おはようございます!代表の安田です。
2025年度の税制改正により、「防衛特別法人税」の創設が予定されています。
これに伴い、企業会計基準委員会(ASBJ)は、2025年2月20日に「防衛特別法人税の税効果会計の取扱い」に関する補足文書を公表しました。本記事では、企業の財務・会計担当者が留意すべきポイントについて解説します。
防衛特別法人税とは?
防衛特別法人税は、2026年4月1日以降に開始する事業年度から適用される新たな付加税です。法人税額から500万円を控除した後の金額を課税標準とし、税率4%で課税される仕組みとなっています。
この税制は、日本の防衛関連の財政基盤を強化するために導入されるものであり、企業にとっては新たな税負担となります。ただし、2025年3月期の決算では当期税金には影響を及ぼしません。
防衛特別法人税の税効果会計への影響
税効果会計を適用する企業にとっては、この新たな税制の影響を決算に反映させる必要があります。具体的には、以下のような点に留意しなければなりません。
(1)繰延税金資産・負債の計算
企業が決算日(2025年3月31日)時点で国会において成立している税法を基に繰延税金資産および繰延税金負債を計算する必要があります。したがって、改正税法が2025年3月31日までに成立した場合には、2026年4月1日以降に適用される防衛特別法人税の影響を繰延税金の計算に反映する必要があります。
(2)法定実効税率の変更
防衛特別法人税は法人税に対する付加税であり、税効果会計上も法人税その他の利益に関連する税金として取り扱われます。そのため、法定実効税率の算定に防衛特別法人税を加えることが求められます。
法定実効税率の算定にあたっては、法人税、地方法人税、特別法人事業税と同様に取り扱う必要があるとASBJは示しています。具体的な計算式についても補足文書内で示されており、企業の財務担当者はこれを考慮した適用が求められます。
今後の対応
ASBJは、防衛特別法人税の創設に伴い、企業会計基準の改正作業を進める予定です。財務担当者は、今後の基準改正や実務対応を注視しながら、適切な税効果会計の適用に備える必要があります。
また、企業の財務戦略においても、新たな税負担の影響を分析し、長期的な税務戦略の見直しを行うことが重要です。

コメント