新リース会計基準と法人税のズレ
更新日:9月2日
おはようございます!代表の安田です。
オペレーティング・リース取引に係る申告調整の新情報についての記事です。
2024年4月から適用が始まった新リース会計基準。これにより、従来はオフバランス処理されていたオペレーティング・リースも、原則として「資産」として計上されるようになりました。
しかし、ここで一つ問題が……。税務では従来どおり、オペレーティング・リース取引は「賃貸借」として処理するルールが変わっていないのです。
税務と会計の「ズレ」が発生する?
新リース会計基準では、オペレーティング・リースも「資産」として計上し、減価償却や利息相当額を費用として計上します。
一方、法人税のルールでは、あくまで「リース料」を損金算入する処理が継続されます。
これにより、税務と会計で計上する費用の中身が異なり、「税会不一致」が生じるのです。
国税庁が示した対応方法
このズレをどう扱うかについて、国税庁が6月30日付で「オペレーティング・リース取引に係る借手の申告調整について」を公表しました。
掲載場所は以下のとおりです(少し奥深くにあるので注意):
ホーム>税の情報・手続・用紙>申告手続・用紙>申告・申請・届出等、用紙(手続の案内・様式)>税務手続の案内(税目別一覧)>法人税>令和7年4月以降に提供した法人税等各種別表関係
ここでは、主に別表四および別表五に関する記載例が掲載されており、法人税の申告調整について明確に説明されています。
調整のポイント:「総額法」で対応
申告調整の例として紹介されているのが、いわゆる「総額法」による方法です。
これは、
会計上の費用(減価償却費+利息)を別表四で「加算」
税務上の損金(リース料)を「減算」
という処理を行なうことで、税務上の正しい損金額へと調整します。
実務への影響と留意点
対象となるのは新リース基準に基づく処理を行なっている法人
該当する取引がある場合、法人税申告書作成時に別表四・五の記載に注意が必要
会計システムや申告ソフトに自動計算機能がない場合は、手作業での確認が必須
最後に
新リース会計基準の導入により、会計と税務で処理方法が分かれる項目が生じています。オペレーティング・リースに関しても、例外ではありません。
申告時に思わぬミスを防ぐためにも、早めのチェックと準備をお勧めします。
ご不明点がある方は、当事務所までお気軽にご相談ください。
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【この記事の執筆者】
安田 亮(公認会計士・税理士)
安田亮公認会計士・税理士事務所 代表
京都大学経済学部在学中に公認会計士試験に合格。有限責任 あずさ監査法人、株式会社神戸製鋼所での実務経験を経て、2018年に神戸市で独立。
現在は、中小企業から上場企業に対する税務顧問、決算支援、税効果会計、連結決算、新リース会計基準への対応、組織再編、補助金・助成金に関する支援などを行なっています。また、金融機関や大手企業が運営する税務・会計・経営分野のWebメディアにおいて、記事の執筆・監修にも携わっています。
事務所ブログでは、税制改正や会計基準、経営実務に関する情報を、専門用語をできるだけかみ砕き、経営者や経理担当者の方に役立つ形で解説しています。






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