の変更にとどまらず、試験構成そのものの刷新と新分野(英語・サステナ・IT)の取り込みが議論の対象となっています。
■ 背景:受験者数は増加、しかしバランスに課題
現在、会計士試験の受験者は増加傾向にありますが、短答式と論文式の合格率のギャップが大きく、受験者の多くが短答試験対策に偏ってしまう実態が指摘されています。
この偏重を是正し、より多くの受験者が論文式試験へ進めるよう、次のような措置が講じられます。
項目 | 内容 | 実施時期 |
短答式合格率の引上げ | 論文式の受験者数を増やす | 令和9年試験〜 |
論文式の合格基準引上げ | 得点比率52% → 54% | 令和9年試験から3〜4年かけて段階的に実施 |
試験時間・配点の見直し | 計算問題の比重を調整 | 令和8年試験〜 |
■ 新しい出題領域:英語、サステナビリティ、IT
今回の発表の中でも特に注目されるのは、「試験問題の出題範囲そのもの」への言及です。将来的に以下の分野が出題対象に含まれる可能性が明言されています。
英語による出題:会計・監査のグローバル化に対応
サステナビリティ情報の保証・開示:ESG開示への対応力強化
監査業務におけるITの活用:AI・RPA・監査ツールの理解促進
これにより、公認会計士に求められる知識は従来の会計・税務にとどまらず、多言語・IT・非財務情報まで多岐にわたることが明確になっています。
■ 今後の実務・教育への影響は?
この改革は、実務家にとっても無関係ではありません。採用・育成の場面では、以下のような対応が求められるでしょう。
対象 | 必要な対応 |
受験者・学生 | 英語・IT・サステナ分野への準備強化 |
監査法人・事務所 | 教育体制・OJT内容の再構築 |
専門学校・大学 | カリキュラムの抜本見直しが必要 |
■ まとめ:未来の会計士像に近づく改革
今回の見直しは、公認会計士に求められる役割の変化──監査の質の向上、国際対応、非財務情報の保証──に的確に対応する改革と言えます。
今後の出題傾向や試験制度の変化は、公認会計士という資格の本質を問うものとなっていくでしょう。

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