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IT導入補助金を使った場合、圧縮記帳はできる?

  • 執筆者の写真: 安田 亮
    安田 亮
  • 2 日前
  • 読了時間: 4分

おはようございます!代表の安田です。


業務効率化やDX推進のため、ITツールを導入する中小企業は年々増加しています。

その際に多く活用されているのがIT導入補助金ですが、「補助金を受けた場合、圧縮記帳はできるのか?」というご相談をいただくことが少なくありません。

実は、会計処理の方法によって圧縮記帳の可否が大きく異なります。本記事では、税理士の視点から実務上の注意点を解説します。


IT導入補助金とは?

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等が労働生産性の向上を目的としてITツールを導入する際に、その費用の一部を国が補助する制度です。

近年の制度では、

  • 通常枠

  • 複数社連携IT導入枠

  • インボイス枠(インボイス対応類型/電子取引類型)

  • セキュリティ対策推進枠

など、複数の枠が設けられており、一部の枠では大企業も対象となる点が特徴です。


圧縮記帳とはどのような制度か

法人が国や地方公共団体から補助金を受けて固定資産を取得または改良した場合には、一定の要件を満たすことで圧縮記帳(法人税法42条)を適用することができます。

圧縮記帳とは、

  • 補助金相当額を損金として処理し

  • その分、固定資産の帳簿価額を減額する

ことで、補助金に対応する利益を課税繰延べできる制度です。


IT導入補助金でも圧縮記帳は可能?

結論からいうと、IT導入補助金を使った場合でも、圧縮記帳ができるケースとできないケースがあります。

その分かれ目となるのが、ITツールを「固定資産」として処理しているかどうかです。


<固定資産として処理する場合>

IT導入補助金を受けて取得したソフトウェア等を、

  • 無形固定資産(ソフトウェア)

  • 有形固定資産(サーバー等)

として計上する場合には、補助金の交付目的に適合していれば圧縮記帳の適用が可能となります。

この場合、

  • 補助金相当額を圧縮損として損金算入

  • 固定資産の取得価額を減額

することで、税務上の負担を抑えることができます。


<繰延資産として処理する場合は注意>

一方で、実務上よく見られるのがクラウドサービス型ソフトウェアの処理です。

クラウドサービスは、

  • 利用期間が複数年にわたる

  • 資産性が弱い

といった理由から、繰延資産として処理されるケースがあります。

しかし、圧縮記帳が認められるのは「固定資産」の取得等を目的とする補助金に限られます。

そのため、IT導入補助金を使っていても、繰延資産として処理している場合は圧縮記帳は適用できません。

これは見落とされやすいポイントです。


「補助金=必ず圧縮記帳できる」ではない

実務では、

  • 国からの補助金だから

  • 設備投資に使っているから

という理由で、当然に圧縮記帳できると誤解されるケースもあります。


しかし実際には、

  • 資産区分(固定資産か繰延資産か)

  • 会計処理の内容

  • 補助金の交付目的との整合性

を総合的に判断する必要があります。


IT導入補助金の申請期限にも注意

なお、直近のIT導入補助金の最終締切日は、令和8年1月7日(水)17時でした。

締切直前は、

  • 申請マイページへのアクセス集中

  • 書類不備による差戻し

が起こりやすいため、余裕をもった申請準備が重要です。


税理士の視点:実務での対応ポイント

IT導入補助金を活用する場合には、

  • 導入予定のITツールが固定資産に該当するか

  • 圧縮記帳を適用した方が有利か

  • 他の税制(少額減価償却資産の特例等)との比較

を事前に検討することが重要です。

会計処理を誤ると、後から圧縮記帳が使えないという事態にもなりかねません。


まとめ

IT導入補助金は、中小企業のDX推進にとって非常に有効な制度ですが、

  • 固定資産として処理するか

  • 繰延資産として処理するか

によって、圧縮記帳の可否が大きく変わる点には注意が必要です。


当事務所では、

  • IT導入補助金を踏まえた会計・税務処理の検討

  • 圧縮記帳や各種特例の適用判断

  • 補助金活用を含めた税務アドバイス

を行なっています。

ITツール導入や補助金活用をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。



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