おはようございます!代表の安田です。
賃上げ促進税制における組織再編に伴う調整計算について、誤りが散見されるケースが増えていることが指摘されました。ここでは、合併が行なわれた場合の調整計算の基本について整理し、正確な計算方法を解説します。
賃上げ促進税制の基本
賃上げ促進税制は、適用年度の雇用者給与等支給額を前事業年度の雇用者給与等支給額(比較雇用者給与等支給額)と比較することで、適用を受けるための要件を確認します。合併が行われた場合、比較雇用者給与等支給額の計算には、合併によって増加した被合併法人に係る給与等支給額を加算して調整する必要があります。
適用年度に合併が行なわれた場合の調整計算
適用年度に合併が行なわれた場合、合併法人の調整対象年度(前事業年度)の給与等支給額に、被合併法人の月別給与等支給額を加算して計算します。具体的には、以下の手順で計算します:
合併法人の前事業年度における国内雇用者に対する給与等支給額を確認する
被合併法人の月別給与等支給額を合計し、適用年度に含まれる月数分を乗じる。
この金額を適用年度の月数で除して調整対象年度の給与等支給額に加算する。
たとえば、A社(3月決算法人)が令和6年7月1日にB社を吸収合併した場合、A社の令和6年3月期における国内雇用者に対する給与等支給額に、B社の月別給与等支給額の合計額に9/12を乗じた金額を加算した金額が、A社の令和7年3月期における比較雇用者給与等支給額となります。
前事業年度に合併が行なわれた場合の調整計算
前事業年度に合併が行なわれた場合も同様に、合併法人の前事業年度における給与等支給額に、被合併法人の月別給与等支給額を加算して計算します。具体的には以下の手順で行ないます。
合併法人の前事業年度における国内雇用者に対する給与等支給額を確認する
被合併法人の月別給与等支給額を合計する。
この金額を前事業年度の給与等支給額に加算する。
たとえば、A社(3月決算法人)が令和5年7月1日にB社を吸収合併した場合、A社の令和6年3月期における国内雇用者に対する給与等支給額に、B社の月別給与等支給額の合計額を加算した金額が、A社の令和7年3月期における比較雇用者給与等支給額となります。
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